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演劇メディア「Audience」公式アカウント。“生きててよかった”と思えるような作品との出会いを。グランドミュージカルから小劇場作品まで幅広く、観客視点で丁寧に分かりやすくご紹介するwebメディア。noteでは劇作家・演出家・俳優の連載記事を公開します。

マガジン

  • 俳優・劇作家 天羽尚吾(連載全6本)

    ミュージカル『NOW LOADING』出演・演出を手がけた天羽尚吾さんの連載記事。 演劇と自分 演劇と劇団 演劇と観客 演劇と劇場 演劇と2023年 演劇と未来 をテーマに、2023年6月〜11月まで連載いただいた記事となります。

  • 脚本・演出家 藤井颯太郎(連載全6本)

    劇団「幻灯劇場」の脚本・演出家 藤井颯太郎さんの連載記事。 演劇と自分 演劇と劇団 演劇と観客 演劇と劇場 演劇と2023年 演劇と未来 をテーマに、2023年6月〜11月まで連載いただいた記事となります。

  • 脚本家 島川柊(連載全6本)

    オリジナルミュージカルを制作する劇団「東のボルゾイ」の脚本家・島川柊さんの連載記事。 演劇と自分 演劇と劇団 演劇と観客 演劇と劇場 演劇と2023年 演劇と未来 をテーマに、2023年6月〜11月まで連載いただいた記事となります。

最近の記事

小出恵介のブロードウェイ観劇日記 第十二回【CABARET at the KIT KAT CLUB】

オスカー俳優にとっての舞台  言わずと知れたボブフォッシー作ミュージカルCABARETー今回のリバイバルはロンドンを皮切りに今流行りのイマーシブ(没入型)演出として、既にロンドンの開幕から2年以上経っており、今最もホットなミュージカルで、この初夏より満を持しオスカー俳優エディレッドメインを主役に据え置きNYへ上陸してきたブロードウェイでも今最大の話題作である。 先日発表されたトニー賞でも10部門ほどノミネートと凄い煽りがあった。結果は同じセレブリティ作品の、ダニエルラドク

¥300
    • 小出恵介のブロードウェイ観劇日記 第十一回【Perfect Crime】

      ブロードウェイのカル・リップケン 1987年初演以来、17000時間をこの舞台上で過ごし、89人を銃で撃ち、57人とキスをした。83000発以上の銃の弾が発火され、5000杯の小道具のコーヒーを飲んだー というまさに舞台に於ける生ける伝説がいた。ニューヨークマガジン誌をして"a true newyork mystery"と言わせる彼女、キャサリンラッセルを50丁目のオフブロードウェイの劇場に文字通り拝みに行った。

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      • 小出恵介のブロードウェイ観劇日記 第十回【The night of the iguana】

        テネシーウィリアムズ、イグアナの夜  日本では上演されている記録はない。この度10aveの42stにある、オフブロードウェイの劇場が3つ入るお気に入りオシャレ建築に久しぶりに向かった。まずNYのシアターはとにかく汚い。そしてせばせばしい。しかし、ここthe Pershing square signature centerはとにかく広々としていて、NYでは至極珍しく綺麗。シアター体験というのはアカデミカルな経験であると思いたい人間としては非常に居心地が優れる空間なのである。 

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        • 小出恵介のブロードウェイ観劇日記 第九回【I love you so much I could die】日記

          I love you so much I could die ご存知の方も多いとは思うが、NYというのはシアターの街。ブロードウェイミュージカルだけに留まらず、ダンス、実験演劇、インスタレーション等、様々な先進的な舞台芸術を試みるアーティストで溢れかえっている。数えきれない学校やワークショップやセミナーなどもあり、とにかく"theater"と名のつくものを夢見る者たちにとっての聖地のような場所なのである。 さて、今回の演目、まさに上記のようなワークショップを経ての一般公開

          ¥300

        小出恵介のブロードウェイ観劇日記 第十二回【CABARET at the KIT KAT CLUB】

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        マガジン

        • 俳優・劇作家 天羽尚吾(連載全6本)
          6本
          ¥1,500
        • 脚本・演出家 藤井颯太郎(連載全6本)
          6本
          ¥1,500
        • 脚本家 島川柊(連載全6本)
          6本
          ¥1,500

