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アサーティブ

否定から入らない

 コミュニケーションで大切なことの一番目にくるのは、相手の言葉に対して否定から入らないことです。
 まず相手の言葉に対して、受容する、受け止めます。それが例え自分の意見と違っていても、相手(その人)はこう思っているのだと、否定も肯定もしないことが、カウンセリングの第一歩と言われています。
 これは一般にコミュニケーションをとるうえでも必要です。

 アサーティブという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
 アサーティブとは、相手を尊重しつつ、自分の考えや意見を素直に正しく伝えることです。
 アサーティブを訳すと自己主張と出るのですが、決して自分の意見を一方的に述べるのではなく、相手の考えや意見を聞き、尊重したうえで自分の意見を伝えるのです。
 それは自分の意見や考えを押し殺して相手の意見を受け入れることでもありません。

I am OK、You are OK

 たとえ意見の食い違いがあっても、あなたも正しく、私も正しいという考え方です。私は正しい、あなたは間違っている、あなたの言う通り、私が間違っているでもありません。ディベートのように相手を打ち負かす論戦とは違います。
 一時期ディベートが流行り、ディベートにたけた人が優秀なように扱われた時期があります。それで自分の主張が通ったとしても多くのことが、実際にはその通りにならないと物語っています。
 論破して勝ち負けを争うのではありません。勝ち負けを争うのが目的ではないのです。より良き方向性を決め実行するには納得解が必要です。
 もちろん論理的思考力を磨くのにディベートは有効ではあります。
 
 二項対立ではないのです。何事も二項対立にしたがる人がいます。政治の世界ではよく見かけられますが、どちらが正しいか、間違っているとかでなく、より良くするにはどうしたらいいかです。時代や状況によりより良き方向も変わっていきます。否定から入るのでなく建設的な議論がより良き方向に導きます。(*二項対立 論理学で二つの概念が矛盾または対立関係にあること)

会議のルール

 会議においても否定から入らないことをルールにしようという動きがあります。とはいっても最初だけ飾りのように否定はしないものの、すぐ否定に走る人がいます。できていないことを指摘する。そのような会議が重なると人は保身に走ります。
 文句を言われない、当たり障りのない話に終始する。会議は自分にお鉢が回ってこないこと、批判されない、自分の身を守ることが目的になってしまいます。
 それが無駄な会議、だらだらと結論の出ない会議、発言しない会議を生み、無駄な会議撲滅運動がおきます。会議が日本の生産性を低めている諸悪の根源のように言われ、どの会社も会議自体は減ってきているようです。
 しかし、会議ほどパワフルなツールはないとも言われます。
 多くの出席者がいるときでの発言は、自分のやりたいことを表明する絶好の機会です。会議での発言に感銘を受けることもあります。
 それは決して否定からではなく、仕事への向き合い方とか、あり方について上位者は語らなければならないのです。
 今この組織の中にいる人がどんな悩みを抱いているのか、仕事上で何に困っているのかを感じて、それらのことに対処する考え方を言葉にするのが上位者の役目です。
 そういう言葉を発している人に学び教えられました。

やりたいことの進展

 やりたいことをどう進展させるかも、同じようなことが言えます。否定、出来ないことから入らない。まず出来ていることは何で、足りないことは何、足りていないことをどのように出来るようにしていくのか、どのようにすればできるのか、進展させるにはどのようにすればいいのか。
 足りていないところを手分けしてやるようにする。自分にお鉢を廻す、自分の仕事に制約を設けない、相手が不得手なところを補う、自分が不得手なところを手伝ってもらう、自分が得意なことを積極的に手を挙げて行う。
 自ら(他人でなく私の)Next Actionを決める。これが協力して進めることです。
 

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