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成瀬くんに会いに

 本命は鳥取のきっかわ君だけど、遠距離なので、晴れた日には近場の成瀬くんに会いに行くことにしている。金沢のヤマトタケル君も遠距離だし、上野の西郷君はちょっとタイプじゃない。

 と、いうことで、全く暇じゃなけど、11月の小春日和な昼下がり、お出かけしたい気分だけど、ちょっと出発が遅い。友人に声をかけるのも突然すぎるけど、せっかくだから誰かに会いたい。そんなときに都合のいい彼氏は、いつでもノーアポOKでベンチで読書しながら待っててくれる、成瀬くんしかいない。そうだ!今すぐ成瀬くんに会いに行こう!

 桜並木の紅葉は終了していて、ついでに紅葉狩というわけにはいかなくなり、純粋に成瀬くん目的のサイクリングに出かけた。それほど近くもないが、ほどよく運動になって、余力を残して戻れる距離。川を越えて越境し、少し残っている紅葉を楽しみながら、成瀬くんのもとへ。

 ほどよく輪走したところで、交差点沿いのマンションの下のベンチで読書する、成瀬くんが見えてきた。
「成瀬くーん!」

感動の再会!

 「久しぶり!元気だった?」 成瀬くんは何も答えず、読書を続けているけど、歓待のオーラを発してくれている。それ十分。「ちょっと太った? ……そんなはずないけど……しばらく会わないうちにちょっと老けたよね」 失礼なことを言ってしまったけど、成瀬くんは怒らない。

「隣に座っていい?」 無言で読書を続ける成瀬くんの隣に座って、そっと手を重ねてみる。

ぎゅっ!
今日もローファー

 成瀬くんは無抵抗ですべてを受け入れてくれる。だから大好き!

あふれる知性!私好みの男子です。
ベンチの隣は私の指定席

「またね!」 次回は本を持って来て、隣で読書しよう。ブロンズの美青年、成瀬くんと一緒に。

漂う哀愁も魅力のブロンズ男子

 鳥取のきっかわ君も、金沢兼六園のヤマトタケル君も、上野の西郷君も高い所に立っているので、触れることも叶わない。「君」で呼ぶなんて畏れ多い方々がモデルなので。

畏れ多きブロンズ男子たち

 でも、成瀬くんなら、隣に並んで座ってもOK。いつでもどうぞ!と待っていてくれる。話しかけても、道ゆく人は奇異な目で見るけど、成瀬くん自身は静かに聞いてくれる。成瀬くん、大好き!

 今日これから、ぼーっとしてしまって何にも出来なかったとしても、素敵な一日として想い出に残るでしょう。成瀬くん、ありがとう!

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