        記事

          小出恵介のブロードウェイ観劇日記 第八回【モンティパイソン スパムアロット】

          湿度−100% !からりと晴れたイギリスナンセンスコメディの大傑作 イギリスのコメディ集団モンティパイソン。日本でも本演目は福田雄一氏演出のもと3度ほどコロナを跨いで上演されているが、ブロードウェイ版は2005年に初演するとその年の最優秀ミュージカルコメディ作品賞を受賞、以降Regionalを回ってのブロードウェイ凱旋公演といったタイミングだろうか。2023年11月より上演。ちなみに上演されたst James theaterはコロナ前にfrozenを上演していたキャパ170

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          小出恵介のブロードウェイ観劇日記 第八回【モンティパイソン スパムアロット】

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          小出恵介のブロードウェイ観劇日記 第七回【How to Dance in Ohio】

          舞台における"演者"の意味とは 2023年12月よりスタートし、現在最新作として上演されている新作ミュージカル。同名ドキュメンタリー映画が原作として存在している、自閉症というテーマに完全フォーカスした意欲作品。 舞台上には自閉症を演じる実際に自閉症を患う俳優の男女7人が物語の主要キャストとして、非自閉症俳優数名と共にこの2時間半の新しいチャレンジとなる作品を紡ぐ。  本編は、精神カウンセリングセンターの代表で臨床心理士のエミリオ・アミーゴ博士が、フォーマルパーティを開催

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          小出恵介のブロードウェイ観劇日記 第七回【How to Dance in Ohio】

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          小出恵介のブロードウェイ観劇日記 第六回【Shucked】

          ー噂のコーン野郎ー Shuckedは、Tootsieでトニー賞脚本賞を受賞した脚本家Robert Hornと、カントリーミュージックの聖地Nashville(テネシー州)出身で、合わせて3回のグラミー賞受賞歴(18回のノミネート歴)を誇る作曲家Brandy Clark & Shane McAnallyがタッグを組んだ新作ミュージカルで、Hairsprayでトニー賞演出家賞を受賞したJack O'Brienが演出を手掛けます。2023年3月8日から一ヶ月近くプレビューし、同4

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          小出恵介のブロードウェイ観劇日記 第六回【Shucked】

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          小出恵介のブロードウェイ観劇日記 第五回【ムーランルージュ】

          絢爛と愛のカタルシスー Truth ,Beauty ,Freedom ,Love 日本でも帝国劇場で今年初上演したが、ブロードウェイミュージカル版ムーランルージュは2019年6月28日よりプレビューが開幕しており、シャットダウン期間を跨いで現在もトニー賞10冠を始め、連日観光客からの大盛況をみせる目玉作品である。

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          小出恵介のブロードウェイ観劇日記 第五回【ムーランルージュ】

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          「しがみつきながら祈ってる」(俳優・演出家 天羽尚吾)

          こんな時に演劇をやっていいものだろうか。 「こんな時」は、いつもそばにあり、時に自ら耽り、時に他者から投げかけられる。 いまは「いいんだよ」と思っている。なにも僕は身体を機能維持させるためだけに生きているわけでは無いし、幾度も演劇は、生きる活力や考えるきっかけをくれた。もちろん同じだけ、もしくはそれ以上に傷つけられることもあったが、そのうえで僕はここにいる。 今回のテーマは「演劇と未来」半年間にわたって毎月演劇に思いを馳せる時間は、とても貴重だった。そして正直、震えていた。

          ¥300〜

          「しがみつきながら祈ってる」(俳優・演出家 天羽尚吾)

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          劇場で同じ時間を過ごすってスゴイ(俳優・演出家 天羽尚吾)

          先ほど、スーパーで買い物をしていたら警報音が鳴って、あらあら、こういった誤作動はよくありますものね。と思っていたら本当に泥棒がいて捕まっていた。ありがとう。警備員さん。ごめんなさい。平和ボケ。帰り道には落ち葉が散っていて、道端にはコスモス、レンガ造りの可愛いお家を過ぎて、僕の部屋の窓からは知らない鳥の鳴き声が聞こえる。はい。私、天羽尚吾、英国はロンドンにおります。シェイクスピアのお隣さんだ~! 端的に言えば武者修行だけれど、National Theatreを観るだけだったら

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          劇場で同じ時間を過ごすってスゴイ(俳優・演出家 天羽尚吾)

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          そちらのお席、千円です(俳優・演出家 天羽尚吾)

