大人が本気じゃなかったら子どもだって本気になりゃしないよって話。
このところ、メルマガのアーカイブ以外にはグラフィックデザインの話しか書いてこなかったんですが。
仕事と関係なくグラフィックデザインを学び始めたはずなのに、気づいたらやっぱり本業の話につながっていたっていうのが今日の話。
卒業制作は探究そのものでした。
高校の探究の授業でも、テーマ設定がいちばんむずかしいと言われています。途中でテーマを変更することも多い。もちろんそれも探究には必要なプロセス。こういう部分、よく考えれば当たり前なんですが、卒業制作でも全く同じでした。
アートが表現だとしたら、グラフィックデザインは、課題解決の手段。「自分はどんな課題を解決したいのか」からスタートします。ここには要素が2つあって、「解決すべき課題とは何か」と「自分は何がやりたいのか」の両面から考える必要がある。「解決すべき課題」とは、誰に・何をというターゲット設定やニーズ発見という、ビジネス的な思考も必要。一方で、「自分は何がやりたいのか」は自分のモチベーション。ここには、外部からも強制力もいっさいなくて、自分と向き合うことが必要になる。
探究の授業と同じように、テーマを確定させるところまでが、意外と時間がかかるのです。自分のモチベーションがどこにあるのか、なぜそれを自分がやりたいのかに向き合うことにも、それなりのパワーがかかります。そして、解決すべき課題とは何かを定めていくためには、世の中にはどのような施策がすでにあり、そこで解決されていることは何で、未解決な部分はなんなのか・・・要するに、情報収集・先行事例分析が必要。情報収集に関しては、カリキュラムとしても課題が出されており、うまくできているなぁと思いました。それでもやはり、自分と向き合うプロセスはなかなかにむずかしい。
圧倒的におもしろかった最終プレゼン。
若干のテーマの修正はありつつも、そこから表現につなげるまでのプロセスは、本当に苦労しました(笑) 紆余曲折を経てなんとかカタチに仕上げて、迎えた最終プレゼンのスクーリング。
ひとことで言うなら、エネルギーのカタマリの1日でした。
同時に卒業する東京メンバー22名が、質疑応答含めて8分の制限時間の中で、作品を紹介しつつのプレゼンテーションを行います。この1年間、それぞれの取り組みたいテーマや制作の進捗を、お互いに見ながら過ごしてきたわけで、こう仕上がったかー!という、プロセスを知るからこそも感想もあるのと同時に、ひとりひとりが、どれだけのエネルギーを込めて作品に向き合ってきたのかに圧倒されて・・・
1日終わったら、もうぐったりでした(笑)
自分なりには、いろんなことにチャレンジしてきたつもりだったけれど、同級生たちの作品をみたら、もしかしたらまだチャレンジする余地があったのかも、とも思わされました。ほんとうにおもしろかった。
で、気づいてしまったんです。
正直、中高生のプレゼンよりも、おもしろいっす。
これまで、仕事の中で中高生のビジネスプランコンペ的な授業もやっており、彼らのプレゼンもたくさん見てきています。でも、いつも・・・なにか違和感が拭えずにいました。言うなら・・・「作られた感」なのかもしれません。どんなにイキイキとプレゼンをしていたとしても、どこかがキレイすぎて。
じゃあ、何が違ったのか・・・?
いままで、教育プログラムという形で中高生に向き合ってきていたけれど、自分はいったい何をしていたんだろう、っていう話です。ぜんぜんダメじゃん。でも、3つめの要素は大きいのかもしれないと思いました。年間何十万ていう学費を自分で稼いで払ってるわけですから(笑)さすがにこれを、中高生では再現できない。でも、1つめと2つめの要素は・・・中高生の教育プログラムでも、もうちょっとなんとかできんじゃないの? というか、キャリア教育コーディネーターとしてはなんとかすべきなんだと思いました。
大人が本気で探究してないのに、子どもたちに探究しろなんて言ったって、
本気になれるわけがないんです。
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