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大切な人と触れ合えなくても○○をしよう

4月に入り私の住むオランダのハーグではお天気のいい日が続いています。

これまでだと昼間は隣にある保育所(オランダでは住宅地の中に、小さな保育所がたくさんあります)の庭で遊ぶ子どもたちの声が賑やかに聞こえていたところが、今聞こえてくるのは鳥の声と風の音。

通りを行き来する車や自転車が少なくなったためか朝もとっても静かです。

普段からロングスリーパーの私も「免疫を高めるのには睡眠も大事と言っているお医者さんもいたしね」と言い訳がましいことを言いながら、さらにゆっくりと起き出すことが多くなっています。

そんな中、上の階に住むオランダ人男性のところにたびたびパートナーらしき人がやってきているようです。(我が家は伝統的なオランダの家のつくりなため、各階の住人が内階段を共有しているので昇り降りの音がよく聞こえます)

「家族以外の人とそんなに接触して大丈夫なのか!?」という疑問はありますが(家族の形も色々あるので何とも言えませんが)、身体的な接触だけでなく、コミュニケーションも含めた広義での「触れ合い」は必要だよなあということを私自身実感しています。

とは言え、できるだけ接触を減らすに越したことはないでしょう。

ではそんな中、私たちはどうしたらいいのか。

今日は「触れ合いがもたらすもの」について考えていきたいと思います。

1. 「触れ合い」は人間にとって欠かせないもの

言うまでもなく、愛する人との触れ合いは、安心感や幸福感、つながりの感覚など、私たちにとって大切な感覚をもたらしてくれます。

先日、「セックスの4つの捉え方」についてご紹介しましたが、セックスも生殖目的だけで行なっているわけではないですよね。

特に、「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンは、触れ合いによって分泌されることが分かっています。

<オキシトシンの効果>
・ストレスの緩和
・好奇心の向上
・共感力の向上
・他者への優しさの向上
・学習意欲や記憶力の向上
・自律神経のバランスの向上
・免疫力の向上
など

<オキシトシンが分泌される行為>
・スキンシップ
・マッサージ
・ハグ
・キス
・セックス

コロナウイルスによる直接的な影響はもちろんですが、人と人との物理的な関わりが絶たれることによって、私たちはさらに心身の調子を崩す可能性があり、それを防ぐことはウイルス対策と同じくらい大切なことだと考えられます。

とは言え、触れ合うことは危険…

ではどうしたらいいのでしょうか。

2. 触れ合わなくてもオキシトシンは分泌される

実は、オキシトシンは触れ合わなくても分泌されるということが分かっています。

<触れ合わなくてもオキシトシンが分泌される行為>
・信頼している人と見つめ合う
・信頼している人と話をする

NHKの「ガッテン!」では、「抱き枕を抱きながら電話」なんて方法も紹介されています。

見つめ合ったり、話をするのは「信頼している人と」というのもポイントです。

たとえば家族で、顔を見ながら話をしたり一緒に食事をする時間。こんなときこそ大事にしたいですね。

3. 一人でもオキシトシンは分泌される

「触れ合わなくてもいいならできることがありそう!」と思われる方がいらっしゃる一方で

「パートナーがいない」
「一人暮らし」
「同居人?はいるけど心から安心することができない」
なんて方もいらっしゃるのではと思います。

大丈夫です。

私もオランダで一人暮らし。仕事柄、対話を通じて人の心と触れ合う機会はたくさんありますが、音声だけなので見つめ合うことはありませんし、日本にいるパートナーとは当然ながら物理的な触れ合いはできず、話す機会もあまり多くはありません。

でも、一人でもできることがちゃんとあります。

<一人でもオキシトシンが分泌される行為>
・感動する
・感謝をする

・人を思いやる
・合谷(ごうこく:親指と人差し指の間の付け根)のツボを押す
・五感を刺激して気持ちいいと感じる

感謝をしたり、人を思いやるということはきっと今自然にたくさん起こっているのではと思います。

この機会に好きな映画をたくさん観るというのもいいですね!

そして「五感を刺激して気持ちいいと感じる」ために私がおすすめなのが、セルフマッサージです。

セルフマッサージは特に、オイルをつけて行うのがおすすめ。

とある実験では、腕をマッサージするとき、オイル無しでは自分でふれるよりも、他人にふれてもらうほうが気持ちよく感じ、オイルをつけると、自分でふれるほうが気持ちよく感じるという結果が出ているそうです。

オイルは、ローズやオレンジフラワー、バイオレットなどの天然精油を含む香りがおすすめです。

香りは五感の中で唯一脳に直接働きかけることのできる感覚だとも言われています。

また、「夢でないことを確認するためにほっぺたをつねる」という表現があるように(実際にやったことはありませんが)触覚も、私たちと現実世界を強く結ぶ感覚です。

私たちを「今ここ」に呼び戻してくれるのが、香りと触れ合いなのです。

さらには1秒間に5cmのはやさの動きが最も気持ちいいと感じられるという研究結果もあります。

また、ゆっくりと触れていくことで副交感神経が優位になり、免疫機能が正常に作用するという効果も期待できます。

なので、「ゆっくりと」「オイルで」マッサージをすることは、お一人の方にも、人との接触を避けたい方にもとってもおすすめです。

4. まずは自分のことを大切に

物理的な触れ合いが減ることによって、幸せホルモンであるオキシトシンの分泌が減ってしまうかもしませんが、触れ合わなくてもできること、自分でもできることがたくさんあります。

自分自身との触れ合いを大切にする。自分で自分を幸せにする。

今それができるようになれば、この先また、大切な人たちと触れ合えるようになったときに生まれる幸せもさらに大きなものになるのではないでしょうか。

まずは優しくそっと「自分に触れる」ということ、やってみてくださいね。


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