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【陸上】初めての1人海外遠征 in AUS🇦🇺part1/2

 みなさん、海外の試合に挑戦してみませんか?「そんなこと言っても、海外で挑戦できるのは世界大会で決勝に残るか、オリンピックでメダルを取る選手だけ…」そう思っていませんか?実は、そんなことありません!世界トップレベルでなくても、海外挑戦は可能です。
 ただ、海外の試合に出場する方法は意外と簡単ですが、なかなか情報が公開されていません。そこで今回は、私が遠征を決めてから試合に出場するまでの過程を記録し、これから海外に挑戦しようと考えている日本の選手たちに参考にしてもらえたらと思います。✨

準備に必要なこと

オーストラリアにした理由

 2023年シーズンを振り返ると、病み上がりだったこともあり、期待したほどの成績を残せませんでした。このままでは、翌年のオリンピック選考会(グランプリや日本選手権)への出場が難しくなる状況です。特に、4-5月のGPでの成績がオリンピック出場の鍵を握っているため、2023年3月までには記録を出しておく必要があります。ただ、3月までの国内レースはほとんど開催されず、開催されても求めるレベルの試合に出会える可能性は低いため、海外のレースへの参加を検討しました。
 世界陸連(World Athletics, 以下WA)のホームページでは、世界中のレースにエントリーすることが可能だそうです(もちろん、試合レベルと選手の競技レベルはマッチしていないとダメだと思いますが)。その時私が設定した条件は以下の3点です。

1. 3月中旬以降に開催されること:これは、1〜3月上旬が仕事の繁忙期であり、抜け出せる見込みがなかったためです。陸上競技に関する特別な理由はありません。
2. 屋外での試合であること:屋外でのレースに慣れており、そこでより良い記録を出しやすいと考えたからです。インドア(ショートトラック)での経験がなく、インドアで良い記録を狙えるとは思っていませんでした。また、参加標準記録の多くが400mトラックの記録に基づいているため、屋内で走るメリットを感じませんでした。
3. レベルが目標タイムと一致すること:遅すぎる、または速すぎるレースでは希望する記録を出すことが難しいと考えました。そのため、優勝タイムが46秒台である試合を探しました。
 これらの条件を基に、自分にとって最適な海外レースを探すことにしました。

 2023年11月頃、WAのサイトで条件に合致する試合を探したところ、オーストラリア、南アフリカ、イスラエルの3カ国で開催される試合が見つかりました。皆さんも想像できると思いますが、この時点で選択肢は自然とオーストラリアに絞られました。イスラエルは論外、南アフリカも治安の面で選択から外しました。何よりも自分の安全が最優先ですから。
 オーストラリア内でもいくつかの試合がありましたが、最終的にNSW Athletic Championship(以下、NSW open)への参加を決めました。数週間後、WAのサイトを再び確認すると、世界各国からさらに多くの試合が追加されているのを見つけました。もう少し待ってから試合を選んでもよかったかもしれませんが、当時の私にはそれを知る術もありませんでした。逆に、選択肢が少なかったことで決断がしやすかったとも言えるでしょう。

エントリーに必要だったこと

 結論から言うと、ほとんど何も必要ありません。今回私が試合の申し込みをする際に必要だったものは、日本陸連の会員証と、エントリー費を支払うクレジットカードくらいでした。
 まず初めに、WAのサイトに掲載されていた各大会の連絡先へ、メールで連絡しました。海外遠征に慣れた知人の助けを借りて、自己紹介や自己ベスト、なぜその試合に出たいのかを伝えるメールを送りました。翌日にはすぐに返信があり、エントリーが年明けに始まるからその時にまた連絡してね、とのことでした。返信が早く「Welcome!」という返事ももらえたので、順調に事が運ぶと楽観視していました。
 しかし、年明けからは予期せぬトラブルが続きます。エントリーをしようとした矢先に、これまで毎回迅速だった返信が突然途絶えました。少し待っても、何度連絡しても、一向に返事が来ないのです。3〜4週間後、ようやく連絡がありましたが、今度はJAAFの英語版会員証が必要と言われました。英語版があるはずがないと思いつつ、陸連のサイトで見つけた日本語版の会員証をスクリーンショットで送り、ダメもとで「Googleレンズでなんとかして!」と伝えました。しかし、驚くことに、それが受理されたのです。スマホに向かって「それで大丈夫なのか?」とツッコミを入れたものの、この一連のやり取りは、今後の遠征出会うトラブルの序章に過ぎなかったのです。

逆に不要なもの

 JAAFの古いサイトには「海外で大会に出場するために」というページ(https://www.jaaf.or.jp/athlete/regist/overseaentry.html)がありますが、この手続きは不要でした。陸連の方に確認しても、今はこんなことしていないとのことでしたし、少なくとも2024年3月現在では、この手続きは踏まなくても記録は公認されました。(ややこしいのでこのページ消して欲しい!)
 ただ、今後手続きは変更になる可能性はありますので、その都度確認をお願いします。

オーストラリア🇦🇺到着〜前日まで

名前がない!

 日本の多くの試合と異なり、NSW openでは試合数日前までエントリーを受け付けていました。そのため、スタートリストの公開も試合直前となります。現地に到着し、試合3日前の刺激練習を終えた後にスマホを確認すると、大会事務局からエントリーリスト公開の通知メールが届いていました。しかし、リストを見てみると、私の名前がどこにもありません。冗談で「本当にエントリーできているのかな?」と話していましたが、まさか本当に名前がないとは(笑)

検索かけても自分の名前が見つからない・・・(笑)

どう対処したか

 サイトの読み込みが遅いため、Wi-Fiの環境の良いホテルに戻り、問い合わせフォームから自分の名前がリストにないこと、追加してほしいことを連絡しました。前日の入国審査では荷物をすべて開けられたり、ネットが繋がらなくなって迷子になったりというトラブルを経験していたので、名前がリストにないことに対しても意外と冷静でいられました。幸い、翌朝には連絡があり、無事エントリーリストに追加されました。こんな状況になっても不思議と焦りはなく、それどころか楽しんでいた自分に、自分でも驚いています。

翌朝にはすぐ返信がありました

準備しておくもの

 後で聞いたところによると、エントリーされていない時に備えて準備しておくものは、大会事務局とのやり取りを控えたものと、支払いの証明だそうです。幸いにも私は必要ありませんでしたが、それらを提示して名前を入れてもらうのだそう。英語の交渉に自信がない方でも大丈夫、熱意と証拠があればきっと、後からでも修正してもらえます。

続きは後編へ

 前編では試合を決めてからエントリーを完了させるまでを書いていきました。これで安心して試合に臨める、と言いたいところですが、ここからもまだまだ障壁が待ち構えていました。その様子は後編でお話ししていきます。
 また、現地の人たちとの、たくさんの新しい出会いがありました。その様子も書いて行こうと思います。それでは、また👋

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