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「旅がもし人生に似ているのなら」



沢木耕太郎の「深夜特急」
旅人の中では、言わずと知れたバイブルだ。

ただ深夜特急を読みながら旅をするなんて、ベタすぎるかなぁ・・・と思っていたのだけど、ローマの宿の本棚に、この間行った国と、ちょうど次に行く予定の国について書かれた「深夜特急5」があったので、読んでみることにした。

ひとり旅というのは、本当に気の向くままに過ごせるところがいい。


2010.9.2-10.30 世界一周☆1 1733

「旅がもし人生に似ているのなら」

本の中に、そんな一節があった。

旅に出る前だったら、なんだそれうさんくさい、と思っただろう。

けれど、今こうやって2ヶ月近く、数カ国の旅をしてきて、旅と人生を重ね合わせてしまう筆者の気持ちが、少し分かるような気がする。



この世界一周の旅の中で、感じたことのひとつ。

 誰かとする旅の、楽しさ。

 1人で旅するからこその、楽しさ。


もし人生を旅に例えるなら、「結婚」という選択は、「ふたり旅をしよう」という約束かもしれない。

そういえば、年頃の、何人かの友達が同じことを口にしていた。

 

 結婚した方が幸せなのか。

 生涯、一期一会の出会いを楽しみながら、気ままにいることがいいのか。


答えはわからないけれど、

それはどちらがいいか比べられるものではなくて、

きっと、ただ人生の楽しみ方がちがう、ということなのだと思う。



もし「ふたり旅する」ことに決めたのなら、

もしずっと一緒に旅すると決めた人がいるとしたら、

自分の向く方向と、その人の向く方向が、だいたい同じなら、きっと居心地がいい。

ベクトルがまったく逆の人もいるから。

南に行こうとしているとき、わたしの足を北側に引っ張る人もいる。

南向きが、南南東でも、南東でもいい。

ペースが似ていれば、それはきっと、一緒に旅をしていて、居心地がいいんだろう。



そして、一緒に旅すると決めたなら、どちらも自立していることが必要だなぁと思った。


片方だけではなく、どちらもガイドブックをもつこと。


今日は何をするか、何をしないのか、どちらも自分の意思と、考える頭をもつということ。

その上で、相手に合わせる姿勢をもつ。

自分が自立していなければ、相手の世界を尊重できない。

どちらがだけがどちらかに依存するでもなく、

どちらかだけが道案内するのでもなく、

ただ苦手なことを補い合い、楽しいことを共有し、情報や気づきを倍にする。

それができなければ、1人でいた方がお互いのためなのかもしれない。



私が旅で、トラブルに巻き込まれたとき、そのとき、旅友だった人は、マイナスな状況に対して追い打ちをかけるように、さらにマイナスなことを言っていた。


分かるけど… 今、それ言っちゃう~みたいな。。

理解できなかった。人によって、思考回路はこうも違うものか。

やるべきことは自分でやる。わかってるよ。何とかするしかないんだから。

私は不安で仕方ないその状況の中で、

ただシンプルに、

「大丈夫だよ。」

って言ってほしかった…

でもその人の言葉は、残念ながら、言われれば言われるほど、心が乱されるだけだった。


その晩、泣きながら大切な人に国際電話した。深夜0時。

「これから寝たら、朝が来るから。今はいっぱい泣いてもいいから、明日になったら、また前を向くんだよ。」

そして、やっぱり、言ってくれた。

「大丈夫。何とかなる。」

たくさんの言葉はなかったけど、喉から手が出るくらいその時ほしかった言葉を、ちゃんと言ってくれた。

泣きながら、でも、なんだか安心して、眠りについた。

その時、自分の想ってきた大切な人を、やっぱり大切な人だと確信した。

やっぱり、この人なんだ。



旅は、人生の縮小版じゃないかと思う。

何かを得るということは、何かを失うということ

次の国への旅に出発するということは、その前の国を捨てるということ

スムーズにいったということは、試行錯誤する楽しみを失ったかもしれないということ

ふたりでいるということは、ひとりでいる自由を失ったということ

ひとりでいるということは、二人でいるぬくもりを得なかったということ

ひとつひとつの選択の中で、日々は進んでいく。

できるなら、その選択を自分の意思でできるように、結果がどうあれ、納得した道を進んで行けるようでありたい。



旅は、楽しいもの

だから、トラブルさえも、楽しくなる。
もちろん苦しいけど、また、ひとつ勉強した、と思う。
私、本当に思う。旅が好き。


人生は、楽しいもの

そう思っていれば、きっと色んなことが楽しくなるのかもしれない。

自分の人生は、自分にとって好きなものだと思えれば。



ごはんと、睡眠は、基本。

元気があれば、何でもできる ^ ^

時々、音楽があると楽しくなる。

元気のないときは、少し休まなきゃいけない。また元気をつけるために。また、元気になって、旅を続けるために。

だって、旅は楽しいに決まってるから!


本当に、何があったって、旅の中だと楽しくなっちゃうんだから、自分でも驚く。死ぬことと本当の身の危険以外は、全てが楽しいと思う。



人生に迷ったとき、この旅を思い出そう。不思議と答えが出てくる気がする。



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