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双極性障害の私が司法試験に合格する話。

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2021年に双極性障害と診断された私が、2025年に司法試験に合格するまでの話を全部丸出しにする日記です。初めの頃は苦手な数字を克服するため小学3年生の算数ドリルをやっているよう… もっと読む
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#躁鬱病

双極性障害の私が司法試験に合格する話(1)私は双極性障害だけど司法試験を目指してる。

双極性障害の私が司法試験に合格する話(1)私は双極性障害だけど司法試験を目指してる。

 突然、仕事に行けなくなった。

お風呂から出て、髪を濡らしたままぼーっとしている。私はこのあと何をしなければならないんだっけ?そのまま布団に入り、目を閉じるも、あれ、どうやって寝るんだっけ?当たり前にできた事ができなくなってしまった。始業時間まで、あと30分。いつもならもう家を出ている時間。どうしよう、間に合わない。涙しか出てこない。iPhoneを開いては消して開いては消して。職場の人に、なんて

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双極性障害の私が司法試験に合格する話(376)鬱とか躁のときにできること。

鬱とか躁のときでも、私は好きな絵を描くことと好きな文章を書くことはできる。

この、「好きな」というのがポイントで。そのときに書きたいものじゃなきゃ、書けないということ。その時の気分が向くものしか書けない。だから、鬱とか躁のときは、あらかじめ課したノルマは、一切できない。それをしようとすると、できず、そのできないことに絶望し、余計悪化し、極限まで落ちるか上がるかどちらかに突き抜ける。そうならないた

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双極性障害の私が司法試験に合格する話(175)明日、試験。

双極性障害の私が司法試験に合格する話(175)明日、試験。

明日が、大事な短答式試験だというのに、少し前から寝込んでる。突然涙が出てきて、死んでしまえたら楽なのになと思ってしまう。お風呂に入れない。勉強机に座って気づいたら何もせず何時間も経つ。さあ、鬱がやってきた。

ひとまず、明日の試験は必ず受けると決めてるので、今日は、無理に起き上がって、これから、試験会場まで自転車で下見をする。明日、試験に集中するために、行き道の心配をなくす。

去年の試験のタイミ

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双極性障害の私が司法試験に合格する話(38)青いトマト。

双極性障害の私が司法試験に合格する話(38)青いトマト。

ベランダで育てているトマトが、青いまま、微動だにしない。

実がついてから、もう3週間は経つ。赤くならない。なぜ?水をやりながら、自分みたいだなと思ってしまう。

茎や葉が大きくなり過ぎて、何度も切った。大雨にやられて折れてしまった茎もあるけれど、何にも気にせず伸びる伸びる。それも自分みたい。だけど、赤くならない。もっと自分みたい。

でも今日は少し気分がいい。仕事で外回り中、目があった少女にニコ

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双極性障害の私が司法試験に合格する話(34)死にたい病がまた。

双極性障害の私が司法試験に合格する話(34)死にたい病がまた。

何もない日曜日。

左側の寝癖がどうしても直らなくて、バナナの先っちょがふにゃってて、洗濯物を干したら雨が降り出して、隣の住人が出入りする音がするから家から出るタイミングを失い続けて、図書館から予約してた本が貸出できますとメールが来て出かけようとしたらもう閉館時間。

なんかしたようななんにもしなかったような。勉強してるのに別のことを考えてる。でも何を考えていたのかは覚えてない。ついでに勉強の内容

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双極性障害の私が司法試験に合格する話(8)天気より天気。

双極性障害の私が司法試験に合格する話(8)天気より天気。

 雨の日は、雨の日らしい体調になる。 

 雨だわぁと心が引っ張られるのか、気圧のなんたらなのか、全然わからないけど、雨の日は、気持ちと身体が、重たい。

 物知りの友達から聞いた、昔の拷問の話。犯罪をして捕まった人が檻の中に閉じ込められて縛られて、顔の上からひたすら水をポタポタと垂らされるって話。これを長いこと(どれくらいか忘れたけど)すると、人は大体精神障害になるらしい。信じられないけど、わか

