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観て聴いて欲しい「サヨナラまでの30分」

映画「サヨナラまでの30分」の感想を書いていきます。


一年前に死んだミュージシャン”アキ”を演じる新田真剣佑さんと人付き合いが苦手な”颯太”を演じる北村匠さんのW主演です。

あらすじ

ある日颯太は、偶然カセットテープを拾います。そのカセットテープは、一年前に死んだミュージシャンアキのもの。

出会うはずのなかったアキと颯太は、そのカセットテープを再生する30分だけ入れ替わることが出来るようになります。


「お前だけなんだよ、俺が見えてんの。お願い、ちょっとだけ体貸して!」

そう言いアキは、颯太の体を借りて死ぬまで大事にしていた自分のバンドECHOLLのメンバーや大好きだった恋人のカナへと会いに行きます。



『もう一度、バンドをしよう。』

そんなアキのこの世に残した願いを颯太は、もがきながらも受け止めていきます。


アキが颯太の体を借りてカナやバンド仲間に会いに行くたびに、颯太の心境にも変化が起きます。

カナに惹かれ初め、バンドメンバーと本当の仲間のようになっていく颯太。


そんな颯太の姿を遠くから見るアキのどこか悲しげな様子は、なんとも言葉にしがたいものです…。


さて、本編の見どころは…


主演二人の演技力と歌唱力 この二点です。


«演技力»

暗く陰の要素が強い颯太を演じる北村匠さん。

アキに入れ替わった瞬間の表情がまるきり変わる北村匠さんの演技は素晴らしかったです。

あ、いまはアキだ!あ、これは颯太のままだ。とすぐに区別できる。スゴイ

アキが乗り移ることにより、颯太の中に陰と陽が存在しそれに葛藤する様子もとても素晴らしく表現されていました。

もう一人二役ですね。


一方で、明るく陽の要素が強いアキを演じる真剣佑さん。

常に元気溌剌で明るいアキですが、映画後半からアキとしてアキの姿としてみんなと接することが出来ない辛さが行動や表情から顕著になりだします。

その表情や雰囲気の作り方が、観ている私たちにも同情させ勝手に涙がこぼれてしまう…。


特に、アキのカナへの想いが切実で心苦しくなります。

カナを心から大好きで愛していて、

でも自分で想いを伝えて触れることも出来なくて、不甲斐なくて辛くて。

嬉しいはずなのに目の前で自分のバンドが新たなバンドの記憶へと上書きされていく。そんな様子を遠くから見ることしか出来ない。


普段の明るいアキとは正反対の悲しげな様子が徐々に表情や行動にも表れはじめ、私も徐々に胸がきゅーっと苦しく悲しくなりました。


今更ですが、わたくし新田真剣佑さんのこの演技力で彼にドハマりしてしまいました。顔だけではない、すべてが素晴らしかった!


«歌唱力»

さて、本編の醍醐味は北村匠さんと新田真剣佑さんの歌唱力と曲にあるのではないかと思います。

新田真剣佑さんの包まれるような優しさと色気のある低い声が、キューンと私たちのハートを射抜いてくれます。

目の前で、耳元で聴きたいですね…


そして、北村匠さん

実際にもDISH//でボーカルを務めていただけあり劇中でも彼の歌唱力は本物でした。

真剣佑さんとは逆の、少年のように高く一方で力強さもある声は、とても聴き入ってしまう。

彼の透き通った聴きやすい声は、鳥肌が立つレベルです。

アキのいるECHOLLとは違う良さがあり、新たな華が生まれたような感じでした。



青春映画ですが、最後までドロドロの恋愛映画にはならず、純粋にシンプルに音楽を愛し仲間を大切に思い合う。そんな本編の描き方が好きでした。


もう一度観たい!強くそう思います。

最後に…

『自分の世界を持っている奴は強い』

劇中のこのセリフが個人的に響き大好きです。

大切な人を思い出しぜひ見て欲しい作品です。





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