見出し画像

名作ラジオCM_039

■松下電器産業/テクニクス
一打のドラマ

♩:テクニクス コンポーネント

M:(ドヴォルザーク「新世界」) BG〜

男:第4楽章が始まっている。
私の目の前の譜面には、64小節の第3拍から66小節目の頭まで、いとも単純           な音符が並んでいるだけだ。
 ドヴォルザークの新世界交響曲には、私のシンバルは、ただの、そう、ただの1回しか登場することはない。
 しかし、たった7拍のひとたたきに、この新世界のすべてがかかっていると、私は信じている。

心臓の鼓動を、広いコンサートホールの誰かに聞きとられてしまいそうな緊張感が、全身を襲う。

さあ、60小節目が近づいてきた。

シンバルの革ひもの手応えを確かめて、私は立ち上がる。
61小節、62,63・・・

SE:(シンバルの音) ジャーン!

N:たったひとつの音にも、ドラマがあります。
ひとつの音を、一人の楽団員のちょっとした心の動きを、テクニクスは正しく伝えたいと考えます。
原音には何ものも付け加えない。
原音から何ものも取り去らない。
テクニクスのめざす音は、あくまでも、ありのままの、すなおな音。
すなおな音は、楽団員の意気込みを、そのまま伝えてくれます。

M:〜END

SE:(拍手)

N:音楽の中に、ドラマを見つけてください。
  テクニクスは、ひとつひとつの音を、大切にします。

♩:テクニクス

_____________________________________

1980年 ACC広告年鑑 ラジオCM 全日本CM大賞

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?