ありがとうQUEEN
私にとってQUEENが特別な存在になったのはつい昨年。妊娠中にどんどん化けて行く自分の体に閉じ込められているように錯覚し始めた頃でした。
妊婦特有のホルモンの作用からかわけもなく振り切れる感情や、妊娠によるあらゆる制限からくるストレス発散として一番効いたのがQUEENだったのです。
テレビのコマーシャルで耳にしたキャッチーなフレーズがQUEENの曲だと知り、SpotifyでQUEENを聴いては体を動かし、脳をプルプル震わせ、シャワーを浴びる毎日。
QUEENを聴くと、もともと飲めないアルコールを耳から脳を経て体に染み渡らせるように酔えるうえ、スカッとする爽快感まで味わえる。
それだけじゃなく、一歩前へ。そして生きる。生きるんだ!
という、エネルギーをくれて、ひとりじゃない。一緒にいるよという血の通った熱を感じられる音楽。
QUEENの歌詞の中にはよく「We」(私たち)という複数の主語が出てきます。これが孤独を慰めてくれるのかなとも思います。
出産最中もiphoneからQUEENを流して予期してなかった陣痛を一緒に乗り越え、一緒にいきみました。
生まれてる子が男の子だったら「フレディ」に命名しよう!と提案するも、それは即却下されましたが……。
こんなに好きになったQUEENですが、その歌い手であるフレディ・マーキュリーはもうこの世にいない人。当然、コンサートなんて行けるわけもなし。
それがどうしたわけか、今年の10月フランスでも上映されることになったQUEENの映画。
行くでしょう。観に行くでしょうこれは。
映画館に足を運ぶ前からフランスのプロの批評家の間では評判がよくないという噂が耳に入ったし、フレディ・マーキュリーを誰が演じてもそれは本物のフレディじゃない。そんなことを考えては、はやる心に重しをしてあまり期待せずに観に行きました。
映画はじまりから、悪くない。全然、悪くない。
俳優さんの演技も、テンポも音楽もディレクションもなにもかも、じゃましていない。
後半、体温がじわじわと上がってきてセータが暑いと感じだしたと思ったら、ひっくひっく言ってしまいそうな声を押し殺して号泣。
エンドロールが流れだしても滝のように目から流れ出る涙。体中がシビれて映画が終わっても立ち上がれない。フラフラしながら映画館を出ました胸もいっぱい。
ありがとう。QUEEN。
何度もいうし当たり前のことだけどQUEENって、私が生まれる前からデビューしたバンドでもうこの世にはいない歌い手のバンド。だからyoutubeで当時の伝説をちょっと味わうことしかできなかった感動が、映画スクリーンで素晴らしく立体的にたちあがって私もその一部に包まれて一体になることができました。
ああ、生きてる。ここにフレディ・マーキュリーが!
エぇーーーーーオ!
これ、リアル世代じゃない私でも腰を抜かすほどの体験だったのに、リアル世代の方々が観たらどうなるんだろう?と思いました。
もう一度観に行ってシビれたいです。
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