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おいしいパエリアを求めて

コロナが落ち着いて、今年の夏はバルセロナに人がたくさんやってきます。友達や友達の友達などなど。そこで最近困っているのが「おいしいパエリアが食べたい」というリクエストに答えられないことです。
 
バルセロナだけでなく、スペインはどこへ行ってもおいしいものが食べられるので、まずくて食欲が失せるということはほとんどなく、それはパエリアにおいても当てはまります。しかし、「うまっ!」と思わず感動するものになかなか出会えないのです。
 
理由の一つに、そもそもパエリアはバルセロナの料理ではなくバレンシアの名物であるということ(私が現地の人にこの苦情を言ったら、「おいしいパエリアが食べたいならバレンシアへ行け。ここの名物じゃない」と一蹴されました)。だから、バルやレストランにならどこへ行っても必ずあるというわけではありません。平日のランチコースでお一人さま用パエリアを用意しているところもありますが、木曜日限定とか曜日が決まっていて毎日出していないところもあります(もちろん、あるところもある)。
 
そしてもう一つの理由は、パエリアがあるところは外国人観光客をターゲットにしているところが多いこと(そんな気がします)。私はこちらの要因のほうが大きいと思うのです。なぜなら、バルセロナ近郊のシッチェスやタラゴナ、マジョルカ島やメノルカ島では「とってもおいしい!」といえるパエリアを食べたことがあるからです。
 
先日、知り合い①がパエリアを食べたいというので、せっかくなら違うところへ行ってみようと、以前現地の友人がお勧めしてくれた店に行ったのですが、これがびっくり。まったくおいしくない。そのうえ見た目も超貧相。それなのに値段だけは立派。

たしかに殻をとってくれとは頼んだけど、こんなに寂しい姿がありますか……?

あとでこのがっかりストーリーを前出の「現地の人」にすると、「でもその友達はパエリアがおいしいって言ったわけ?」と冷静な切り返し。たしかに、そんなことは一言も言っていなかったような。
 
そしてつい最近も知り合い②がパエリアリクエストを出してきたので、もう今度は危険を犯すまいと、すでに行ったことがあるレストランへ連れて行きました。そのお店は、自身のレストランを持っている友人から4年ほど前に「バルセロナでちゃんとしたパエリアを食べるならここ」と、教えてもらったところ。なので、今回は余裕でしょと思っていたら──なんだか水っぽいうえに、かなりしょっぱい。イカ墨パエリアだったので、少ししょっぱいのは仕方ないにしても、かなりしょっぱい。

でもこういうときのアリオリソース。アリオリを混ぜたらまろやかに。と期待を込めて、米の上にのせて口へ運ぶと──もっとしょっぱい。食べられないほどではないですが、「すごくおいしい」とはお世辞にも言えず、唯一の持ち札が消えてかなりショックでした。いったいキッチンで何が起きたのでしょう。ちょっと前まではおいしかったはずなのに。
 
ということで、バルセロナでのおいしいパエリア探しの旅は続きます。

おいしかったパエリアのお店

シッチェスの場合
Can Laury
港に面したレストラン。安くはないけど、満足のおいしさ。
 
タラゴナの場合
El Pòsit del Serrallo
パエリアはもちろん、魚介類がすべておいしい。値段はちょっとお高め。
 
マジョルカの場合
Restaurante Club Náutico Portixol
ヨットクラブ併設のレストラン。大抵の場合ヨットクラブのレストランに間違いはない。

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