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ギフテッドとはつまり、配慮が必要な子どものこと。

不登校の娘(9歳)。
幼稚園年長の頃、当時、仕事で発達検査を担当していた私が、練習台になってもらおうと軽ーい気持ちで受けさせた検査で、上位3%にあたる高い数値を示していました。

そういえば2歳で字が読めるようになったし、
1歳半の頃には赤ちゃんのくせに、サム・スミスを聴いて「ステイウィズミ〜」(ステイがシュテイ〜ではありましたが)とはっきり歌ってたしと、
今となっては思い当たるエピソードはあるのですが
検査の数値が低いというなら支援しようがあるけれども、飛び級や興味関心に合わせたカリキュラムを組むなどの、高い数値の子に合わせたギフテッド教育が日本では実施されてない現状、悩みようがないからまあ脇に置いとこう、って感じでした。
「親の口から言うのもなんだしな」という気持ちもありました。

しかし、子どもが不登校になったことで
「とても9歳とは思えない発達ぶりで…」と学校の先生に言われたり
「なんだかクラスから浮いてる気がする」との本人の訴えがあったりして
子どもの言動にしても、絵を描くことにどっぷり集中するとまったく他人の声が聞こえなくなったり、
好きなことに超マニアックに詳しかったり(たとえば犬と猫の祖先は一緒だ、なんてテーマで壁新聞にまとめたりとか)
忘れ物や失くし物はしょっちゅうでADHD傾向もあるのだけど、何かが違う気がする。

私は教員退職後、発達障害カウンセラーとして活動しており、特性を持つ子どもが好きなあまり、ASDやADHDのお子さんを見分けられる自信がありますが、
その私の目が、「娘はかなりADHDっぽくはあるけど、そうだとは言い切れないものを感じる」
と言うのです。興味集中が移り変わりそわそわしっぱなし、ではないんですね。嬉しいと小躍りするような子ですが、中にしんとして落ち着いたものを感じます。

先日、放課後デイサービスを利用するための受給者証交付のお願いについて福祉課の方とお話した中で、子どものことについて詳しく話していたら
「そうとう風変わりなお子さんですね!」
と驚かれ、
「今まで相談には行かなかったのですか?」
「養護学校に勤めていたので、特性の強い子どもに慣れていて、あまり気にならなかったので…」
と話すと、担当の方、絶句。
「自分のお子さんが発達障害だと思うのはお辛いでしょうけど…」と、遠慮がちにそうっと仰られたので
「いえ、日常生活に困ってるのであればもちろん相談に行きましたけど、そういうのと違う気がするんです。」と…。
そのときに、うん、娘はかなり風変わりではあるけど、特性は似ていても発達障がいではないんだ、と確信したのです。

そこで先日「ギフテッドの個性を知り伸ばす方法」を読んでみたら、これが!まるで、娘の取扱説明書のようなんです。
ほかにも色々読みましたが、ギフテッドの生きづらさについて丁寧に書かれている点でこの本がベスト。少しでも子どもがギフテッドではないかと思っている親御さんは、必読ですよ。
そして、その中で、「ギフテッドと発達障害特性は似てるけどまったく別物」と書かれていたのに、それだ!と膝を打ちました。

春休み中ですが、ちょうど学校に行く用があったので、教頭先生にそのことについてもお話してきたところ
「学校でも、娘さんはギフテッドではないかと考えていました。」

えーー、そうだったんですか?!と、びっくり…。「親の口から言うのもどうなのか」と1人で悶々としてる場合ではなかったのでした。
うちの子はギフテッドかと思ってドキドキしてるお母さんは口にしてみましょう。

「必要な配慮はしていただけるのでしょうか…」と恐る恐る尋ねると、
「すぐには無理ですが、考えていかなきゃならないなと思っています」とのことでした。

ギフテッドに配慮を、という文科省の指針がでましたが、あれは支援についての方向性をなんとなーく示したもので、
現場において、ギフテッドの支援を可及的速やかに取り組まなければ!と捉えられるタイプのものではありません。
本腰を入れなきゃ、と考え出すのは早くておそらく来年の春以降かな…。(今は3月だから、つまり再来年度。)

学校ではまだ、ギフテッドをどうしていいか分からない、というレベルだと思います。
理解してもらうには、まだまだ親が頑張らなきゃいけないでしょう。
それでも気にかけてもらえるだけでありがたいと思うしかないですね。

ギフテッドの子ども通級を設置して、近隣の学校からもギフテッドたちが集まって、学年に関係なく一緒に活動すると良いのになーと思います。
お互いが刺激となって成長し合えるし、なんといっても似たもの同士、話が合う!
好きなことを思いきりやってよし、とすれば勝手に成長していく子どもたちです。
ギフテッド用の特別な教育というよりも、自分たちの個性を肯定的に捉えられるような場の設定を重視してほしいなあ…なんて願ってます。
というか、いいアイディアすぎて、これを私のフリースクールでやりたいと考えてます。










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