【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】 大学入試の常識が変わるー保護者が知っておくべきことー
先日、カフェで隣りにいた高校生カップルが
志望理由書を添削しあっているシーンに出くわしました。
がんばれー、と、心の中で応援しつつ(笑)
私たちの時代とは大きく変わったのだなと実感しました。
私は団塊ジュニア世代にあたるのですが、
当時は大学進学率も全体の3割くらいで、
地方ということもあり、
数値でわかる成績=偏差値が、大学を選ぶ基準でした。
自分の興味・関心もあったものの、それ以上に、
どの大学に行くかが重視された感もありました。
その後、大学数がいっきに増え、
「AO入試」という名目の入試が増えた結果、
推薦=勉強せずにラクできる、みたいな
おかしなイメージも生まれてしまったように思います。
入学後の学力不足が課題にもあげられていました。
ちょっと前の話ですが、
国公立大学の総合型選抜実施校が104大学(58.4%)と
過去最多になったという報道がありました。
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1412102_00008.htm
現役受験生の親世代である私たちの時代の「常識」と
いまの大学受験は全く違うものになっていることを
わかりやすくつきつけられたように思います。
私たち保護者世代の大人も、常識のアップデートが必要。
ということで今回は、
保護者目線で何を知りにいったらいいのかを
考えてみたいと思います。
●学力(偏差値)以外のモノサシを知ろう●
大学共通テストの出題傾向も
センター試験と比較すると大きく変わりましたが、
これも、知識の定着を問うだけでなく、
思考力・判断力・表現力を問うようになったからです。
共通テストと同様、いわゆる二次試験や推薦など、
各大学における個別選抜でも、
知識以外の能力が求められるようになっています。
具体的には「主体性・多様性・協働性」と
言われています。
これは知識を問うテストだけでは測れませんので、
小論文やプレゼン、集団討論などの方法が取られます。
これが総合型選抜で行われている試験です。
ちなみに、こうした改革の背景には、
ITなどの技術の進歩の速さ、VUCAと言われる時代背景の中、
課題を発見し解決していく、
自らの人生を自分の手で切り拓いていくことが
求められているからだと言えます。
●アドミッション・ポリシーをみてみよう●
具体的に受験を考えている大学あるようであれば、
WEBサイトで「アドミッション・ポリシー」を
見てみてください。
アドミッション・ポリシーとは、
その大学がどんな人材を求めているか、
求める資質・能力を明記したものです。
大学ではこれに基づき選抜(試験)を行いますので、
試験でどんなことが求められているのか、
過去問などと合わせてみていくと、
出題の意図を読み取ることができるでしょう。
こうした内容の読み取りは、
ビジネス経験のある大人の方が得意なはず。
保護者の視点からサポートができる部分もありそうです。
具体的な出題を見てみると、
「推薦=ラク」なイメージが消えていくかもしれません。
●なぜ学ぶのかを考えよう●
大学は研究を行うところであり、
研究を行うに足る知識と意欲を持っているのかを問うのが、
大学入試なのだと思います。
もちろん知識が「不要」になることはなく、
知識をどう活用するのかが大事だということです。
志望校の総合型選抜にあわせて対策をすることそのものが
必要な知識を身につけていく機会にもなるでしょうし、
自分が何を学びたいのか、それはなぜなのか、
自分自身の想いや関心と向き合う機会にもなるはずです。
(と、高3の姪っ子の受験対策を眺めていて思いました)
一方で、難関と言われる大学は一般入試の比重が高いままです。
が、これもアドミッション・ポリシーに基づくものであり、
(その大学の役割・性質による違いがある)
そこで求める資質・能力が明確にあるということです。
こうして大学入試について知ることは、
保護者世代も学び直す良い機会になるかもしれないですね。
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