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双極性障害の私が司法試験に合格する話(7)ガリ勉にはなれない。

双極性障害の私が司法試験に合格する話(7)ガリ勉にはなれない。

 何か一筋!とかは私には向かないんだと思う。これって逃げかな。逃げだとしても逃げた道が私の道。ってことにする。

 司法試験にチャレンジするにあたって、これまでの芸能の仕事をほとんどストップして。法律事務所に就職し、事務員として7時間働く規則正しい毎日。朝4:30に起きて3時間勉強をして、仕事に行って、帰ったら20:30には眠りにつく。1000人もフォロワーがいた大好きだったTwitterを辞めた

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双極線障害の私が司法試験に合格する話(6)ビジョンってなに。

双極線障害の私が司法試験に合格する話(6)ビジョンってなに。

 今日もまたストレスの種を見つけた。ビジョンってなんすか。 
 
 仲良しさんとお茶をしながら、ちょっと愚痴。

 「司法試験合格後を考えろ!と塾の講師に言われるんだけど、それがわからないんだよねぇ。なりたい弁護士像がないし、検察官や裁判官になりたいわけじゃない。私は私がその時にできることを楽しくして暮らしたいだけ。塾の講師のその言葉が私はすごくストレスなんだよね。」

 今は、自分にとってなにが

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双極線障害の私が司法試験に合格する話(5)問題を解くのが怖い。

双極線障害の私が司法試験に合格する話(5)問題を解くのが怖い。

 問題を解くのが怖くなってる。

 一問解いては間違えるたびに、傷ついているなんてバカみたいなんだけど、本当なんだから仕方ない。その度に布団に逃げ込んで、「大丈夫、大丈夫、難しかったねぇ」なんて声に出して自分をなぐさめる。盗聴器が仕掛けられていたら恥ずかしいったらありゃしないけれど、ここに書いているんだから盗聴器と変わらないのにね。

 今はさらに、悪循環で、問題演習に向き合うことすら怖くなって現

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双極性障害の私が司法試験に合格する話(4)新しい発見。

双極性障害の私が司法試験に合格する話(4)新しい発見。

 気持ちに正直になることは難しい。

 私はよく自分を追い込むらしい。友達に言われるまで気がつかなかった。何かを成し遂げるには追い込むのが当然だし、むしろ追い込まずにどうやって現状を変えられるんだよ!と思っていたんだけれど。と同時に思い出した。そういうやり方をしてうまくいった事は少ないし、うまくいったとしてもその後に必ず鬱で寝込んでいる。

 それよりも自然に自分が大したことしてないよ〜っていう事

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双極性障害の私が司法試験に合格する話(3)焦燥感に追っかけられる。

双極性障害の私が司法試験に合格する話(3)焦燥感に追っかけられる。

 今日はあまり良くなかった。

焦って焦って。手が震えてしまう。何をしていても頭の中で同じところをぐるぐる。自分の中にいる「あんたが司法試験に受かるわけがない」という人にいじめられてしまった。

 だけど、その人を否定する事もまた自分を苦しめることになるので、今日は、そういう日だと思うしかない。だけどやっぱり、こういう日は、とてもしんどい。

 でも、今日は、憲法の論文マスターの講義を1時間と、民

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双極性障害の私が司法試験に合格する話(2)どうして司法試験なのか。

双極性障害の私が司法試験に合格する話(2)どうして司法試験なのか。

 別に弁護士になりたいわけじゃない。お金持ちになりたいわけじゃない。ややこしい話は苦手だし、ルールなんて破るためにあるものだと思ってる。

それなのに、去年の今頃、私は、思い立ってしまった。

 「司法試験やったるぞ!!!」

 理由は挙げればキリがない。結婚していた当時の夫の将来の収入が当てにできなかったこと。なんなら早く別れたいと思っていたのでなにか手堅い資格を、と思っていたこと。父が検察官な

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