頼られるなんてなかった人生。
今日読んだ物語のコソ泥達のセリフ。
そんな奴らが悩みを解決していく。
相談に乗っている、
なんて微塵も感じないほどの乱暴な言葉、幼稚な言葉。
時には相談者を罵倒するほどの激しい言葉を使って。
でも、それは下を知っている人の言葉だと僕は思う。
僕はその下を知っているなんて言える立場の者ではないんだけれど。
心底思うけれど、足りていないことを知っている奴は強いんだと思う。
勝手にすればいい、なんて言っているのに手紙にはそれは間違っている、お前は甘えているなんて書く。
大体の相談なんて自分の決めた道を認めてほしいものだ、と、ひねくれている僕は思ってしまう。
それを考え直させるのは困難で、時には不可能なのにこの3人は真摯に向き合う。
それは、ナミヤ雑貨屋に爺さんがやっていたことを継ぐ様だった。
生き生きしているようにも思えた。
ただ、締めるのはやっぱりナミヤの爺さん。
誰が白紙の手紙の返事を書こうと思うんだ。
誰がその手紙の正解が分かるんだ。
誰が何も書いていないものと向き合えるんだ。
最期の手紙の正解があれでよかったなんて、誰もわからない。
それでもあの3人は思った道に行けるんじゃないかと思う。
良いか悪いかで人生は決められなくて、自分の思う道で進めることが幸せなんだと思えた作品だった。
「ナミヤ雑貨屋の奇蹟」 東野圭吾
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