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Space


“空間”とか“宇宙”とか、そういう意味を持つ、英単語の“space”。

今週は、この“space(=空間)”を自分の中にうまく確保できず、ギリギリでした。多分、俗にいう五月病なのだと思います。


この五月病の原因は、なんとなく分かっているんです。この数週間は、四六時中そのことばかり考えていました。なのにどうにもできない。


そんなことをしばらく繰り返していたら、ついに今週、自分の中で“バキッ”と音が。

気付いたら、しばらく立ち上がれず、床に突っ伏したまま泣いていました。(もう、随分な大人なのにねえ…。)

悲しいとか、そういう感情でもなかったんですけど。よくわからない感情でした。本当に謎です。


「このままではまずい。」




ここまでになるのは、かなり久しぶり。

「こんな時、どうしてたっけ」と思うも、なんの当てもなかった金曜の夜、久しぶりにこの2本のPodcastを聴きました。


この2回のテーマは“Space”。

“空間”ではなく“宇宙”の方の“Space”です。


パーソナリティの長谷川潤さんと、ゲストの国立天文台の縣秀彦先生が、テーマである宇宙について語り合います。



このPodcastを聴くたびに印象的なのが、縣先生がご出身の長野で、東の空から上がってきた大きな獅子座の星座を観た際のエピソード。

その当時先生は、天文学を志すも、色々と思い悩んでいました。でも、その大きくて、かっこいい獅子座を観て、「こんなちっぽけなことで悩んでどうするんだ」と思ったそうです。


そして不思議なことに、このエピソードを含めた星や宇宙の話を聴いていると、こちらも本当にそう思えて来ます。



というのは、星や宇宙という未知なる世界の話は、あまりにも規模が大きく、出て来る数字も果てしなくて、正直あまり実感としてはよく分からないからだと思います。



このPodcastを聴くまで、ブラックホールなんて、宇宙空間にある、ただただ大きい、たったひとつの黒い穴だと思ってました。

でもブラックホールって、宇宙空間上に何個もあって、そのひとつひとつはものすごく小さな空間らしいです。しかも、太陽よりも重たい星の最後の状態のことらしく、だから太陽はブラックホールにはなれないんですって。つまりブラックホールって、寿命が尽きた星々の集合体ってこと?

聴いたものを理解して書いているつもりでも、やっぱりよく分かりませんが、これまでの研究で分かっているブラックホールというのは、こういったものらしいです。


そして、まだまだ分からないことだらけの、このブラックホールこそが、宇宙の歴史を読み解く鍵となるそう。


だからこそ、長年に渡って多くの人が研究してきたのだと思うのですが、こういう未知なるもの、というのは何も宇宙に限ったことではなく、人間も、自分自身も同じなのではないかと思います。

何が言いたいのかというと、人間にもひとりひとりブラックホールみたいなものがあるんだろうな、思うのです。こういう真っ黒で、自分の中では大きいと思っていたけど、実際はものすごく小さくて、よく分からないもの、解明できたらその人間が分かるかもしれない、みたいなものが。


もしそうだとすれば、今回の“バキッ”と音がした原因は、きっと自分の中にあるひとつのブラックホールが、あまりにも大きくなりすぎたのかもしれません。

わたしの中の必要なスペースを、丸っと飲み込んでしまったのだと思います。

そして、そのブラックホールを探究しようとしたことで生じたよく分からない感情は、よく分からなくて当たり前なのかもしれません。



なんだか相変わらずよく分からない話をしてしまいましたが、とにかくこのPodcastで語られる、あまりにも大きくて未知なる世界の話を前にすると、自分が本当に小さいもので鬱々としているんだなあ、ということに気づかされました。



じゃあ、自分のブラックホールを探ろうとすることは、無意味なのかと言われれば、決してそんなこともないと思います。

縣先生は、天文学という学問は「宇宙からやって来る文、お手紙、光のメッセージを読み解くこと」と話していますが、これは人間においても同じではないのかな、と。

その相手が自分でも、他人でも、その人から発せられるいろんなものを読み解く、ということは普段、誰しも無意識にやっていたり、時には意識的にやっていかないといけないものなのだと思うのです。


自分の場合、これから増やしていかないといけないのは、圧倒的に後者。

今回“バキッ”となったのは、もう少し俯瞰して、色んなものを見ていくことや、他人にもっと興味を持つ努力をする時が来た、という自分から自分へのサインなのだろうと思います。

そう思えば、この“バキッ”という音も、よく分からない感情も、決して無駄ではなかったと思えたのでした。



#Space #宇宙 #空間 #コラム #エッセイ #noteのつづけ方

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