          人件費の次に主催者を八つ裂きにする存在、劇場費。 すみません、こんな語り口で。できうる限り人道的でスキルに見合った額をキャストやクリエイティブチームにお支払いしたいと願うと、どーんと構えるこやつの予算に「キーッ」となることがある。もちろん、劇場自体もたくさんの人の手によって作られて、運営されているんだけどさ。 付帯施設が別料金だったり、日によって料金が異なったり、特殊な割引があったりするので一概には並べられないが、1日当たりの利用料金はこんな目安だ。 ・東京国際フォーラムホ

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          そちらのお席、千円です(俳優・演出家 天羽尚吾)

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          観客という沿道の花々は如何に咲くのか(俳優・演出家 天羽尚吾)

          「リンゴを食べてはいけないと伝えなくちゃ」 保育園の先生たちが上演してくれたお遊戯会の演目に乱入してしまった過去がある。直ぐに制され、白雪姫は無事に仮死状態になったが、幼心に驚いた。目の前の人を救ってはならないのかと。なんと私は無力なのかと。 観客はどんなに心を動かされても物語に介入してはならないし、登場人物に話しかけてはならない。携帯も鳴らしてはならない。固唾を飲んで見守り、零れた笑いを咲かせたり、拍手を送ることしか許されていないのだ。観客は、理解者であり、群衆であり、

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          観客という沿道の花々は如何に咲くのか(俳優・演出家 天羽尚吾)

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          劇団ドリームに目を凝らす(俳優・劇作家 天羽尚吾)

          劇団に所属したことが無い。1回目の連載では「演劇人かどうか」を考える余白があったのに、今回はそれすらない。入団オーディションを受けて落ちたこともあるが、実は根本的に入れないだろうと思い込んでいる節すらもある。定期的に劇団公演に出ることができるメリットがあるとは言え「劇団員」になることによる運営に携わる責任や、役者や演出家として以外の業務をしなくてはならない可能性、そして看板を背負うことに怖気づいてしまう。羨ましさも伴いつつ。 一部の界隈を賑わせてた谷桃子バレエ団のYoutu

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          劇団ドリームに目を凝らす(俳優・劇作家 天羽尚吾)

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          演劇人コンプレックス。(俳優・演出家 天羽尚吾)

          演劇に携わっている。長い間。けれど「あなたは演劇人ですか?」と聞かれると、考え込んでしまう。 劇団に所属したことはない。小劇場に憧れて下北沢に住んだものの、下北沢の劇場に役者として立ったことは無い。どちらかというと”ショー・ビジネス”と呼ばれるような世界で生きてきたような気がする。だから、演劇って言葉はいつも少し遠い。いや、そろそろ僕は僕なりに演劇と関わり続けてきたんだと言えないと、今後この連載を自信を持って続けられないかもしれないし、軌跡を辿ってみよう。これまでのお話ってや

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          演劇人コンプレックス。(俳優・演出家 天羽尚吾)

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          先生に怒られてほしい話(脚本・演出家 藤井颯太郎)

          「私、いま劇場を作っているんです」ワークショップに参加してくれた高校生がこっそり教えてくれた。詳しく聞くと、高校の授業で建築デザインの課題があり、彼女は「劇場の設計」をテーマに選んだらしい。締め切りは明日で「劇作家が新しい劇場に求めるものはなにか」参考にしたくて僕に話してくれたそうな。「設計するだけなんで、なんでも好きに作れますよ!!」と言われ、新しい劇場についてしばし考えてみる。 百席規模の劇場なのに舞台機構が充実し過ぎている劇場なんかどうだろう。その劇場へ観劇に行くと物

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          先生に怒られてほしい話(脚本・演出家 藤井颯太郎)

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          “なにもしない”をしたい話(脚本・演出家 藤井颯太郎)

          2023年を全く覚えていない。 ゆっくり思い出しながら書き出してみようかな。劇団として名古屋で『隣人』兵庫で『DADA』新宿で『0番地』大阪で『鬱憤』を上演したり、1月から3月まで演劇ドキュメンタリー番組で音楽劇『鬱憤』の上演とメイキングが放送されたり、NHKの夜ドラにシナリオ提供したり、連載で『新世界の生活』『変心』等の小説を四本書いたり、オーケストラの演奏会四公演に演出家として関わったり、ホテルを一棟使用したイマーシブシアター『雨と花束』を作って三ヶ月弱のロングラン公演を

          ¥300〜

          “なにもしない”をしたい話(脚本・演出家 藤井颯太郎)

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