ゴー!ゴー!ヘブン!!
2016年10月11日。先日、予行練習をしていたこともあり、私は騙されることなくニューデリーの街を後にし、デリーのインディラ・ガンディー国際空港に無事到着した。
とりあえず、手持ちのお金をできる限りUSドルに両替する。シク教徒の空港職員が淡々と作業を進めている間、周りを見渡していると見覚えのある日本人の男の子の姿が見えた。(あの子見たときあるけど、どこで見た子だろう)そう考えていると両替は終わった。
残ったインドルピーを手に、買えるお菓子がないか近くの免税店を散策。後ろを振り向くと先ほどの日本人の男の子が両替コーナーに来て、彼が来た途端に両替コーナーが閉鎖した。(なんてタイミングの悪い。気の毒だ。そういえばあの子はサンタナの日本人宿で管理人をしていた子だ)とやっと記憶を取り戻す。
フライトの時間が来て、指定のゲートへ行く。そして飛行機に乗り込む。
いよいよインドとお別れだ。
すると、目の前をさっきの日本人の男の子が通過!(あの子も行先はキルギスなの!?)初めての中央アジア。不安もあったので1人でも日本人がいるのはとても心強い。
飛行機から降りる時に「おーい!デリーのサンタナで管理人してた?!」と聞くと「そうっす!」と気さくな子だった。喋りながら入国窓口に行き、お互い何を質問されるのかドキドキしていたが、私は「ビザ持ってる?」と聞かれ、「日本人だから持っていない」と答えて通過。彼が来るのを待っていると何とか通過してきたが「俺、イエローカード(黄熱の予防接種証明書)落としました。これから南米行くのにどうしよう」と言う。「えー!!」お互いドギマギし、バッグやポケットの中をもう1度確認してみるように言うが、落としたならきっと見つけるのは不可能。とりあえず、ATMで資金を下ろし、空港を出ることにした。
「うぉー空気がうめぇー」「わぁー気持ちいいー」
砂っぽくすぐに鼻毛が伸びそうな汚れた空気と暑さのインドから、高地・キルギスにきたバックパッカーは、"キルギスは天国"と例えるが、まさにその例え通りだった。2人して何度も深呼吸。
「ところで何処に泊まるか決めてる?」と聞くと、「俺、何にも調べてないんすけど、サクラっていうゲストハウスはいいって聞きました」とのこと。「私は"南旅館"っていうところに泊まろうと思ってるんだけど行く?」というと「あ、行きます、行きましょう」ということで、過去のバックパッカーのブログを元に"マルシュルートカ"という乗り合いバスで目的地へ向かう。そこからもう1本マルシュルートカを乗り継がなければいけないのだが、乗り場が見つけられない。近くにいた男の子に聞いてみるが、英語が通じない。
そう言えば、以前キルギスに行った子が言っていた。「中央アジアは全然英語が通じないから、簡単なロシア語は覚えて行った方がいいよ」と。私は(まぁーそれでも簡単な英語なら通じるでしょ)と思ってなめていたが、本当に全然通じないことをすぐに痛感した。
キルギスで必須となる「BUS.kg」というマルシュルートカの乗り場を調べるアプリは予めダウンロードしてきたのだが、このアプリの使い方は分かっておらず、地図上に書いてあるロシア語も読めない。
とりあえず、あたりを見渡して指定の番号のマルシュルートカを見つけ乗り込んだ。目印である「レストラン MANHATTAN」を発見し、マルシュルートカを降りて、分かりにくい目印を参考にやっと南旅館が入っている建物に辿り着いた。
扉の前で指定の番号を押す。「・・・・」応答がない。
扉の前で指定の番号を押す。「・・・・」応答がない。
誰もいないのか、しばらく待ってもう一度試すが応答がない。
すると、中にいた他の部屋の住人がドアを開けてくれた。
南旅館の前で、合言葉である「ツーリスト・日本人です」と言ったが、またまた無反応。しばらく待ってみたが、中に誰もいる気配がない。
時間は夕方。肌寒くなってきて、疲れてきた私たちは、南旅館を諦めて"さくらゲストハウス"に向かうことにした。しかし、マルシュルートカでどうやって行くのだろう。もう分からないのでタクシーを拾って向かうことにした。
辿り着いた"さくらゲストハウス"は、下調べよりもさらに価格が高騰しており長く滞在するとかなり費用がかさむことが予想されたが、渋々泊まることにした。価格に見合った超快適な宿だった。
そして、天国だと思っていたキルギスだが、着いた3日目から雪が降り出した。宿のオーナー曰く、この時期の雪は異例らしい。
灼熱のインドから天国・キルギスへ逃避できたかと思いきや、急激に寒くなり地獄に落ちたような気分だった。
「インドへ帰りたい」と何度も考えたが、せっかくここまで来たのに引き返す訳には行かなかった。
※2016年10月11日 キルギス入国
「Over30女子バックパックでアジア周遊」
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