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令和6年6月議会 清水彩子の一般質問④【発達検査の充実について】

【清水彩子の質問】
都内では発達に障がいがある子供が、特別支援教育を利用する前に、障がいの有無や特性を調べる検査を求められますが、検査の予約が取れず、支援に繋がるまでに時間がかかる状況が長年課題としてあり、特に多摩地域はそうした状況にあり、武蔵村山市も検査までに数ヶ月かかる自治体の1つとされています。

東京都は、令和6年度、区市町村発達検査体制充実緊急支援事業として、区市町村が検査を行う心理職等の増員など、検査体制を充実させる内容に対し、補助を出すつことになりました。
この補助金を活用し、検査機関を充実させられないか伺います。

検査内容の充実については、現在武蔵村山市では、発達検査はWISC-Ⅳ等を行っていますが、読み書き障がいに特化した、STRAW-R、KABC-II、URAWSSなどの検査が行われている自治体もあり、発見しづらい障がいの早期発見としても、様々な検査が受けられる必要性を感じます。
早期発見・早期支援は大切です。障がいを見過ごさぬよう、検査内容を充実させられないか伺います。

【教育長答弁】
教育委員会では、教育相談室において、特別支援学級への就学や、特別支援教室への入級を希望される場合に、WISCや田中ビネー等の検査を実施しております。教育委員会といたしましても、早期発見・早期支援の重要性は認識しておりますので、相談を受けた場合には医療機関におつなぎしていきたいと考えております。


(再質問)
教育相談室の発達検査は年間何人くらいの子供が検査をしますか。

(答弁)
過去3年間の発達検査の実施状況につきましては、令和3年度は146件、令和4年度は156件、令和5年度は172件となっております。

(清水)
待ち状況はどのような感じでしょうか。

(答弁)
現在教育委員会では週3日の5人の心理士と契約しておりますが、次年度の就学相談や特別支援教室の入り直し等の検査を実施するため繁忙期があり、要望になかなか応えられない場合もありますが、逆に空いている期間もありますので、教育委員会としては、こうした時期を活用していただけるように学校や保護者に御案内しております。

(清水)
保護者としては、就学に近い時期の子供の状況を知りたかったり、就学に向けて検査を促されることが多いと思います。きっかけがない時に学校が検査を促すことも難しいと思いますし、保護者の心情としても、検査の必要があるとわかれば、少しでも早く検査をしたいと願うものだと思いますので、すいている時期に行くことを、学校や保護者に進めるという調整の仕方は難しいように感じます。
繁忙期に場所を確保して、心理士等発達検査ができる職員を増員することはしているのでしょうか。

(答弁)
増員はしておりません。

(清水)
わかりました。区市町村発達検査体制充実緊急支援事業は、検査の外部委託経費のうち、検査体制の充実のために新たに要する経費についても補助が出るようですが、そのような御検討はありますか。

(答弁)
教育相談室でも、申込からすぐに検査実施とはいきませんので、待っていただく期間はございます。昨年度の状況ですと、空いていて家庭の都合がつけば1週間以内に実施ができています。また、最長でも1カ月程度待っていただいております。年間を通して常にひっ迫しているという状況ではありませんので、検討はしておりません。

(清水)
教育相談室として、ひっ迫している状況ではないため検査体制の整備の必要はないとのことで理解はしましたが、申込からすぐに検査できるように体制づくりを宜しくお願いします。
市内には東京小児療育病院がありますので、東京小児療育病院で発達検査を受けることを希望する保護者が多いと思いますが、現在初診の待ち状況を教えてください。

(答弁)
東京小児療育病院にお聞きしたところ、初診の予約は3か月後となっているということです。3か月後に受診、翌月に検査を実施し、フィードバックを受けるまでに半年程度かかるとのことです。
また、診断書についても申込から2~4週間かかるとのことです。

(清水)
わかりました。東京小児療育病院は、とても広い範囲から利用者が来ています。年々教育相談室の発達検査の件数が増えている状況、東京都が緊急支援事業を始めようと考えた状況からしても、武蔵村山市としても検査体制をどうしていくのか考えていく必要はあると思います。

教育相談前の乳幼児について、市内で発達検査が受けられる場が、東京小児療育病院だけになっている状況であり、保育所等での巡回相談や健診で気になるお子さんが、待たずに検査を受けられる場所が必要です。
0歳からの検査として、「遠城寺乳幼児分析的発達検査」や「新版K式発達検査」といった検査もあるので、5項目めに質問をしますが、「児童発達支援センター」を設置して、そこで早期に検査を受けられるよう検査機関の充実をしていただきたいと思いますので宜しくお願いします。

続きましては、検査内容の充実についてですが、教育相談室でWISCと田中ビネーは受けられますが、発達には問題はないけれど、読み書きに問題がある子もいます。このような場合、WISCや田中ビネーではわからず、STRAW-R、KABC-II、URAWSSなど、読み書き障がいに特化した検査が必要になります。 

親や教員が、検査を必要だと感じた場合、どのようにつないでいますか。

(答弁)
学校での学習や生活の様子から、教員が課題を感じた場合には、保護者に教育相談室での相談を進めています。その中でWISCなど知能検査を行うことが一般的です。
知能検査でも十分にわからない場合は、その他の要因がある可能性も含めて、フィードバック時に保護者へ伝え、医療機関をすすめています。

(清水)
そうした検査を教育相談室でできないでしょうか。

(答弁)
まず、教育相談室では就学相談のために、WISCや田中ビネーといった知能検査のみを実施しております。
また、いま契約している心理士の中には、これらの検査を実施できる方もおりますが、全てではございません。読み書き障害に特化した検査ということになると、医療機関で継続して受診していただくことがよいと考えます。

(清水)
読み書きの検査の必要もあるお子さんは、そんなに人数が多いわけではないので、できる心理士がいれば御検討いただきたいと思います。
今、WISCはⅣでしょうか、Ⅴでしょうか。

(答弁)
現在はⅣを使用しています。

(清水)
いつ頃Ⅴにする予定でしょうか。

(答弁)
検査キットにつきましては、既に2セットを購入しております。
今後、WISC-Ⅴ実施に向けて、心理士への研修等を検討しているところです。

(清水)
わかりました。ⅣからⅤになると、どのような検査内容になり、どのようなことがわかるようになったのでしょうか。

(答弁)
WISC―ⅣとⅤの違いでございますが、1点目として、WISC-Ⅳで4つの指標で解釈していた全体的な認知能力を、WISC-Ⅴでは5つの指標で解釈するようになった点です。
これまで、「知覚推理指標」として行い、「目で見た情報を把握し推理する力」として捉えていたものを、「空間視覚指標」「流動性推理指標」の2つに分け、「目で見たものを理解する力」と「与えられた情報を把握し適切な答えを推理する力」の2つに分けて解釈するようになりました。
2点目として、WISC-Ⅳで15項目あった検査が、Ⅴでは16項目になり、さらに詳しく検査対象者の得意・不得意がわかるようになっています。

(清水)
わかりました。WISCもより識別できるようになってきているので、子どもの得意な部分がわかり伸ばしていけたり、不得意な部分をサポートできたりしていけると良いと思います。
発達検査の待ちの解消や、障がいを早期発見するための検査内容の充実は、行政の予算措置でできることであり、支援を充実していただきたいです。
早期発見、早期支援に子供たちの未来がかかっていますので、ご検討いただくよう宜しくお願いします。以上で4項目めの質問を終わります。

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