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新聞記者から「世の中に良いイメージを作る」広報PRになった理由

「なぜ、この仕事を始めたんですか?」
これは取材の時、必ず聞く質問。

今から15年ほど前、私は記者としてとある会社の
社長さんを取材していた。
「ぼくがこの仕事を始めたのは、人の力になりたい
って思ったからです。ただ、役に立っていると言える
かどうか…」

身体が不自由な方を積極的に雇用し、今でいう社会
起業家だったその社長。

取材中「うーん」とか「…と言えますかね」など
歯切れが悪い答えが多い。

「何かご心配事でもあるんですか?」
と聞くと

「実は、もう会社を畳もうかと思ってるんです」

「取材で初めて人に話しました」と仰っていました


あまりビジネスがうまくいっておらず、従業員さん
たちに迷惑を掛ける前にやめようと考えているの
だそう。

「広告費もないし、プレスリリース書いても全然
取材につながらないし、お客さんも増えなくて。
銀行の融資も下りるかどうか…」


実は私も、この会社を取材しようと思っていなかった
記者の1人だった。
新聞記者は記事のストックをいくつか持っているのが
普通で、私もその週用の記事ストックが3つあった。

ただ、取材先から「あの情報間違いがあったので確認
次第折り返します」などの連絡が相次ぎ、
手持ちの記事がなくなってしまったのだ。

イメージ的にはこんな感じの困りっぷり

新聞に記事が掲載されない状態は記者として一番
避けたいこと。困った私は過去編集部に届いた
プレスリリースを見直して「ここなら記事にできそう」
と感じた会社へ片っ端から連絡をした。

そこで「今から取材大丈夫です」と言ってくださった
のが、会社をやめようかと思っていると話す社長だった。


確かに、プレスリリースは読みづらいしポイントがずれて
いて、あまり魅力を感じなかった。
ただ、直接話しを伺うと、ものすごくいいところが
たくさんある会社なのだ。

「なるほど…。プレスリリースなんですけど、例えば
ここを具体的にしたり、○社長の考えや思いをこの辺に入れると取材が来ると思いますよ」

取材用に持ってきたプレスリリースを見せながら説明
すると
「なるほど…ただ僕たち素人だし、来るかもわからない
取材に時間かけられないんですよね。前は頑張ってました
けど、今はちょっと…」

オフィスでは、従業員さんたちがにこにこしながら
楽しそうに働いていた。

「もしこの会社がなくなると、皆さんどうなるんですか?」

「障害のある人は、封筒にチラシを入れて封をする仕事
など、簡単な作業をする職場へ行くことになりますね。
他の人たちもリーマンショックの後で仕事が見つかるか
どうか…」

「……プレスリリース、私、書きましょうか?」


取材に行くと、感じることがある。
いくらトップや広報担当者がいいことを言っていても、
従業員さんたちがどんよりしている会社は「何かある」。

実際、取材で
「あら、みなさんどんより」
と感じたところは
倒産したり、M&Aされたり、ということが多かった。

逆に、皆さん楽しそうにしている会社は伸びる。
取材後気になってネットで調べたり、SNSを見ると必ず
成長している。
「この会社は、続いてほしいな」
そう、思った。


初めて書くプレスリリース。
ネット上に転がっている「型」ではなく、記者の目線から
「ここを聞きたい、知りたい」情報を入れ込んだ。

社長が『みんなが同じ環境で普通に働ける社会を
作りたい』という思いで起業したことや、
学生時代のボランティア経験が基になっていること。
将来への決意。

そのプレスリリースは大きな反響を呼び、新聞だけでなく
テレビ取材も入り
「『ここで働きたい!』という人からたくさん
問い合わせをもらってます!お客さまも増えて、
うれしい悲鳴です」

と聞いた後、2カ月ほどして社長から手紙が届いた。

銀行からの融資が下りた上
「こんな会社と付き合っていきたい」
という大手企業から協業の契約を結んだ
、と。

もしかして、

1人の記者が記事を書いた反響よりも、
1枚の、いいプレスリリースが生み出す影響力のほうが大きい

のでは?
そんなふうに、思い始めた。

同じ「書く」なら影響力が強いほうがいい、と思った

子供の頃から本が好きで、お年玉はすべて本に使い、
9歳から小説を書いていた。漫画でことわざを紹介する
本に「ペンは剣よりも強し」という言葉を見つけ鳥肌が
立ったのを鮮明に覚えている。

言葉の力で世の中をちょっとでも良い方向にする
お手伝いがしたい、とマスコミに入った。

しかし、無名の、書いた記事に自分の名前が載らない
新聞記者なんて、掃いて捨てるほどいる。
そんな駆け出しの記者が書いた記事なんて、そんなに
影響力はないのだ。

しかも、紙面の都合や世の中のタイミングで
「いい内容なのに書けない」ということもある。
このギャップが、ものすごくジレンマだった。

15年ほど前、ジレンマ中の写真

記事を書くより、プレスリリースを書いたほうが人や
社会の役に立つんじゃないか

こう思い始めた時、プレスリリース書きを手伝った
社会起業家さんの口コミで「広報PRを手伝って欲しい」
という会社さんが増えた。

広報PRは、とてもかんたんにいうと
「世の中に良いイメージを作ること」。
そして「行動を変えてもらうこと」。

お客さまに記者時代と同じく入念な取材をして、

・なぜこの仕事を始めたのか
・自分の得意なことを使って、どんな社会を
 作っていきたいのか

を伺い、多くの人に伝わるようわかりやすく伝えていく。
それが今、私のしている仕事。

要は、何かを広く伝えたい人と、その先にいる人との橋渡し役だ。

こんな丈夫な橋になりたい


1枚のプレスリリースから、

クラウドファンディングで目標金額の5倍を集めた外国人学校

事故で動けなくなってしまった身体をマラソンができるまでに
してくれたヨガを教えている女性

コロナによってフリーランス美容師となり海外へも活躍の場を
広げた男性など

さまざまな職種、サービスを行っている人がPRに
よって、より、輝いている。

今は、法人の広報PR代行と、フリーランスや個人起業家さんのマスコミ取材率をアップさせるお手伝いでBtoB、BtoCの両サイドから世の中に良いイメージを作る仕事中。

記者の時よりも、多くの人の役に立てているんじゃないか。そう、思っている。



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