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【謝罪文】指導者が1番言われたくないセリフを中学時代に言った件

拝啓 
元 中学時代の女子バレー部顧問の先生へ
お元気ですか?

本日は、14年前に

「先生の指導じゃ全然上手くならないから、他のコーチを呼んでください!!!」

というセリフを
あの日 準備室で言った件について
謝りたいと思います。

先生の専門科目は理科だったので
(成績良くなかったけど)授業そのものはとても面白く
やたらキノコについて
熱弁することが好きだったことが印象的です。

そして、バレーボールは未経験であり、
独学で一生懸命に勉強し、
ずっと1人でバレーの指導をして…

私たちの卒業と同時に、
先生は中学の教師をお辞めになりましたね。

あの時の先生の心情は想像し難いですが、
私自身は
あの日 自分が言ってしまった言葉を
とても後悔しています。

思い返せば
中1の時は、新しい部活に
とてもワクワクしていました。

小学生の時はどうしても
もっと前から練習してる男の子たちに勝てず
1番活躍する選手にはなれなかったけど

中学からはフェアだ
今度はチームで1番活躍しよう
大会で沢山勝とう

そういうモチベーションで入部し
早く練習したいとうずうずしていたものです。

実際の所、
オーバーパス、レシーブ等の
繊細な技術の習得には後々まで苦戦したものの
野球時代の肩の強さと、身長の高さが武器になり
早々とスパイクやブロックは習得し
攻撃面の私の成長は早かった。

けど、先生は、
とにかく上下関係のしつけには厳しく、
また学校生活態度を人一倍見られ
中学2年生の修学旅行で
消灯時間を守らずに夜更かししていたことがバレて
何週間か部活停止を言い渡されたことも。

(素行が悪くて罰を受けたことに関しては
同情の余地なく100%私が悪いです。
練習外の行いを良くしてこそ
練習そのものも良くなりますから)


しかし、あの時の私は、
とにかく先生のやり方が気に食わなかった。

学校生活態度や成績の良し悪しで、
ペナルティとして練習時間を奪われ、

先生の言うことを聞く生徒のみが、
先生から可愛がられて、怒られなくなり、

学校生活態度や成績の良し悪しで
生徒の質を判断し、
練習態度やプレーそのものでは判断されず、

結果、問題児扱いされた生徒は
チームの中でもどんどん浮いていく

何より納得いかなかったのが
そのやり方で、
他校との試合に一度も勝てないくらい弱かったこと

ただ先生の言うことを聞くだけで
練習そのものに
やる気がない子ばかりじゃないか!!

何で先生のご機嫌を取ることばかり考えて
練習しなきゃいけないの!!??

バレーが大好きだから
週に2回だけじゃなく
もっと練習がしたくて
もっと上手くなりたくて
もっともっと勝ちたいのに!!!

他の学校の練習の雰囲気見てても
私たちの部活は絶対におかしいよ!!
こんな部活大っ嫌い!!!

そういった私の悲痛な叫びは
誰にも届くことはありませんでした。

だから、中学3年生の春、
バレー経験者のお兄さんが
たまたま少しだけ練習に来てくれて
いつもと全然違うコーチングを受けて
のびのびと思い切り練習できて
凄く凄く楽しかったんです。

だから、外部コーチとして
彼を正式に認めてくれないかと
同期3-4人で
先生に交渉しに行きました。

けど、外部コーチを認めない先生は
断固として首を縦に振ることは無かった。

その時でしたね。
我慢の限界がきた私が、

「先生の指導じゃ全然上手くならないから、他のコーチを呼んでください!!!」

と言い放ったのは。

その時、私がもう少し大人だったら、
もう少し感情任せになった自分を抑えられたら
もう少し言い方を考える生徒であったら
未来は変わっていたんでしょうか?

結局、その騒動をきっかけに事態は悪化し
私たちの代と先生との溝は深まり、
先生はこの中学を去りました。

それから月日は流れ、
どういう縁なのか
大学院に通い始めたと同時に
私にとって苦い思い出しか無い母校の中学で
2年間バレー部のコーチを務めることになります。
(顧問の先生がメインコーチだったので、サブコーチですが)

2年間で生徒との関わり方、言葉がけの仕方、
球出しや、練習の組み立て方etc…
あらゆることを勉強しました。

時には
メインコーチの指導観との兼ね合いを優先したり
もしくは過度に期待をかけるあまりに

生徒が望まない言葉がけをしてしまい
結果 生徒の反発心を招いたりもしたので
悩んだ時期もありました。

けど、私のアドバイスで
プレーが上達する生徒、
表情が明るくなって練習に励む生徒、
自ら質問しにくる生徒、

得点が決まった時には
試合に勝った時には
メンバー同士抱き合って喜び…

そういった姿を見る度にとても嬉しく
コーチのやりがいを感じたものです。

先生も本来はきっと
そういう生徒たちを見るのが楽しみで
未経験のバレーボールを一生懸命勉強し
ずっと教えてきたんでしょうね。

思い返せば…
学校生活では怒られてばかりだったけど
プレーでしっかり活躍すれば
先生は、私のことも褒めてくれました。

基本的に最上級生になるまで試合には出れないのに
私は中学2年の時から
度々試合に出させてもらっていました。

決して私を認めてくれてないわけじゃなかった…

それに気付くのに多くの時間を有しました。

大学院でコーチングを学び、
現在アスリートである今でこそ思いますが、

プレーの上達や試合の勝敗は
指導者側のコーチングのみでは決まらない。

本人の考える力、練習に対する向き合い方、
チーム内のメンバー同士の信頼関係
もしくは
生徒と指導者の信頼関係によって決まる。

私が数年かかって出した結論です。あの時の私は、
全ての鬱憤を先生にぶつけていましたが、
まだまだ練習に対する姿勢も甘かったし、
同期たちとの関係性も決して良くなかった。

高校に進学した時
部活のメンバーは中学からの持ち上がりだった為
いよいよその問題は表面化しました。

先生、私があの時言った言葉は…

自分が指導者として言われたら
しばらく立ち直れなくなるくらい
1番言われたくない傷つく言葉です。

あの日言ってしまったこと
心から謝罪します。
精神的にまだまだ未熟な生徒で
大変、申し訳ありませんでした。

どうか、今はお元気で
自分の大好きな分野で
ご活躍していることを心から祈ります。

敬具

中学女子バレーボール部
超反抗的な元教え子より

P.S. その後14年間色々あり、今はカヌー選手になりました!夢を叶えて、先生がTV付けたら姿を見せられるくらいには頑張りますね!

#人生 #手紙 #先生 #スポーツ #アスリート #挑戦している君へ

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