遠藤あつこ(アツナリ)

このnoteは、リハビリ病院で働くアラフォー薬剤師のアツナリが、自分の学び直しのために作成しています。

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note はじめました

こんにちは リハビリ病院で働くアラフォー薬剤師の遠藤あつこ(アツナリ)です。 このノートは、私の日常業務の学び直しnoteです。基本的には以下の疾患の病態、薬剤、生活指導について学んだ事のアウトプット先として書きます。 noteの内容 脳血管疾患 整形外科領域 循環器内科 ワーキングマザーの日常 犬と植物と私など アウトプットの練習 さらに、若い子について行くためアウトプットの練習も兼ねています。 instagram用に画像を作る  ↓ noteに画像と解説用

    • 神経内科/整形外科でよく出会う

      1.はじめに 自己紹介と病院の概要 このnoteは2023年4月に看護師さん向けに薬理学の講義をした時の資料です。私は、薬剤師歴20年ほどのアツナリと申します。当院は神経内科と整形外科の80床ほどのリハビリ病院です。看護師さんは40歳以降のベテランが多く、定着率も急性期病院と比べると高いようです。とは言え、万年スタッフ不足の中、夜勤をこなす看護師さんは、心も身体も日々お疲れでしょう。そんないつもお世話になっている看護師さんに対して少しでも役に立てば良いと思い資料を作りました。

      • 併用禁忌の組み合わせBest5~薬局ヒヤリ・ハット事例集〜

         こんにちは! リハビリ病院勤務、アラフォー薬剤師のアツナリです。 10月も半ば。仕事からの帰り道はすっかり暗くなっているこの頃です。 今日は、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 第27回報告書より、併用禁忌の薬剤Top5をピックアップしました。調剤の時に気がつけますように! Best1  クラリスロマイシンとズボレキサント(ベルソムラ@錠) クラリスロマシン(クラリシッド@、クラリス@、ボノサップパック@)はCYP3A4を強力に阻害するため、CYP3A4で代謝される割

        • 慢性心不全における、トルバプタン(サムスカ@)の使い方

          トルバプタン(サムスカ@)の使用のポイント ・ループ利尿薬やサイアザイド系利尿薬を使っても反応が悪い、体液貯留のコントロールが難しい難治性の心不全に対して、浮腫改善の目的で使用されます。(心不全患者の体液管理には有効だけど、生命予後の改善には効果無し) ・電解質排泄の増加を伴わない、水の排泄のため、底ナトリウム血症に有効。(但し、急速な利尿に伴う血清Na値の上昇に注意が必要。電解質のモニタリングは必須!) ・投与前の血清Na値が145m Eq/L未満の場合は他の利尿薬と

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          イバブラジン(コララン@)の使い方 〜慢性心不全の薬〜

          イバブラジン(コララン@)ってどんな薬? 慢性心不全に対して、洞調律かつ投与開始時の安静時心拍数が75回/分に使える薬です。ポイントとしては、 心収縮には影響を与えずに、心拍数を低下させる。 洞調律の患者のみに効果を発する。 洞結節細胞の自動能形成に関与するHCNチャネルを阻害する。となります。 イバブラジン(コララン@)の使い方 イバブラジン(コララン@錠)の使い方 【用法・用量】 開始 2.5mg/回(1日2回 食後) ↓ 目標とする安静時心拍数が維持できるよ

          イバブラジン(コララン@)の使い方 〜慢性心不全の薬〜

          HFrEFの薬物治療 β遮断薬の使い方

          拡張型心筋症(LVEF<40%)に伴うβ遮断薬の使い方法 なぜβ遮断薬が使われるの? 生命予後改善の理由 A.交感神経系を抑制するため。心筋リモデリングを抑制することで、心血管系イベントの抑制につながるため。  HFrEFでは、生命予後を改善するためにACE阻害薬またはARB+β遮断薬を心不全早期より(禁忌がない限り)投入する。β遮断薬は下記の理由で生命予後改善すると言われている。 慢性心不全に適応があるβ遮断薬① カルベジロール 慢性心不全に適応があるβ遮断薬は2種

