重い地方とモテる地方

 私は最近音声情報サービスの「Voicy」を重宝している。淡路島に移住した私は、毎日車移動の時間が存在する。Voicyは移動中に情報収集をしたいという私の希望を叶えてくれる素敵なアプリだ。元々ラジオを聴くのが好きな私にとって、いつでも、どこでも、CMなしで興味のある話を聞けるのは嬉しい。

 今日も車でVoicyを聴いていて、「Game Change」と言う用語を学んだ。これは、「ビジネスの従来の枠組み・ルールが崩壊し、新たなものに切り替わること」を指す用語だ。人類の歴史の中で非常に多くのGame Changeが起こっている。一つは農業の始まり。狩をして獲物がいなくなったら拠点を移すと生活から、農業の誕生により計画的に生活ができるようになった。まさにGame Changeだ。

 インターネットの登場やカーシェアリング等、現代は今までの常識が覆されることのオンパレードのような時代に感じる。

 地方というフィールドで考えると、2拠点生活という考え方は、大きな転換点であった。「ADDress」のように月額を払って様々な家を転々とできるサービスも出てきている。しかし地方創生という文脈で、The Game Changeというインパクトある変革はなかなか見られない。

 私はそもそも「地方移住」という言葉に重さを感じている。基本的に移住前に、移住先について詳しく知らないケースがほとんどだ。「移住」という言葉には「ずっと」といった意味合いが含まれているような感覚を覚える。実際地域の人もずっといることが前提で、いなくなると「出ていった」というような反応を見せる。しかし、よく知りも知らない地域で一生過ごすかなんてわからない。顔見知り程度の人と急に結婚なんてできないのと同じだ。移住(結婚)の前に「交際期間(試しに住んでみる)」時間が必要なのだ。

 地方創生を仕掛ける側の人は、どうしても数字が大切であり、住民票の数などわかりやすい数字を大切にする。しかし、本質的に考えると「地域に関わり幸せを感じる人を増やす」ことが一番大切だ。住民票がなくても地方でのライフスタイルを楽しんでくれれば、その人が広告塔となってくれる。

 地方移住の前の交際期間に特化したサービスは実際に需要が高い。体験移住制度を取り入れる自治体も増えてきている。この交際期間の満足度を上げられれば、移住後に後悔する人を減らし、軽い気持ちで地方を訪れる人が増える。

 「移住者を増やしたい!」の前に、「ずっとかはわからないけど楽しんでる人を増やしたい!」にフォーカスを当てる。重い人は一緒にいてもしんどいので、気軽にお付き合いできる地域になる必要がある。お付き合いでは一つの強みが決め手、結婚だと一つの欠点が命取りだ。まずはモテる地方になるためのアクションを南あわじ市で起こしていきたい。


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