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Study86_10【レシピ】サクッとジューシーな「ひらきなめこの唐揚げ」のつくりかた

この記事は、《自然にやさしく 環境負荷の小さい農業の普及を目指し、野菜セットの定期宅配をはじめとした様々な取り組みを行う会社「坂ノ途中」》が取り扱う野菜から1つをピックアップし「一番おいしい食べ方」を探究していく記事です。野菜Laboの田野実も4年ほど前に一度畑にお邪魔したことがあり、野菜のおいしさ、畑の気持ちよさ、そこで働く方々の想いや姿に触れて、坂ノ途中を応援することで「この世界が気持ち良いものに近づきそうだぞ」という気持ちをずっと持っていました。坂ノ途中が取り扱う野菜の「おいしさの本質」が多くの人に届いていけばいいなと願っています。

今回の実験について坂ノ途中公式アカウントでも取り上げて頂きました。

公式オンラインショップでもご紹介頂いています*

9回の下調べと実験を経てやっとレシピが完成しました!

このレシピが完成するまでの「ひらきなめこ」の実験記事はこちらから
Study86_1.下調べ編
Study86_2.下処理・洗い方のコツはある?編
Study86_3.下処理・洗い方のコツはある?編2
Study86_4.加熱速度でおいしさは変わる?編
Study86_5.揚げる時の衣は何つける?編
Study86_6.揚げる時の衣は何つける?編2
Study86_7.揚げる時の衣は何つける?編3
Study86_8.生と冷凍どっちがいい?編
Study86_9.揚げる温度と時間は?編

早速ですが、完成したレシピはこちら!

▶︎Recipe
サクッとした衣と
ジューシーさの両立した
ひらきなめこの唐揚げ

材料

ひらきなめこ:1袋(約150g)
しょうゆ:小さじ2
塩:ひとつまみ
米粉:大さじ5
米油:適量
レモン:1/4 ※お好み

つくりかた(調理時間30分)

1、ひらきなめこをボウルに入れ、しょうゆ・塩と混ぜ合わせる。

2、米粉を入れた別のボウルに(1)を入れ、ボウルを振りながら米粉をよくまぶす。 

3、指先に水をつけ(2)のボウルに水をまぶしながらボウルを振り、衣にダマ(凹凸)をつける。

4、鍋に米油(ひらきなめこが被る程度)を180-190℃に温め、(3)を1つずつ入れ30秒程度揚げる。
5.、お皿にもり、お好みでレモンを添える。

▶︎point1
衣にダマをつくって食感よく仕上げる

・衣にダマをつくることで、そのダマ(凹凸)が食感のよさに繋がります。
・ひらきなめこに米粉を絡めるときは、カサの裏までしっかりと絡めること!ひらきなめこの水分を逃さずジューシーさを保ってくれます。

▶︎point2
少し高い温度で短時間揚げることでジュージーさを保つ

・揚げる時間が長いほどひらきなめこ自体の水分が蒸発していきます。短時間で衣だけをカリッと仕上げて引き上げます。温度が高いことで油切れもよくなります。
・180-190℃の確かめ方は、余った米粉を同量の水で溶いたものを箸の先端から垂らしたとき、すぐにジュワッと音を立てて浮かんでくるのが目安です。

レシピ作成の裏話

衣の種類
「米粉」「片栗粉」「大豆粉」
どれも捨てがたかった…

今回の唐揚げの候補になった食材の中で「米粉」以外で最後まで迷ったのが「大豆粉」「片栗粉」でした。実験の後半まで本命として使い続けてきた「大豆粉」は最後選ぶことができず本当に残念でした。ゴリゴリした食感と独特の香ばしい風味が一般的な衣とは全く違うためとても好きだったのですが、商品によってブレがあったためレシピとして選抜することを断念しました。探して使ってみたいという方のために紹介しておくと、「豆乳粉」という名前で、且つ”豆乳や豆腐がつくれる”タイプのものを選んでみてください。ひらきなめこ以外にも色んな揚げ物の衣として使っていけると思います*「片栗粉」は手に入れやすく、むしろ一番食感がよくなったのでより迷ったのですが、今回衣に水を含ませダマ(凸凹)をつくる工程で失敗する可能性が高そうだぞ、ということが分かってきました。水を含むと塊になりやすく想定以上に厚い衣になってしまうことがあるためです。水をつけずに薄く衣づけする場合は一番食感が出やすくもあるので、「米粉」の代わりに使っても十分においしく仕上がります*

忘れられない昔の恋人のように頭の片隅に残りつづけた
冷凍なめこの汁のおいしさ

前半の実験で分かってきたのは、ひらきなめこを「冷凍」すると格段に旨味が感じられるようになるということです!圧倒的なおいしさに嬉しくなったのですが、後半の実験で、揚げ物にしてしまうと「油はねが激しくなる」ことと「揚げてしまうと旨味の差が分からなくなる」ということが分かってきてしまい、最後は結局「生のまま」使う、というレシピに落ち着きました。このおいしさは一般的ななめこではそう味わえないので、ぜひ汁物で試して頂きたいです。あまりにおいしかったので、このおいしさを保ちたい…とずっと頭の片隅に残りつづけました。それはまるでいつまでも忘れられすにいる昔の恋人のように…笑  

ポイントは「冷凍したものを水から加熱し、沸騰後の加熱時間は3分程度にとどめて煮込みすぎない」ということです。これだけ守れば出汁が滲み出たおいしいスープになるはずです。また、感じて欲しいのは旨味だけではなく肉厚なカサの食感です。冷凍してから煮込みにするとこのカサの食感が本当においしく噛むとさらに旨味が感じられます。今回はあくまでも唐揚げレシピの作成が目標だったのですが、汁物もぜひ試して欲しいです。

左:一般的ななめこ 右:ひらきなめこ

今回テーマとなったひらきなめこ。こんなにも旨味が強く肉厚で食感もおいしいなめこに出会えたことを本当にうれしく思います。これからも沢山の方がひらきなめこのおいしさに目を見開くことでしょう…!今回の機会をくださった坂ノ途中さん、本当にありがとうございました*では、また次の野菜実験でお会いしましょう。

このレシピが完成するまでの「ひらきなめこ」の実験記事はこちらから
Study86_1.下調べ編
Study86_2.下処理・洗い方のコツはある?編
Study86_3.下処理・洗い方のコツはある?編2
Study86_4.加熱速度でおいしさは変わる?編
Study86_5.揚げる時の衣は何つける?編
Study86_6.揚げる時の衣は何つける?編2
Study86_7.揚げる時の衣は何つける?編3
Study86_8.生と冷凍どっちがいい?編
Study86_9.揚げる温度と時間は?編

「ひらきなめこ」について詳しく知りたい、購入したい、という方は坂ノ途中のHPからどうぞ*



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