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みんながこいつは1ヶ月でバレー部辞めるって思った。それから1年後…

誰でも挫折を味わった経験は少なからずあると思う

私にとってそれがまさに大学時代だった。

周囲に対する反骨精神から
高3の2月に体育会バレー部に入ることを決意し、

これでも、入部前にこんな覚悟はしていた。
していたつもりだった。

私はプレーじゃ絶対みんなに敵わないし
きっと4年間雑用しかできないんだろうな…
けど、それでも絶対続けよう…!

しかし改めて、入部後に
この部のレベルの高さに驚くことになる

「大学では、週に6回練習があります。欠席はよっぽどの理由でなければしてはいけないし、万が一休む時には必ず前もって監督を許可を取り、部員全体の前で理由と共に休むことを伝えてください」

週に4回程度の練習しかしてこなかった私は、
マネージャーの先輩にこれを言われた時点で
休みの少なさに既に怖気付いていた。

練習1回1回に対する意識からして全然違うのだ

(※後から聞いたら、大会前の時期によっては
祖父の葬式すら出られず部活を優先した先輩もいた)

そして、練習の回し方も、声がけも、プレーも
全てにおいて一体感があった

スムーズに、効率良く、
練習全体がシステム化されて動いている。

強い強豪校はまずそこからして普通の学校とは違う

試合に出ているメンバーだけではなく、
控えのメンバー、そしてマネージャーまでもが
練習1つ1つに役割がある。

いかに練習を上手く回すかを、
控えの選手が、中心になってよく考え、
レギュラーが、集中して練習できるよう
常日頃から考えて行動している。

誰1人、なあなあで動くことは許されない


そして私は…すぐに思い知るのだ。

甘かった…!!

4年間雑用しかできない…!?

それどころじゃない…

雑用すらまともにできないのだ…。

ボール渡し、ボール回し、ホイッスルの吹き方、
声がけの仕方、挨拶の仕方、データの取り方、
審判のやり方、試合のタイムスケジュールの管理方法、大会前の試合会場の設営の仕方etc…

とにかく、裏方の仕事はやることが多い
覚える仕事のルールもめちゃくちゃ多い

特に試合前後は、レギュラー選手たちが
いかに集中して、いかに快適にプレーできるか
その一心で、連携し合い、
裏方の部員たちは1日中動き回る

そんな中、私はいつもパニックになっていた
いつもいつも怒られていた

①後輩ほど、練習中は1番チームの仕事を任される
②ベンチ外は、試合中は1番チームの仕事を任される
③裏方は、1番視野を広く持たなければいけない

私は、上記全てに当てはまっている立場だ

プレーで役に立てないなら1番雑用をするべき
仕事が多い
指示されることも多い
覚えることが多い
考えなきゃいけないことが多い

1年生のうちは特に
仕事面では先輩が常に目を光らせているので
全員がプレッシャーを感じていた

よく、先輩たちから
同期全員でお叱りを受けたりもしていた。

お叱りを受けるたびに、
同期たちで今後どうやって改善していくか
何度も話し合いをしていた。

そして私は、
同期の中で最も要領が悪く、覚えも悪かった

一度指示されたことをすぐに忘れてしまい
何度も何度も同じことで注意された

ただでさえ、内部進学生出身なんて
プレーでは何の役にも立たないから
この部では足手まといのお荷物なのに、

最初は練習もロクについていけず
プレーでもミスばかりして、

ボールを使わない筋トレやランニングも
平均以下の動きしかできず、

仕事でも1番足を引っ張り
よくミスをしてしまって、

レギュラーの先輩からも、
控えの先輩からも、
監督からも
沢山沢山怒られていた

「そんな甘い精神ならサークルにでも行ってしまえ!!」
「お前が1番仕事できなきゃダメだろ!!」
「何で同じことを何度言っても分からないの!?」
「できないなら何もやるな!!」
「分からないなら、分かったふりして返事するな!」

1年生のうちは毎日ある練習中、
私が怒鳴られない日なんてほぼ無かった

何かやるたびに必ず怒られて
ミスを恐れるあまりに全てにおどおどして
結果またミスを招いて

練習から何度も外され
大事な仕事は任せてもらえなくなり

どんどん自信を無くし
もう怒られるのが嫌で嫌で仕方なくて
毎日部活に行くのが怖くてたまらなかった

朝起きるたびに

(もう今日は練習休んじゃいたい…‼︎ けど当日休むって言ったら何言っても怒られるに決まってる…‼︎もっと怒られるようになる…ダメだ…行かなきゃ…)

