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自己受容~自己の存在を信じるヒント~③

2022年12月4日
MICC研究所 成果発表会




③問題点 自己受容の難しさを知る



◆矛盾 自分が思う自分と他者が思う自分に差がある要因



◇後天的 環境的要因

(社会的圧力 社会規範 ステレオタイプ(固定観念・思い込み) 慣習)

存在は環境に意味づけを求められる。自己認識と他者認識の不一致が生じる。
また、環境が与えたイメージ・認識を自己のものだと錯覚する。
現実は社会一般的な基準・善悪の基準やルールに縛られている。自己認知情報と周囲の情報を比べその結果を善い悪いで判断する為、自己受容しづらい。周りからの印象など、自己を否定してしまう要因も存在する。善悪の判断が感情をプラス・マイナスに陥れていく。
与えられたイメージの中で、ポジティブな感情や事実は受け入れやすい。が、ネガティブな感情 事実に対しては葛藤が起こり、事実認識と自己認識の一致にズレが生じやすい。
他者・社会地域性からの印象と影響が自己認識を阻害する要因ではないかと考える。


◇先天的

発達形成的要因 <発達段階 幼児期の養育 気質 家族 家庭環境>

一番最初の社会として家庭があげられる。家庭環境の影響は自己を形成する基礎となる。
自己を知る上では振り返りが必要である。家族に関する事柄は変える事が出来ない部分であり、生涯において影響は大きい。


◇期待要因 

<理想(自己概念)と現実・事実>
※自己概念=自分が考える自分のイメージ 過去視点価値観 未来視点希望願望 自己評価 自分自身への注目
理想と現実に差がある。現実に消極的な反応となる。希望・願望が乖離状態。関心は過去・未来に向けられている。過去と未来の後悔や不安に囚われた状態は思考を停止させる。


◇承認欲求要因

<自己承認が低い場合>
自分で自分を認めたいという欲求で、自己に対して向けられるものが低い場合がある。
その場合、他者承認欲求が強い傾向がみられる。自己と向き合う時間が足らないと、ズレ歪みの隙間を埋める為、他者に求めてしまう。誰かからの評価においてその隙間を埋める事で自己を保持していく。これは、自己認知の錯覚であると考える。他者依存に近い。
自己陶酔・自己中心的にみえる人でも隠れ他者依存に陥っている場合もある。




◆葛藤 ズレが生じたときの反応


自己認知と事実の差が大きい場合、ズレの部分に対して、自分を拒絶してしまうからである。
拒絶の反応として、自傷行為・感情コントロール(怒り等)・現実逃避・虚無感・自虐思考がある。
また、自信がない、発信力が低い・自虐的に自己否定してしまう反応をとる。発信力には自己への問いかけが少ない反応も含む。許容しているようにみえる場合がある。それは、誇張表現による自己の歪みである。理想と現実の差が大きい場合によく見られる傾向で、自分をよく見せようと無理に演じる事や自己他者に対して錯誤がある場合である。

自己受容の過程において、自分の思考(認知)と現実 事実 結果 の存在(答え)が異なると、答えのつじつまが現実と合わない反応に対してズレは矛盾になる。そして人は、矛盾(要因)に対して葛藤(反応)する。葛藤の中、本人は生きづらさを感じていく。つまり、自己を拒絶してしまうと、正しい反応と判断を得る事が難しく、感情のコントロールも難しくなる為であると考える。