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どうせなら

「2月はどんな1ヶ月だった?」

先日数ヶ月ぶりに出席したオンラインの対話会でそう問われた時、「出逢いと再会の1ヶ月」と答えたことが、脳裏の記憶に新しい。

とは言っても、実際に出逢いと再会が色濃かったのは上旬のみだった。

1月末に出逢った方が私に興味を持って下さり、その方の仲良しの方と一緒に馴染みの古本屋さんでお話したり、インターンの時の先輩と久しぶりに(リアルでは初めて)お会いしてお話できたり。

何だか脳内がふわふわとした夢心地な時間を過ごした数日間。

普段なら感性が幾重にもなり、文章を書きたくてそわそわする気持ちを深呼吸で落ち着かせる。そしてnoteの更新の有無に関わらず、ものすごい長さの日記と、衝動的に書き起こしたnoteの下書きが誕生するような時間。

だけれど、この2月は寧ろ真逆の流れに。

ある時突然、「ぷつん」と音を出して糸が切れたようにメンタルは駄々下がっていった。

数日経って、最近現れていなかった持病の症状が強く現れたことに気づいたけれど、もうその時にはとにかく涙を流して気持ちを落ち着かせる他ない。

誰にも会いたくなくなって、連絡を返すのも億劫になって、関わりを自分から離していたように思う。

その結果書くことが好きなはずなのに、昨日までの私は日記も書けず、noteの書き溜めもひとつもない、見事な筆不精だった。

それだけではなく出不精にもなり、「ここ行ってみたいな」と思っても、何かしらの「行かない理由」を頭の中で作り上げては引きこもった。

思い返せば精神疾患を患ってから、ひとつの行動を起こすのにも深く深く「考える」時間が増えた。それは良くも悪くも。

「行ってみたい」「面白そう」そんな純粋な気持ちで行動に移せていた頃と違い、本当に必要なのか?今はそのタイミングなのか?と、くどいほどに確かめるようになった。

まさに2月の半ばは、何度も何度も考え込んでしまい、家から一歩を踏み出すのにも、ごみを捨てに行くのにも、掛け声が必要だった。

その囚われを解すきっかけをくれたのは、私の住む街まで会いにきてくれた愛すべき友人との時間。そして彼女が贈ってくれたお味噌。そのお味噌で作ったお味噌汁は、涙がぽろぽろと溢れる温かさだった。

そしてゆっくり囚われが柔らかくなってきた、2月の終わり。

昨日ようやく、1月末に出逢った方のお寺に行くことが出来た。思いついたまま出掛けたのでタイミングが悪く、その方とはお会いできなかったけれど、何度だって訪れたくなる不思議な居心地の良さを感じ取ることが出来て幸せだった。

そして今日、今月初めにその方がご紹介下さり、Instagramもフォローして下さった方が関わっていらっしゃる喫茶店へひとりで訪れた。

またもやお会いしたことのある方はいらっしゃらなかったけれど、オーナーさまの感性が光るお店の雰囲気にぼーっと包まれていると、なんやら興味深いお話が横から聴こえてくる。

話しかけたいうずうずした気持ちを抱えながら、それでも緊張と恥ずかしさとでなかなか言い出せない時間が過ぎて、ようやく声をかけてみると、とびきり興味深いお話がたくさん溢れてくる。

新たにまた面白い方々と出逢うことができた。思わず長時間居座りすぎてしまったけれど、久しぶりに筆の早る気持ちになった。

そんな、友人が贈ってくれたお味噌を使った味噌汁のようなじんわりした温かさに心を蒸していると、今月上旬のインターンの時の先輩の言葉を思い出した。

「楽しそうで良かった、安心した」
「今日は楽しそうなあなたを見れただけで幸せだよ」

そういえば去年の夏に2年ぶりの再会を果たした方も、

「あやかちゃんが楽しそうに笑っているのを見れて、それだけで安心した〜〜幸せだ〜〜」

そんなこの上なく嬉しい言葉を贈って下さったんだった。これ、とんでもなく嬉しかったよな。

浮きも沈みもした28日間。

「あなたが楽しそうでよかった」
「存在しているだけでいいんだよ」

そう伝えて下さる方がいて、想いを互いに共有出来て一緒に仕事まで出来ちゃう友人が居て、私は今この時を生きているんだから、もっと身軽にいろんなことと出逢い、ぶつかり、向き合っていきたいと、1年で最も短いひと月の最終日に、心にずしんと書き留めた。

そういえば病を患って1年経った時、あの時の苦しんだ自分に「生きていてくれてありがとう」と伝えたいと思っていたな。

やはりどうせなら、今ただ生きていることに「有難う」と感じて伝えて、この束の間の一生を生きたい。

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436字

かみつれ

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