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たまには家事をほったらかして出かけてもいいんじゃない?

今日は1日フリーです。
そんなときあなたは何をしますか?


その日は、とてもいいお天気。

なんか知らんけど、思い立った。

海に行こう・・・と。


家でやることはたくさんある。

しかも!
完全にインドア派なくせに何を言っているんだ
ともう一人の彼女が笑っていた。

(そんなの知ったこっちゃない)

そして
黒い軽自動車に颯爽と乗り込んだ。


30分後、彼女は海にいた。


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日本海↑


最高気温30.7℃

とはいえ、平日の海。
人はまばらだった。

たまたま休憩中なのか、
長靴をはいた作業服姿の男性2人が見える。

海の水を触りながら
「水が冷たいっすね」なんて言っている。
デートかよ。

そして釣りをしている
気難しそうなメガネおっさんを横目に

一人、砂浜に向かった。


6月の海。

気温は高いけど、海風は涼しく、
彼女の身体を爽やかな世界へと誘ってくれる。

そこには
心地よい海の香りをのせて。


「海・・・だな。」

それはわかりきったことなんだけど、
つい海に来てしまった自分が
ちょっとむずがゆくて、
「私は今 海にいる」ということを再認識したかった。

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そこで耳に届くのは優しい波の音。

ここの浜辺は
テトラポットで狭く囲まれているせいか、
小さな波しか来ない。

不規則なようでいて、
規則的な波。

優しい音だ。


照り付ける太陽の光が反射して、
キラキラとした海は
うっすら緑色で青色な世界でもあった。

日本海も捨てたもんじゃないな。


なんとなくだけど海からも歓迎してもらっている気持ちになって、

「少しだけならいっか」

靴と靴下を脱いで岩の上に並べ、
海に足を踏み入れた。


暑い日とはいえ、
海の水はひんやりしていた。

足の体温を奪われながら、
大きな海は別の何かも一緒に
受け止めてくれている気がした。


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・・・気持ちいい。


風と海と磯の香り、
そして
照り付ける太陽。


暑いはずなのに、
それを感じさせない爽やかな風と
ひんやりとした海の水。

何とも言えない心地よさが
彼女の身体を包み込んだ。


(海に来て正解だったな)



海は久々だった。

もともと海が特別好きなわけでもない。

でも、
あまり外に出ない生活をするようになった
彼女が求めた先は「海」だった。



ちなみに彼女は今『ちゃんとしなくちゃ』
という呪いにかかっている。

567という一つの枠組ができて
外に出る機会が減った。

とはいえ、
家にいてもぼーっとできない。

せっかくだから
「意味のある時間」を過ごさないといけない
と思っていて、
何かしら仕事を作る。

休みの日も頭の中では仕事のことを考えたり、
息抜きが苦手だったりもする。

ネガマジメ~NEGAMAJIME~
出身の弊害だ。


そんな彼女は「海に行こう」、
と思ってもそこに理由を探してしまう。

誰に、何を気兼ねする必要もないのに、
予定のない日は自由に過ごせばいいのに、

なぜだろう、
行動を選ぶのに理由を探してしまうんだ。

「ただ行きたい」でいいのに。

それは567になってから?
言い訳がないと出かけられなくなったの?


釣りをしていたおっさんも、
別に釣れるかどうかは問題じゃないんだと思う。

ただ釣りをしたいから海に行っている。
そこに理由なんかない。

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【脳内テーマ】
私は『ちゃんとしなくてはいけない』のかな?

●「誰」にそう言われたのかな?
●「いつ」言われたのかな?
●「なぜ」そう思ったのかな?
●本当にそうなのかな?

そう考えたとき、
そこにはただのぼやーっとした塊しか見えなかった。

形ははっきり見えないのに、
心の奥底にへばりついている呪い。


本当は『ちゃんとしなくてもいいんだよ』
って誰かに言ってもらいたかったはずなのに、

いつから
そうなっていたのかな・・・。


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海は言った。


でもね、きっと
それは手放すことはできるものなんだよ。

もっとあなたは自由になってもいいの。

毎日そんなに頑張らなくてもいいんだよ。

自分の好きなことを
もっと自由に選んでもいいんだよ。

他の誰でもない大切なあなたを
大切にできるのはあなたしかいないんだよ。

結局、大丈夫だから。


冷たい海の水から
あたたかい”何か”を受け取った気がした。


散らかったおもちゃ。
片付いていない洗濯物。
夫の汚れたTシャツ。

そんなものを見て見ぬふりして
飛び出したその先で

彼女は心が少し軽くなった。


ちゃんとしなくていいんだよ

さ、肩の力を抜いて
笑っていこうよ。

きっとなんとかなるから!


火曜金曜お昼に更新中✨

本当は全然ちゃんとできていない
綺麗メシ研究家
古川綾子

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