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写ルンですから学ぶ「不便」の楽しさ

「写ルンです」について語りたいと思います。

「写ルンです」は1986年に発売された使い捨てフィルムカメラです。現在は、スタンダードタイプの「SIMPLE ACE」と水中撮影可能な水に強いタイプの「New Waterproof」の2種類展開となっています。世代によっては「懐かしい」と感じる方もいるのではないでしょうか。近年、Instagramでは #写ルンです  や #写ルンですのある生活  という#ハッシュタグが流行しており、写ルンですは国内外問わず高い人気を誇っています。


今回はスタンダードタイプの「SIMPLE ACE」にフォーカスします。
「SIMPLE ACE」は27枚撮り、フラッシュ内蔵のカメラです。

・一周まわって写ルンです

 私は高校・大学と写真部に所属しています。高校写真部時代は一眼レフで画質の綺麗さを追い求めていましたが、大学に入りフィルムカメラの奥深さに興味を持ち始めました。大学生になって初めは、動画を撮るためのミラーレスカメラを購入しました。最新の軽くて機能の良いものを買いましたが、値段が高く13人の諭吉が財布から出ていきました。次に、フィルムカメラをフリマアプリで購入しましたが、不良品でインテリアと化しました。そしてたどり着いたのが「写ルンです」でした。安価で、不良品もない。普通のカメラですが普通にすごいことだと思います。


・なぜ「写ルンです」がいいのか

1.とにかく簡単

 フィルムカメラというとシャッタースピードや絞りなど手間がかかるイメージがありますが、写ルンですにはその手間が全くないです。注意すべき点といえば、暗い場所での撮影でフラッシュを忘れないこと。これさえ忘れなければ誰でも簡単に撮影できます。電池の入れ替えもフィルムの出し入れも必要なく、撮り終わったらカメラ屋さんに持っていくだけなのです。

 親御さんでよく一眼レフを抱えて子どもを撮っているのをよく見かけますが、子どもがカメラをいじったり落としたりする危険がある上に重くて大きいので持ち運びに苦労することもあるかと思います。しかし、写ルンですだと軽くてコンパクトなため持ち運びにも問題がないし、いじられて設定変更される心配もありません。27枚と枚数が決まっているので子どもの写真を撮りすぎて後々データ処理に時間がかかることもないです。

 2.枚数が限られているため貴重性がある

 最近はスマホでフィルムカメラ風の加工が簡単にできるようになりました。しかし、それでも写ルンですを推したい理由はその「限定感」「有限性」です。1台につき27枚しか撮影できないことから、どの瞬間を切り取るか、何を撮るかを慎重に考えます。いつでも何枚でも撮れるスマートフォンと違って限りがあるからこそより一層写真と向き合うことができます。その瞬間はフィルムに焼き付くだけでなく、記憶にも焼き付きます。どんな時にシャッターを押したか、どこでその写真を撮ったかはずっと覚えているものです。この感覚はスマートフォンでもデジタルカメラでも味わえないものなのではないかと思います。

 3.わくわく感

 また、撮影後、現像するまで写真がどんな出来かわくわくした時間が流れます。もしあまり上手く撮れていなくてもそれを含めて思い出になり得るし、次はこうして撮ってみようこういうモノを撮ってみたいなと次のことを考えてわくわくしていたりします。


・結局は自然光がいちばん盛れる


 これは、写ルンですを使用する際のひとつのアドバイスです。いろんなカメラでいろんなものを、特に人物を撮影するときに感じました。写ルンですに限らず全ての撮影において言えることだと思いますが、特に簡易フィルムカメラである写ルンですにとって「光」は非常に重要です。屋内フラッシュ撮影も独特の「エモい」演出となりますが、屋内フラッシュで撮った写真全てが上手く撮れている確率は低いです。曇りの時ではなく快晴の日に撮影することがおすすめです。西日の強い夕方もまた良いシャッターチャンスだと思います。


・不便から生まれるわくわく


 写ルンですは他のカメラに比べて使い方が簡単で持ち運びやすいものの現像の手間がある上に27枚と一台で撮れる枚数が少ないです。フィルムカメラ風のフィルターを使ってスマホで撮影すればすぐ写真を見ることができ、無限に撮ることができます。そういう点ではある意味、フィルムカメラは「不便」なモノかもしれません。しかし、それ以上の楽しさがフィルムカメラにはあります。


写ルンですの不便さの中にある奥深さや魅力に触れることで、便利なものに溢れ、何でも時短、何でもデジタル化が進んでいる現代において不便なものやアナログなものが生活に与える豊かさを学んだ気がします。

便利になった今だからこそ不便なものを使うことの楽しさ、その趣に目を向けてみることをおススメします。


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