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執着するのは無形物だけでいたい


人や物、場所
1箇所、一つに依存するというのに不安を覚える。
野良猫だって餌場は複数あるだろう?
飼っているうウチの猫だって、ちやっかり外に餌場がある。

愛着を持つと無くしたときに悲しみが凄いので持ちたくない。
しかし、長年使っている道具とかは ちゃっかり自分の一部になっている。



以前、沖縄から帰る時うっかりカッターを没収された。
国内野飛行機でも没収されるのか…!!と
まあ、考えれば(考えなくとも)当たり前なことなのだが、海外ではやらかさないミスをちゃっかりやらかし、うっかり没収された。

刃を抜くからとか
着くまでお預かり出来ないかとか
宅配で送るとか
ねばってみたが、




「ダメです」
ボンッ




無惨に一言。
30cm四方のクリアボックスに投げ捨てられた。




なぜクリアボックスなんだ…!




そこにはハサミやカミソリなど、うっかり没収された品々がボックス内で積み重なっていた。
さながら地獄に落ちた人々の山のようだ。(イメージ)




なぜ見せしめのようにクリアボックスなんだ…!!




小さい空港で手荷物検査が搭乗口でだった為、没収されたカッターを見つめながら飛行機に乗ることになった。



さらばカッター



殿(しんがり)を務める為に残る永年の友との別れのような心地で搭乗した。



量産型、どこにでもあったカッターだったが
悲しみはでかい。

自業自得だと分かっているが、生き別れされた恨みははでかい。


刀を奪われた武士の心地だ



クリアボックスという演出も相まって
10年経った今でも旅行シーズンになると思い出す。


今は同じカッターがデスクに1本、リュックに1本、筆箱に1本刺さっているが
今でも「アイツ(カッター)…」と思う。

今でも国内線は警戒する。
日本語で言われる否定語は、外国語で言われるよりも刺さる。



ちなみに海外で没収されそうになったとき
「母の形見なんです」
というワードであらゆる国のチェックを潜り抜けていた友がいた。強い。




生物も物も近いと大切にしたくなるので、距離感を持ちたい。
執着するのは知識とか能力とか無形物でいたい。

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