          HFrEFの薬物治療 β遮断薬の使い方

          HRrEFの薬物治療~ARBの使い方~

          慢性心不全に適応のあるARB カンデサルタン(ブロプレス@)のみです。 4mg/回 1日1回 最大用量12mg/日まで投与可能です。 【使用方法】 HFrEFの予後改善のため、通常用量から開始し、血圧と腎血流量を確認しながら増量します。 HFrEFにおいて、ACE阻害薬とARBはどちらを優先すべき?  答えはACE阻害薬です。ACE阻害薬の空咳など、副作用があり服薬できない場合はARBを服薬します。 ARBの使用上の注意点  基本的にはACE阻害薬と同じです。 ・過

          HRrEFの薬物治療~ARBの使い方~

          HFrEFの薬物治療 ACE阻害薬の使い方

          Q.ACE阻害薬はHFrEFにおいて、どうして第一選択薬になるの? A.心不全の予後改善につながるからです。  アンジオテンシンⅡは昇圧作用だけでなく、心筋の肥大化や繊維化にも寄与します。アンジオテンシンⅡの生成を抑制するACE阻害薬は、HFrEFの第一選択薬として心不全の予後改善のために積極的に使います。 Q.どうして、心筋の肥大化や繊維化を抑制できるの? A.心臓組織局所のRAS活性抑制に加えて、循環RAS抑制に効果があるからです。これにより、末梢血管低下に伴う後負荷

          HFrEFの薬物治療 ACE阻害薬の使い方

          HFrEF(LVEF40%未満)の薬物療法

          慢性心不全の治療  心不全ステージにおいて、循環機能を補うために、交感神経とレニン・アンギオテンシン・アルドステロン系(RAA)の賦活化が起きます。これにより、進行性の左室拡大と収縮性の低下;リモデリングが進みます。  心不全の治療では、交感神経系とRAA系を抑制することにより、左室リモデリングを抑制し、心不全の予後改善を目的とします。 HFrEFの薬物治療【基本】  HFrEF(LVEF40%以下の左室収縮機能障害が主体の心不全)の薬物治療では、ACE阻害薬またはAR

          HFrEF(LVEF40%未満)の薬物療法

          慢性心不全の治療~ステージを学ぶ~

          心不全とそのリスク進展ステージ  急性心不全の多くが慢性心不全の急性増悪であり、急性期から慢性期までシームレスな治療継続が必要であることから、2017年より急性・慢性心不全治療ガイドラインとして統合された。 慢性期の治療目標  心不全が症候性となったステージCでの目標は、急性増悪の予防と生命予後の改善である。現在の症状の軽減と血行動態の安定化、そして心不全急性増悪を繰り返さないための原因疾患への介入と長期予後を見据えた薬物治療が基本となる。 慢性心不全の薬物治療 慢

          慢性心不全の治療~ステージを学ぶ~

          左心不全と右心不全 疾患の復習~心不全

          左心不全 心不全の原因が左心の機能低下による場合を左心不全といいます。 左心不全では、左心機能の低下により①左心拍出量の低下と②肺うっ血を生じます。 ①左心拍出量の低下 大動脈への心拍出量が低下することで、循環血液量が低下します。 ②肺うっ血 左心室に戻れない血液が肺に溜まり(肺うっ血)、肺に水が溜まった状態(肺水腫)となる。 左心不全の症状 ①左心拍出量の低下 大動脈への心拍出量が低下することで、意識障害(脳虚血)、冷や汗、低血圧、四肢チアノーゼ、動悸、乏尿(腎虚血)

          左心不全と右心不全 疾患の復習~心不全

          前負荷と後負荷 疾患の復習〜心不全〜

          前負荷 体液量や循環血漿量増加などにより、心臓に戻ってくる血液量(静脈環流量)が増加すると、前負荷が増大します。 前負荷が増大すると心拍出量が増大し、心臓に負荷がかかります。 後負荷 動脈硬化などにより抹消血管抵抗が拡大すると、後負荷が増大します。 前負荷の増大が慢性化すると・・心臓が拡大し(心拡大)、十分に収縮できなくなり、心拍出量が低下します。 後負荷の増大が慢性化すると・・ 心臓が肥大し(心肥大)、十分に拡張できなくなり、心拍出量が低下します。

          前負荷と後負荷 疾患の復習〜心不全〜