そう思って結局練習に向かう日々。

あの時感じた1番の幸せは、
「今日はあまり怒られなくて良かった」ことだ

大袈裟に聞こえるかもしれないが、
ある日 部活に行くまでの電車に乗る前、

(このまま、電車に撥ねられて死んだら、もう楽になるかな…)

という考えが頭をよぎってしまったことさえある。

毎日、毎日、涙を流していた。

先輩の前でも同期の前でも沢山泣いたし、
家でもよく泣いていた。

泣いている時にいつも

私って…今まで一体何をやってきたんだろう…

と、自分の今までやってきた全てを
否定されたような喪失感を感じていた。

これが挫折というやつだ

バレーボールがあんなに大好きだったのに
今までの世界では1番プレーできてたはずなのに

何ひとつ通用しなくなってしまった。
何もできなくなってしまった。

今まで井の中の蛙だったのが、
いきなり大海に飛び出してしまい
一気に溺れ死にそうになっている現状だ

何で、私はここにいるのかな…
ここにいちゃいけないのかな…

そんな考えが何度も頭を駆け巡った

でも…!!

ここで諦めて逃げ出したら、あいつらに絶対
「ほら、やっぱり無理だったじゃない」
ってバカにされるに決まってる!!!

辞めたらもっと最悪の地獄が待ってる!!!
あいつらを見返すって決めて
私は今この部にいるんでしょ!!??

そうやって、高校時代の屈辱感を思い出しては
辞めることを踏みとどまり、

毎日怒られ続けながらも
精一杯毎日の練習を乗り越えていった。

そうやって月日は流れ、
1年生も終わりかける頃、

私は何とかまだこの部にいた

勿論、相変わらず怒られてはいたが
日に日に基本的な練習には慣れ、
ミスがゼロにはならないまでも仕事を覚え、
筋トレに慣れてしっかり鍛え始め、

そんな姿を見て徐々に
先輩たちが私の姿勢を認めてくれていた

「絶対、コウは(※)1ヶ月で辞めるって思ってたけど、よく頑張ってるじゃん!根性あるよ!」
(※大学時代のコートネーム)

ある日、先輩がそう言ってくれたのだ。

凄く嬉しかったことを覚えてる。
いつも厳しい先輩が、褒めてくれたんだから。

それに同期たちは元々優しく、
よく先輩に怒られた後に慰めてくれたりした
一緒に仕事を頑張ってくれた

練習の空き時間に、
監督に、下手だからよく1人だけ練習から外されて、
あまりボールに触ってない私を気遣い

控えの先輩や、同期は自主練に誘ってくれた。
プレーのアドバイスをしてくれた。

そうやって落ちこぼれの私は、
周りの人たちが厳しく、温かく見守ってくれて
体育会バレー部2年目を迎えることができたのだ。

けど、同時に思った。

せめて何か1つ、部の中で1番になりたいな
「いる」だけじゃ嫌だなぁ…

プレーはチームで1番下手
仕事はこなすだけで精一杯

じゃあ、筋トレはどうだろう…?

正直、筋トレは1年生の時点で
成長が最も著しかった

高校卒業まで
ウェイトトレーニングは未経験だったが、
半年も経った頃には
1年生の中で既に1番か2番くらいに
重さを上げられていた。
自重トレーニングも慣れていた。

どうやら私は筋トレはそこまで苦手じゃない
いや、結構得意なのかもしれない…!

プレーが落ちこぼれな分、
筋トレは誰よりも頑張ろう!!
チームで1番トレーニングができるようになるんだ!

そうやって私は、筋トレに目覚め、

平日の授業の空き時間、
練習の前後の空き時間を見つけては

毎日、キャンパスのトレーニングルームに通って
身体を鍛える日々が始まったのだ。

全ては、レベルの高いチームの中で
少しでも存在意義を見つけたかった一心で…。

けど、後々この日課が、
私の人生を大きく変えることになった。

次回、大学編後編!(^^)

#人生 #スポーツ #アスリート #挑戦している君へ #部活




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