具体と抽象(読書レポート)
先日上司に、
「神田さんは学びを抽象化してそれをほか案件にも応用していく力をつけていけるといいね。」
と言われて、「なんのこっちゃ」とわけわかめだったので、googleで「学び 抽象化」と打ち込んだ。
そして行き着いたのが細谷功さんの「学びと抽象」だった。
この視点、めっちゃ役立つやん!実生活にも執筆にも!
と興奮にしたので、自分にインプットを定着させるためにも、まとめを残しておこうと思う。
私と同じように「具体 抽象」と検索した方が、この記事をみるかもしれない万が一を想定して、短めのと長めのまとめ両方残しておきます。
短めのまとめ
抽象とは自由度が高く人によっては解釈がことなる。
具体とは、自由度が低く、解釈が大きく異なることはない。
言葉や数も抽象化されたもの。
上位層になるほど抽象化されていて、下位層は具体化されていく。
リーダーと実行部隊で議論が噛み合わないときは見ている階層が違っていることが要因。
抽象化の応用とは、表面的な類似性でなく 、関係性や構造レベルでの共通点と相違点に目を向けて、 「要するに何が大事なのか 」ということを抽出する。
抽象と具体の反復が重要。
かいつまむとこんな感じ。
上司が何言ってんのかわからないことが多々あったんだけど(冒頭の言葉もそう)見てる階層が違ったのかと知ると、なるほどね〜。と納得。
長めのまとめ
具体は一つ一つの個別事象に対応したもので 、抽象はそれらを共通の特徴で一つにまとめて一般化したもの。つまり複数 ( N )の具体に対して一つの抽象が対応する 、 「 N : 1 」という対応関係になる。
学者や理論家の仕事は通常 、複数の事象を一般化 ・抽象化することで理論化 ・法則化して 、だれにでも役に立つ汎用的なものにすることです 。
一方で 、理論化されたものはそのままでは実行するのが難しいので 、それを具体化する必要があります 。
そのため実務家は 、具体レベルでの実行を重視します。
言葉と数を生み出すのに必要なのが 、 「複数のものをまとめて 、一つのものとして扱う 」という 「抽象化 」です 。
言い換えれば 、抽象化を利用して人間が編み出したものの代表例が 「数 」と 「言葉 」です 。抽象化のない世界はどんな世界でしょうか 。
たとえば 、飼い犬との自動翻訳が可能になったという思考実験をしてみます 。
**こんな会話が交わされることになるのではないでしょうか ? **
**「ごはん食べる ? 」 **
**「えっ ! ?何ですか ? 『ごはん 』って 」 「 『エサ 』のことだよ 」 **
**「えっ ! ?何ですか ? 『エサ 』って 」 **
**「ロ ーファットフ ードだよ 、ス ーパ ーペット社製の … … 」 **
**「えっ ! ?結局 、何を食べられるのかよくわからないなあ … … ? ? 」 **
**「昨日の朝も夜も食べたでしょ ?玄関の下駄箱の横に置いてあるあれのことだよ 」 **
**「ああ 、あれのことですね 。難しい言葉で言われたので 、何のことだかさっぱりわかりませんでしたよ 」 **
**「えっ ! ? 」 **
… …犬はたとえ話せるようになったとしても 、抽象化された概念の理解力が弱いので話しが通じにくい。
「細部を切り捨てて特徴を抽出する 」といえば 、物まねや似顔絵を思い起こします 。
思わず笑ってしまったり感心したりするような物まねや似顔絵は二通り考えられます 。
一つは文字どおり 「写実的 」ですべてが本物そっくりなもの 。
つまり具体レベルで似ているというもので 、もう一つが 、どこが似ているのかわからないのに似ていると思わせるもの 、つまり特徴がデフォルメされて見事に表現されているものです 。
抽象化とは 、このような 「デフォルメ 」です 。特徴あるものを大げさに表現する代わりに 、その他の特徴は一切無視してしまう大胆さが必要といえます 。
じつは抽象化の構造が階層的になっていることで 、抽象化の威力がさらに増します 。
それは 、階層の上位が持っている性質を下位の階層がそのまま引き継ぐということです (逆はそうではありません ) 。
つまり 、 「魚 」が一般的に持っている特徴 (えら呼吸をしている 、死んだら目がにごる … …など )は鮪も鰹もみな引き継ぎ 、鮪が一般的に持っている特徴は 、本マグロもキハダマグロもみな引き継ぐということです 。
これが 、学問や知の発展には大きく貢献します 。つまり 「一を聞いて十を知る 」という 、第 4章で解説した抽象化の最大の意義は 、 「同種の集まり 」や属性が下の階層にも同じように適用できるという点で 「縦方向 」の応用も意味することにあります 。
アナロジーを利用したアイデア抽出場面ではこのような考え方がとくに重要になります 。表面的な類似性でなく 、関係性や構造レベルでの共通点と相違点に目を向けること 、そして 「要するに何が大事なのか 」という本質レベルで共通点や相違点に目を向けることそれができれば抽象化というツールを最大限に生かすことができる。
重要なのは、「抽象化」と「具体化」をセットで考えること。
まずは実践の活動を通して世の中の具体をつかみ 、それを頭の中で抽象化して思考の世界に持ち込む 。そこで過去の経験や知識をつなぎ合わせで新しい知を生み出したのち、再び実践可能なレベルに具体化していく。
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