佐藤文香『そんなことよりキスだった』(左右社)のためのプレイリスト9*くるり「ワールズエンド・スーパーノヴァ」/崎山蒼志「国」 #そんキス
『そんなことよりキスだった』、9話目は「小泉くんが気になる」。ここで出てくる「前の彼氏」というのにはモデルがいて、人生的には非常に重要な人物でした。ヴィレッジヴァンガードや古着屋に連れて行ってくれたし、穂村弘『ラインマーカーズ』をくれたし、GRAPEVINE『Lifetime』(1999)・くるり『アンテナ』(2004)を貸してくれた。あと、その人のおかげで、私は俳句を続けた(そういう重い話は、「そんキス」に出てきません)。
『アンテナ』では「花の水鉄砲」が好きでした。そのあとくるり『THE WORLD IS MINE』も借りて、とくに「GO BACK TO CHINA」と「ワールズエンド・スーパーノヴァ」の2曲をよく聴きました。すごい、わかりたい、と思った。
僕は風になる すぐに歩き出せる
次の街ならもう名前を失った
僕らのことも忘れたふりして
ーくるり「ワールズエンド・スーパーノヴァ」
歌詞は→こちら
岸田さんのつかう「僕」という一人称が、なんだかそのころの自分にしっくりくる気がしました。音楽面でいえば、tofubeats「水星」をはじめて聴いたときに心が動いたのは、「ワールズエンド・スーパーノヴァ」のおかげかもしれない。
はじめて崎山蒼志を聴いたとき思い出したのは、そのころのことです。降り注ぐ音楽と、迎えに行くじぶんが出会うかんじ。
「国」はアルバム『いつか見た国』の1曲目で、「Bohemian Rhapsody」みたいに何曲かが集合したようなつくり。でも、マニアックさが鼻につかないさわやかな曲です。
ねえ君のはなしはなに どう答えてもいいから
ねえ君のはなしはなに 揺れる木々がまた夢みたいに
ねえ君のはなしはなに どう答えてもいいから
ー崎山蒼志「国」
歌詞は→こちら
次回は、RIP SLYME「GALAXY」 /ASIAN KUNG-FU GENERATION「君という花」/PETROLZ「雨」です。
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