#2-17 プロジェクト・ライフサイクル
前回までの記事で、ザックリとですが、
プロジェクトの立ち上げプロセスの二つ
・「プロジェクト憲章の作成」(#2-12~2-15)と
・「ステークホルダーの特定」(#2-2~2-11)についてまとめましました。
位置的には、本格的なプロジェクト活動のスタート地点に立った、という感じです。
私のnoteでの説明の順番とは少し異なっていますが、『PM BOK』に載っているプロジェクトスタート時(プロジェクト憲章作成の流れ)の図があります。
この流れは、業界や会社によって異なるので、あくまで標準的なラインがありますよ、程度の話です。
次の章(#3)からは、図にある「プロジェクトマネジメント計画書の作成」等、本格的なプロジェクトのスタートの具体的な内容をテーマにしていこうと思いますが、#2の終わりとしては、全体的な流れについてのお話をしようと思います。
プロジェクト・ライフサイクル
プロジェクトの開始から完了までの一連のフェーズのことを、プロジェクト・ライフサイクルと言います。
言い換えれば、各プロジェクト・フェーズの集合体です。
フェーズについては、以前の記事でも言及しています
プロジェクト・ライフサイクルは、以下のような流れが一般的です。
プロジェクト開始
↓
組織化と準備
↓
作業の実行
↓
プロジェクト終了
各フェーズの終わりに、フェーズ・ゲートがあります。
各フェーズの中で、立上げ ⇒ 計画 ⇒ 実行 ⇒ 終結 のサイクルが行われます。
プロジェクト・ライフサイクルの特性
コストやリソースは、開始時には少ないですが、作業を実行するにつれて頂点に達して、プロジェクトの終了に近づくと低下します。プロジェクトが進めば進むほど、変更コストは増加していきます。
リスク(不確実性)は、プロジェクトの開始時が最大。プロジェクトの進行とともに、徐々に低下していきます。
プロジェクト・ライフサイクルに沿って、コストやリソースの投入を行うことで、効果的なプロジェクト運用を行うことが出来ます。
「プロジェクト・ライフサイクルの図」は特性を図式化したものなので、実際ののプロジェクトが、図と同じコストとリソースの遷移をするわけではないです。
(ある程度似たような図にはなると思いますが)
ただ、概念的には知らなくても、通常はプロジェクト・ライフサイクルに沿った運営がされていていることがほとんどです。
例えば、プロジェクトの計画中に、作業内容も決まってないのに、作業者の発注を掛けるようなことはしない、というようなことです。
開発ライフサイクル
プロジェクト・ライフサイクルは、特色に応じて、さらに3つの開発ライフサイクルがあります。
以前も触れた
①予測型
②適応型
③ハイブリッド型
です。
プロジェクトの開始時の状況やプロジェクトの目的によって運営手法を選択します。
①予測型……プロジェクトの開始時に、プロジェクトの要求事項を定義、収集、分析できるときに有効
②適応型……要求事項の不確かさと変動性が高く、プロジェクトを通じて要求事項が変わる可能性が高いときに有効
③ハイブリッド型……要求事項の不確かさや、リスクが高いときに有効。成果物をモジュール化できるときや異なるチームによって開発出来る成果物があるときにも有効。
どのアプローチで開発を進めるかで、コストやリソースのかかり方は変わってきます。
プロジェクトの成功率を上げるためにも、プロジェクトの特徴を認識して、適切な開発アプローチをとることが大事です。
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