見出し画像

「コーチになりたい」の奥にある欲求④能力発揮欲求がある人の強みとぶつかる課題、乗り越え方

世の中には、コーチングを知らなかったりコーチングを学んだことがなくてもコーチ型コミュニケーションが身についている人がいます。

育ってきた環境や職場の雰囲気から、年齢や立場に関係なくそれぞれの人の考えを聞くことや、相手が話すことを最後までじっくりと聞くことが自然とできている。

そんな人が、「コーチング」や「コーチ」という考え方を知ると「自分が当たり前にやってきたことはこういうことだったのか!」「せっかくなら自分の強みを活かしたい!」「これを仕事にしたい!」と思ったりもします。

そこにあるのは「自分の持っている力を活かしたい」「自分らしく仕事をしたい」といった、自分の能力を発揮することに対する欲求です。

今日はそんな、能力発揮欲求がある人の強みとぶつかりやすい課題、課題の乗り越え方をご紹介します。

画像1

1. 能力発揮欲求がある人の強み

能力発揮欲求がある人の何よりの強みは「コーチ型コミュニケーションをナチュラルに身につけている」ということです。

画像2

①コーチ型コミュニケーションが身についている

コーチングやコーチ型コミュニケーションに触れる機会がなかった人がコーチングを学び始めると、「うなづきやあいづちが大げさでわざとらしくなる」ということがよく起こります。

普段やってこなかったことを意識してやるとどうしてもそうなってしまいます。それはとても自然なことですが。最初は周囲の人や本人にとっても「何だか違和感がある」という風に感じるでしょう。

一方、「持っている力を発揮したい!」という人は、コーチングに必要な能力をすでに身につけているということもあり、コーチとしての在り方やコミュニケーションがとても自然です。

力が入らず、自分でも違和感がないので、コーチングの実践を楽しく続けることができます。

②質問をすることや待つことに抵抗がない

コーチングを始めた人がぶつかる多くの壁は

・質問をすることに抵抗がある
・待つことができない

ということです。

これは「話す人の方が優秀」という価値観や「質問をしても相手から答えが返ってこなかったらどうしよう」「自分は質問が下手かもしれない」といった不安から起こります。

そんな中、これまで質問をされたり、話をしっかりと聞いてもらえるという環境に身を置いてきてそれが当たり前になっている人は、自分自身も質問をすることや待つことに抵抗がありません。

コーチが不安なく質問をすることや待つことができていれば、クライアントも安心してその質問を自分に問いかけ、出てくることを自分のペースで言葉にしていくことができます。

③新しいやり方にも軽やかに挑戦できる

「自分の強みを活かしたい!」という欲求があると、強みや能力が発揮されたときに大きな喜びを感じます。

そのため、新しく学んだスキルややり方についても、まず「やってみよう」というポジティブな気持ちが起こりやすく、「やってみると上手くいった」「さらに喜びを感じた」という好循環が起こります。

軽やかに小さな挑戦と続け、どんどんとできることや楽しみが増えていき、コーチングやコーチという仕事に対してますます「これは自分の強みが活かせる!」「もっとやっていきたい!」という気持ちが起こっていきます。

楽しく学びや実践を続けることができるのは能力発揮欲求がある人の特徴であり強みです。

2. 能力がすでにあるからこそ学びが退屈になることも…

「自分の強みを発揮したい」「自分の強みはコーチになるのにピッタリだ!」と思う人が、「コーチングをちゃんと学ぼう」「スクールに行って資格を取ろう」と思ったときにぶつかる課題は大きく次の3つです。

画像6

①コーチングスクールでの学びが物足りない

コーチングスクールではコーチングの基礎から学ぶことが多くあります。しかし、コーチ型コミュニケーションをすでに身につけている人にとって、その内容は目新しいものではないかもしれません。

「コーチになるにはスクールでちゃんと学んで資格を取った方がいいと思ったけど本当にそうなのだろうか」という疑問が湧いてきて、せっかくの学びに身が入らなくなってしまうということが起こるかもしれません。

②参加者同士のワークが退屈に感じる

コーチングスクールや講座には経験は背景も様々な人が参加しています。そんな中には自分にとって当たり前にできることがそうではない人もいるでしょう。

参加者同士のワークなどでそういった人と一緒になった場合、すでにできる人はワークを退屈に感じたり、相手に合わせて対話の内容や反応を無意識に調整したりするということが起こります。

それは一見、相手のレベルに合わせる親切な行為であるようにも見えますが、場合によっては相手や自分自身の成長の機会を奪ってしまうということにもなりかねません。

③フィードバックの良いところにだけ耳を傾ける

能力発揮欲求がある人は「能力の発揮」に関心が強いがゆえに、苦手なことを克服することには相対的にあまり関心が向きません。

また、特に他者からのフィードバックを受け慣れていないと「フィードバックをされたことは改善しないといけない」と思い込んでいるということも多くあります。

フィードバックは受けたからと言って、必ず言われた通りにしないといけないというものではありません。

「強みを伸ばす」というのはとても大切なことであり、自分が苦手なこと・できないことはそれが得意な人にやってもらうというのが、お互いにとって良いということも多くあります。

しかしあまりにも良いところにだけ関心が向きすぎていると、「そうでないところが相手にどんな影響を与えているか」「それをどうやって補うことができるか」を見逃してしまうことになるかもしれません。

3. 実践を続けるときにぶつかる課題

さらに、コーチングをどんどん実践していこうとするプロセスでぶつかる課題もあります。

画像3

①知り合い以外のクライアントを増やすのが難しい

コーチ型コミュニケーションをすでに身につけていてそれを活かしてコーチをしていきたい人が、実際にコーチとして活動して行くときにぶつかるのが「どうやってクライアントと出会っていくか分からない」という課題です。

