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子どもの言い間違いをいじってはいけない。

とうもころし。

となりのトトロでメイちゃんが言い間違えてるシーンを観た時には、まだ若かった私は「そんな間違え方ある?」と疑問に思っていた。
我が子が将来、まったく同じ言い間違えをするようになるとは夢にも思っていなかったのだ。

ある日の保育園からの連絡ノートにこんな記述がされていた。

息子君、とうもろこしの事を「とうもころし」と言っていました。

マジかよ。いや、本当に??なにその可愛いやつ。トトロじゃん、メイちゃんじゃん。
試しに家でおままごとセットの中からとうもろこしを取り出し、聞いてみた。
「息子君、これなに?」
「とうもころし!!」
おぅ・・・!本当じゃないか・・・!優勝!!最高!好き!(語彙力)

そこまででやめておけば良かったのに、あまりの可愛らしさに、パパが帰ってきた後にも、その後もことあるごとに息子にとうもころしを言わせてはニヤニヤとしてしまった。これは今でも反省している。

息子からしたら、聞かれた質問に正しく答えているのに、理由も無く親から「笑われている」と感じたのだろう。あの小さい体にはそれなりの自尊心とプライドが入っているというのに。

ある日、いつものように「これなあに?」と聞く私の問いに、当時3歳の息子はしばらくの沈黙のあと、
「・・・コーン。」と答えた。
衝撃的だった。
我が家では丸ごとの状態のものはとうもろこし、粒になったものはコーンと呼んでいた。彼なりに考え抜いて、「とうもろこし」と言わない方法を見つけたんだろう。
そこまで嫌な思いを強いていたのだと、猛省した。

息子は他にも言い間違えが多い。
「ポップコーン」は「ぽっくぽーん」、
「しかたないね」は「したかないね」、
「柔らかい」は「やらわかい」、
「明太釜玉」は「明太かまかま」。
もう言わなくなってしまったものもあるけど、まだ残っているものもある。
とうもろこし事件で猛省をした私は、もう言い間違えを笑ったり、同じように間違えて茶化したり、無理に直そうとはしない。

でも丸亀製麺が大好きな息子に、「丸亀行こうよ!」と誘われたときだけ、
「いいね~、何頼もうね?」と聞いてしまう。
「明太かまかま!!」と嬉しそうに言う息子を見ながら、顔には出さないが心の中でこっそりガッツポーズをしている。
美味しいよね、明太かまかま。

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