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孫悟空は猿か? 人間か? サイヤ人か? 原作レイプ問題 ※鳥山明氏について追記あり

原作レイプという口に出すのも嫌な言葉があります。反面、よく表現できているとも思います。

みなさんは『西遊記』に出て来る「孫悟空」につて、どんなイメージを持っているでしょうか?
頭に緊箍児(キンコジ)という金色の輪っかを付けられ、如意棒(ニョイボウ)を持ち、觔斗雲(キントウン)に乗り、自身を「斉天大聖」と名乗った猿のキンシコウを思い浮かべますか?
この猿の弱点は緊箍児です。悪さをすると、三蔵法師が緊箍児をギュッと締め付けて、お仕置きをするんですね。

キンシコウ


それとも、鳥山明先生が書いた『ドラゴンボール』の孫悟空を思い浮かべますか? 鳥山先生の孫悟空は弱点が緊箍児ではなく、シッポになっています。シッポを握られると力が入らなくなるんです。これぞ改変ですね。そして觔斗雲を筋斗雲と表現しています。これも改変ですね。
一番の改変は、孫悟空をサイヤ人という異星人にしたことでしょう。おそらく後付け設定ですが。また、本来は男のお坊さんであるはずの三蔵法師を、エッチな女子のブルマに置き換えています。

ドラゴンボールより


1978年のドラマ『西遊記』では、堺正章氏が孫悟空を演じています。ほぼ人間です。いちおう猿ですが、見た目からしてもう人間です。と言うか堺正章です。さらに、三蔵法師を夏目雅子氏、つまり女性が演じています。
沙悟浄も川岸にいる化け物からカッパに改変されています。ちなみに沙悟浄は首に九つの髑髏をぶら下げているのですが、それはすべて三蔵法師の髑髏です。何と、沙悟浄は三蔵法師を「前世×9」回も殺めているのです。当然、こんな残酷な場面はテレビで描きません。
天竺への旅は実に、10回目なんですね。
猪八戒は「猪」と書かれていますが、これはイノシシではなくブタです。これは改変ではありません。猪はブタなんです。中国やベトナム、あるいは朝鮮半島などの干支において「猪」はブタを指すそうです。「亥年」をブタではなくイノシシとするのは日本だけです。猪八戒では改変がなされていませんが、干支で改変がなされているんですね。
ちなみに沙悟浄も猪八戒も天からやって来ました。つまり宇宙人みたいなものです。

1978年版『西遊記』


2006年のドラマ『西遊記』は、ほぼ1978年版を踏襲しているので特に言及は避けます。あえて言うと、孫悟空は香取慎吾氏が、三蔵法師は深津絵里氏が演じています。

2006年版『西遊記』


さて、アナタが思い描く孫悟空は、キンシコウという猿ですか? それとも堺正章氏ですか? 香取慎吾氏ですか? 鳥山明先生のサイヤ人ですか? 
三蔵法師は男のお坊さんですか? ブルマですか? 夏目雅子氏ですか? 深津絵里氏ですか? 

1978年版の『西遊記』は初めこそ、なぜ女が三蔵法師をやるのかという批判があったそうです。原作が台無しだという批判が。
しかし今はどうでしょう? 三蔵法師を男性だと思っている人の方が少ないのではないでしょうか?
時間が経ってみないとそれが原作レイプだとか原作を上回ったとか、わからないわけです。
実際のレイプも、時間が経って初めてレイプだって気づくケースが多いそうで。

ついでに言いますと、『ドラゴンボール』の元ネタは『西遊記』だけではなく、『南総里見八犬伝』はもちろんのこと、『燃えよドラゴン』をはじめとする『片腕カンフー対空とぶギロチン』などのカンフー映画が挙げられます。クンフーと言う人もいますね。
ブルース・リーの映画は、『ドラゴンボール』のみならず、『北斗の拳』なども元ネタにしています。もうケンシロウの見た目がブルース・リーです。
『片腕カンフー対空とぶギロチン』はカプコンのゲーム『ストリートファイター2』が元ネタとして使用しています。

原作レイプとは何か? もう一度考えてみたいですよね。


あら、本木雅弘版の西遊記を忘れちゃってました。


この記事を書いて数日後、鳥山明先生がお亡くなりになられました。残念で仕方ありません。


王ケイ

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