あなたのことを既に知っている人であれば、あなたがコーチングを始めた・コーチになったと聞いて「ピッタリだね!」「話したい!」と思うかもしれません。

しかし、知り合い以外のクライアントをどうやって増やしたらいいか分からない。

なぜなら自分が発揮したい強みや能力はコーチングに活かせると分かっているものの、コーチとして仕事をしていくために必要なことの全体像やそのために必要な能力について知らない・分かっていないためです。

コーチになりたいと思ったけれど実際にはクライアントの増やし方が分からないという壁にぶつかるということは、能力発揮欲求を持つ人だけでなく、コーチになりたい人の多くがぶつかる課題でもあります。

②他のことが魅力的に見えてくる

実際にどうやってクライアントを増やしていいか分からない、どうやって仕事にしていいか分からないという中では、他の仕事が魅力的に見えてくるということも多くあります。

特に能力発揮欲求を持つ人が関心があることは、コーチングそのものではなく「自分の能力を発揮すること」。

確かにコーチングにこだわる必要はありませんが、「もっと他に自分を活かせることがあるかも!」と思い続けていると、いつまで経っても本腰を入れてやることが定まらないということが起こってしまうかもしれません。

③「自分が提供したいもの」に捉われる

そして、能力発揮欲求が強い方に最も多いのが「自分自身」を基準にして考えるがゆえに「相手が困っていること」「相手が必要としているもの」が見えづらくなるということです。

4. 相手は何を必要としていますか?

コーチングに限らず、何か自分が得意なことを発揮したいと思っている人に起こりがちなのが、「これを必要としている人がいるんだ!」と思い込んでしまうということです。

確かにあなたができること、得意なことを必要としている人はいるかもしれまえせん。

しかし、その人が今困っていることとあなたが提供していることを結びつけて考えることができるとは限りません。

例えばあなたが、「枕の高さを調節するのが得意」だとします。「枕の高さを調節します!」ということを打ち出して、人が来るでしょうか?

そういう人もいるかもしれないけれど、多くの人は「枕の高さ?」と思うでしょう。

「眠りが浅い」「たくさん寝ても何だかスッキリしない」「腰痛がある」と言った悩みは実は枕の高さを変えれば解決するかもしれませんが、悩んでいる本人にはそれが分からないということが多くあります。

画像8

コーチングも同じです。

コーチングを良く知っている人なら自分が今直面している課題や実現したいことに対して「コーチングが役に立つ」と思えるかもしれませんが、やはり、多くの場合そうではありません。

「自分ができること」にばかり目を向けていると、あなたの提供できるものがどんなに素晴らしくても、それを必要とする人がなかなか現れないということが起こってしまいます。

5. ぶつかる課題の乗り越え方

では、理想実現欲求がある人がぶつかる課題を乗り越えるためにはどうしたらいいのでしょうか?


画像6

①独学でどんどん学び実践する

まずは、「コーチングは私の強みが発揮できる」と感じるのであれば、どんどん実践していきましょう。

日本のコーチングの資格は全て民間資格です。資格がないとコーチになれないわけではありません。

コーチングスクールに行かずとも、自分で学びを進めることもできます。

せっかくあなたにはすでにコーチ型コミュニケーションを身につけているのですから、それを、未来ではなく、今、発揮していってください。

そうすれば自ずと更なる成長が起こっていきます。

②能力や経験を組み合わせることを考える

そしてさらに、あなたがこれまで経験してきたことや強みなどをコーチングに組み合わせることを考えてみましょう。

例えば、あなたの好きなことを人に教えることにコーチングを活用することもできるかもしれません。

組織の中で働いていくにあたっても、コーチングを活かすことができるかもしれません。

今あるもの、今いる場所の中で、あなたの力を発揮することがもっともっとできるはずです。

コーチング以外の力も、きっと発揮されることを待っているはずです。

③「どんな人の役に立てるか」を具体的に考える

そしてぜひ、あなたが得意なことはどんな人の役に立てるかを具体的に考えてみましょう。

・その人は今、どんなことに悩んでいるか
・どんな課題を解決したいと思っているか
・どんな毎日を過ごしているのか

ざっくりとした「クライアント像」ではなく、できるだけリアルに、その人の現在の様子を思い浮かべてみてください。

実際に話を聞いてみるのもいいかもしれません。

「自分の能力を発揮したい」という想いはとても大切なものです。それを活かすためにもぜひ、「誰にどんな風に役に立つことができるか」を考えて、どんどん実践していってください。

6. あなたのことを待っている人が必ずいる

「自分の強みを活かしたい!」という欲求を持つ方の強みとぶつかりやすい課題、乗り越え方をご紹介してきましたがいかがでしたか?

あなたはすでにこれまで、たくさんの人の後押しをしてきたはずです。

あなたに、コーチという肩書きがあるとしてもないとしても、その強みは必ず誰かの力になります。

画像6

ぜひ、今日から、今いる場所から、そのままのあなたを発揮していってください。

あなたの挑戦を心から応援しています。

4つの欲求の概要はこちら▼

欲求は、一つだけでなく複数持っているということも多くあります。

体験還元欲求がある人の強みとぶつかる課題、乗り越え方はこちら▼

課題解決欲求がある人の強みとぶつかる課題、解決方法はこちら▼

理想実現欲求がある人の強みとぶつかる課題、解決方法はこちら▼

おすすめのコーチング勉強法はこちら▼

このページをご覧くださってありがとうございます。あなたの心の底にあるものと何かつながることがあれば嬉しいです。言葉と言葉にならないものたちに静かに向き合い続けるために、贈りものは心と体を整えることに役立てさせていただきます。