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メールが溜まる、ストレスが溜まる

「昼休みニンゲン科学相談室」では、コミュニケーションや人間関係にまつわるちょっとしたお悩みのご相談に脳科学や心理学・コミュニケーション学等の観点からお答えしています。

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働き方改革の影響もあり、上司や部下も含めてメールやチャットでのやり取りが増えてきました。
人によってメールの書き方も色々ありますし、一見冷たく感じるメールでもその人となりを知っていれば問題ないこともあります。

しかし、関係性もほとんどなく、その人のキャラもお互いに理解できていない状況で、業務的な雑なメールを受け取ることもあり、そういったストレスに毎日晒されてしまうことが苦痛です。

面と向かっての直接的なコミュニケーションですら難しいのに、メールはどんどん溜まっていく一方です。この負のスパイラルから抜け出すにはどうすればいいでしょうか?

電話よりメール派ミレニアル世代、より

ご相談ありがとうございます。

メールやチャットは便利だけど、やりとりが結局増えていたり仕事や人間関係が円滑に進むようになるわけでもない。そんなふうにメールとストレスが溜まる負のスパイラルを感じていらっしゃる方は多いかもしれません。

さて、今回は、なぜストレスを感じるのかということに目を向けてみたいと思います。

1. ストレスを感じるのはなぜ?

ストレスを感じるというのは、身体的もしくは心理的に負担がかかっているということです。

身体に、時間やエネルギーなどの対処可能な量を超えて負担がかかるとき、身体的なストレスが発生します。同様に、心理的ストレスは、心が対処可能なことを超えることが起こったときに発生します。

心が対処可能なことは「心の期待値」とも言い換えることができます。

自分が期待することと現実に差があるときにそこに感情が生まれます。期待することを現実が超えていたなら「嬉しい」「満足」、期待することを現実が下回っていたなら「悲しい」「不満」と言った感情が生まれます。

メールに対して感じる不満やストレスは、相手に対する期待と現実の差から生まれるのです。

2. 期待と現実の差を埋める

この差を縮めるには2つの方法があります。

1つ目は、相手に対する期待値を下げること。
2つ目は、現実を期待に近づけること。

1つ目については、自分の心と向き合って対処することができます。
まずは、現在自分が相手に対して何を期待しているかをより具体的に考えてみましょう。「自分の状況を理解して連絡をしてほしい」「自分のパーソナリティーを理解してやりとりをしてほしい」「もっと丁寧に依頼をしてほしい」etc… そこには、「自分がこんな風に扱われたい」という欲求や願望が隠れているはずです。

次に、相手との関係性や相手の状況を冷静に考えてみましょう。相手とはどのくらい付き合いがあって、相手はどのくらいの仕事をこなしているでしょうか。

その上で、もう一度考えてみてください。現実的に相手にはどこまでのことを期待できるでしょうか。

相手への期待値が下がれば、現実とのギャップも少なくなり、感じるストレスも緩和されるのではと思います。

3. あなたにできることは何か

2つ目については、自分自身が具体的な行動を起こすことが必要です。やりとりする相手とは、どんな関係性になることが理想でしょうか。そのためにあなたにできることは何ですか?

他者を変えることはできませんが、お互いの間にある関係性を変えていくことはできます。しかし、そのためには、あなた自身の行動が必要です。

いずれにしろ、あなたの持つ欲求や願望を叶えることができるのは他者ではなく、あなた自身です。どんなに関係性が良くなり、仮に相手に時間や心の余裕ができたとしても、その結果としてあなたの欲求を満たすことをしてくれるとは限りません。自分にはどのような欲求があるのか、それはどうやって満たすことができるかを考え、自ら人生の舵取りをしていかない限り、あなたはいつも他者に不満やストレスを感じることになるでしょう。

4. あなたはあなたの人生のプロフェッショナル

ところで…

同じようなメールでも相手や関係性によってはストレスを感じないことがあるのですよね? あなたはすでにこれまでの経験や現在の状況でも「うまくいっている相手」がいて「出来ていること」もたくさんあるはずです。

「上手くいっていることがどうやって出来ているのか」についてはなかなか考える機会がありませんが、そこに目を向けることで、今あなたにできることも見つけられるのではと思います。

またぜひ、お話し聞かせてください。

                                                                            a w a i 佐藤 草

*個人的にいただいたご相談を元に相談者の許可を得て、ご相談内容を編集したものに回答を記載しています。通常のコーチングセッションでは、お悩みの相談をお受けすることやアドバイス・セッション内容の公開は行なっておりません。

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