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勇敢で優しい小さな戦士へ。

あの時からか
随分 長かったんだな


出来る子だった。
昔から。


良い子・手がかからない子・何でも1人でできる・
我慢強い子・泣かない子・すごい・偉い・尊敬する・さすが


昔から良く褒められた。


でも、どうしても違和感が拭えなかった。


本当は違う。
偉くも無いし、すごくもない。


ただ、寂しかっただけ。

手をつなぎたかった
一緒に寝たかった
ぎゅうっと抱きしめられたかった


私、寂しかったんだ。


寂しかったし、たぶん 大好きな人を助けたかった。
たぶん 大好きな人の役に立ちたかった。


だから、鎧を着て、
大好きな人達を守るために、「完璧」を演じてた。


良い子・手がかからない子・何でも1人でできる・
我慢強い子・泣かない子・すごい・偉い・尊敬する・さすが


でも、どんなに 外側の鎧を褒められても 嬉しくなかった。
中にいる私は、ただの寂しがり屋の小さな少女だったから。


勝手に自分で着た鎧は 何十年も経って、
何が鎧だか、何が自分の血肉だか 分からなくなってきた。

今までに2回あった。
鎧の下の 寂しがり屋の小さな少女を見る機会。


産まれたときの血液検査はA型だったのに
献血で突然 O型と判定された16歳、
良い子の鎧を一つ脱いだ。


「なんだ、私 別に 
良い子じゃなくて良かったんだ。」


1人でベビーベッドで寝ていたという
赤ちゃん時代の話を母から聞いた時、
なぜかショックで涙が止まらなかった19歳。


寂しかった少女の存在を知った。
「私、寂しかったんだ。」


また すぐに蓋を閉めたけれど。


そして、完璧主義を手放したくて仕方がなくなった今。


ようやく、寂しかった小さな少女を見つけてあげることができた。
抱きしめてあげることができた。


完璧主義は、自分が身に付けてきた鎧。
手放す必要は無いし、悪くない個性。むしろ良い武器。


でも、完璧じゃなくったって
寂しがり屋の小さなあなただって 
愛されていたし、愛されている。

鎧を着なくても、そのままで十分だった。


よく頑張ったね。
長い間 戦ってきたんだね。
皆を幸せにしたかったんだね。
偉かったね。


長い間 気付いてあげられなくてごめんね。
今までありがとう。


これからはあなたの存在をきちんと思い出すから
心配しないで。


「完璧主義」が発動するたびに
鎧を慌てて着ようとする自分を見つけるたびに
あなたに感謝するね。


「また周りを喜ばせたい気持ちが
強くなっているんだね。ありがとう。
でも もう鎧は着なくても大丈夫。
そのままでも、あなたの存在だけで、
周りを幸せにできるんだよ。」って。


そろそろ、鎧は横に置いておこうか。
一緒に歩んだ自分の証だから、
大切に隣に置いておこう。

勇敢で優しい小さな戦士へ。
今までありがとう。






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