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融合する心地よさと演劇だから起きる体験


『観客と一緒に創作をする』

avenir'eで必ず大切にしている創作の一つの軸になっているものです。

映画と演劇の違うところは、実際に生の人間が目の前で演じているという点にあり、そこが最大の強みだと思っております。

観劇を多くしている方も表現する側も当たり前すぎて忘れがちですが、初めて舞台を観た方の感想は

「セリフどうやって覚えてるんだろう?」
「ミスしたらどうなるんだろう?」
「誰かが舞台上に上がったら止めることも出来てしまう……」

などを頂くことが多く、その場で人間が演じているスリリングさに驚いていきます。


表現を行う側としても、『目の前に生の人間がいる』ということを忘れずその強みを最大限まで生かしていくことが、舞台ならではの感動を生み出すことだと思っておりavenir'eでは、作品ごとに作品の中でどう観客と交流していくかをメインディレクターを中心に考えいきます。

これまで1st 2nd 3rdもそれぞれ異なるアプローチで舞台上で起きていることを客席にも影響を及ぼし、作品を通してコミュニケーション(それは空気のやりとりだったり、実際に紙風船を客席から投げる応援上演だったり)をとるアプローチをしてきました。

紙風船を投げるは直接的な関わりの持てるやり方ではあり、面白い効果や楽しみ方が生まれたのですが、こうした直接的なものだけではなく、作品の中で演出意図として無意識にコミュニケーションを取れる手法を試してきました。



今回、メインディレクターの平井さんが起こすコミュニケーションはまたこれまでと似て非なる独特な時間が訪れる予感をここ数日の稽古でしてきました。

『リズム7』での解説でも行ったようにこの戯曲にも、魔法の言葉が存在し(観ている方には無意識に届くはず)、その言葉から開かれる世界はきっと『人間(舞台上の登場人物)という物体が空気と溶けて、融合する』ような感覚が起こるのではないだろうかと感じております。

そしてこの登場人物の融合が行われたときにきっと客席も含めた劇場空間が不思議な巻き込まれ方をすると確信しております。

メインディレクターの平井さんが目指す(実際にそこを目指しているかは不明)世界は、とても優しく細やかで空間に心地の良さをもたらしていきます。

この想像しうる瞬間が訪れた時に、きっと新宿眼科画廊のあの空間だからこそ生まれる不思議な演劇体験が出来るのだと思っております。

言葉と人間と空気のお風呂に入っているような不思議な感覚だと。

ある脚本チームのミーティングの際に僕(池内)が、

「当時付き合っていた恋人とディズニーランドに行ってエレクトリカルパレード中に大喧嘩して流れる音楽と賑わいに対して恐ろしいほどミスマッチした時間だった」

という話をした際に平井さんは興味を持ってくれて

「新宿眼科画廊にエレクトリカルパレードの汽車見たいなものを出しますか?」

と言い始め、何をふざけたことを言ってんだと思った僕は「いやいやいや、無理ですよぉ。」なんて答えた後の平井さんは至って真面目に

「いや、いけますよ!」

って言ってた時に「確かにこの方ならやるかもしれない」と内心思いつつ、「いやいや!」なんて適当に返していたのですが、今となっては本当に実現できるかもしれないと思いました。


台本の流れに沿って、俳優が自然とその魔法に言葉に乗っかれたときに、きっと凄い世界観を旅することになる面白い作品だと感じております。

本当に新宿眼科画廊だからこそ起きる舞台も客席も隔てるものがない『一体感』というより『一体』となるなんとも形容し難い豊かな時間が生まれると思います。

ぜひ、ぜひ、ぜひ。



avenir'e 4th create
『髙橋さんと家入くん』/『リズム7』
2024.1.20(土)〜2.6(火)
新宿眼科画廊 スペース地下

《公演サイト》
https://avenire.cloud/archive/4th/

《予約フォーム》
https://ticket.corich.jp/apply/291915/

《サポートチケット》
https://avenir14ensemble.stores.jp/


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