“なにもしない”をしたい話(脚本・演出家 藤井颯太郎)

2023年を全く覚えていない。 ゆっくり思い出しながら書き出してみようかな。劇団として名古屋で『隣人』兵庫で『DADA』新宿で『0番地』大阪で『鬱憤』を上演したり、1月から3月まで演劇ドキュメンタリー番組で音楽劇『鬱憤』の上演とメイキングが放送されたり、NHKの夜ドラにシナリオ提供したり、連載で『新世界の生活』『変心』等の小説を四本書いたり、オーケストラの演奏会四公演に演出家として関わったり、ホテルを一棟使用したイマーシブシアター『雨と花束』を作って三ヶ月弱のロングラン公演をしたり、来月には『再生』という作品を東京芸術劇場のシアターイーストで上演する。年内残り二ヶ月の間に、あと五作品を執筆or公開する予定らしい。かなり全力で走ってきたので、こうやって書き出して振り返ってみてもまだ実感が湧かない。

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