Study86_9.旨味を最大限に引き出した「ひらきなめこ」の唐揚げをつくるには(揚げる温度と時間は?編)
これまでに行った「ひらきなめこ」の実験記事はこちらから
Study86_1.下調べ編
Study86_2.下処理・洗い方のコツはある?編
Study86_3.下処理・洗い方のコツはある?編2
Study86_4.加熱速度でおいしさは変わる?編
Study86_5.揚げる時の衣は何つける?編
Study86_6.揚げる時の衣は何つける?編2
Study86_7.揚げる時の衣は何つける?編3
Study86_8.生と冷凍どっちがいい?編
いよいよ仕上げの実験にとりかかります。前回からの学びはこちら。
これを踏まえて、今回は揚げる「温度」と「時間」による変化を比較していきます。目指すのは、ひらきなめこの水分を最大限残しつつ、カリッとした衣の唐揚げを作ることです。
今回からひらきなめこは「生」の状態に統一します。用意した条件はこちら。
使う衣は全て「大豆粉・米粉」で衣のつけ方は前回と同じです。油から引き上げる時間は、端で触った感覚で衣がしっかり硬くなったと判断したタイミングとしています。衣をまぶした状態のものがこちら。
揚げたものがこちらです。
短時間で済ませるほどジューシーさが増す?
今回から、サイズの大きさごとの食感やジューシーさを確かめるため3サイズ用意しました。大きなひらきなめこほど肉厚でジューシーな存在感を感じます。
衣はどれもカラッと上がっていておいしいのですが、揚げ時間が長いほど中身の水分が抜けてしまっていました。高温になるほど水分が残りジューシーです。もう少し短時間で済ませばよりジューシーさが残せるのではないかと考え、衣も変えながら揚げ時間を短くしていくことにしました。
30秒まで短くなりましたが、衣もしっかりサクッとした食感になっています。そして、中身のジューシーさもより多く保たれているように感じます。
揚げ方は、高温で30秒程度が目安!
中身のジューシーさと衣のサクッと感を両立させるには、高温で30秒程度がよい、という結論となりました。高温がよい、という結果になったのでなおさら、前回結論づけた油はねしにくい「生」の状態で揚げた方がよさそうです。
衣は好みだけど、今回は「米粉」に決定!
衣の決定は困難を極めました…最後まで迷いに迷って何度も試してきた衣の種類ですが、今回は「米粉」に決定したいと思います。理由は3つ
それぞれ解説していきます。
1、サクッと仕上がり食感も良くなる
食感がよく仕上がり好きだった衣は「米粉」「片栗粉」「大豆粉・米粉」でした。それぞれのよさがあり、「米粉」はサクッと軽い食感でありながらある程度の存在感のある衣に、「片栗粉」は一番存在感のある食感がよい衣に、「大豆粉・米粉」は独特のゴリゴリした食感が生まれて風味も良く好みな仕上がりになりました。本当にどれも捨てがたいのですが、レシピにするには一つに絞らないといけないので苦しみました…
2、失敗しにくい
衣のつけやすさでいうと、個人的には「片栗粉」は薄さの加減が難しいなと感じました。うっかり厚く衣をつけてしまうと、その部分がカラッと揚がり切らないまま仕上がってしまうか、逆にカラッとさせようとして中身の水分がなくなってしまう可能性があると感じたからです。このことから、衣のつけやすさの面から選ぶと「米粉」「大豆粉・米粉」の方がいいのでは、と判断しました。もちろん「片栗粉」の食感のよさは捨てきれないので、ぜひ試して見てほしい食材に変わりはありません!
3、手に入れやすい
ここまで記事を読んでくれた方の中には「大豆粉」ってなに?と思っている方もいらっしゃるのではないかと思います。私もここ1年ほどで知った食材なので無理もありません。スーパーで売ってはいるのですが、「大豆粉」時に「豆乳粉」と呼ばれ、基本的には加熱が必要で、大豆を丸ごと粉にしたものから皮だけ剥いて粉にしたものなど様々な種類が同じような商品名で売られています。私の手元にあったもので実験を行っていたのですが、スーパーで手に入る別の商品でも再現できるか試したところ、少し違う仕上がりとなってしまいました。もし同じような商品が手に入れられそうであればぜひ試して欲しいのですが、1人でも多くの方が「試そう!」と思えるように、と考えると選択肢から外さざるを得ませんでした…大変残念です。(ちなみにおいしくできたものは溶かして煮込めば豆乳や豆腐がつくれるタイプのものでした。)
これらのことから、今回レシピに選ぶの「米粉」といたしました!次回記事で詳しくまとめたレシピを共有します。次回もお楽しみに*
「ひらきなめこ」について詳しく知りたい、購入したい、という方は坂ノ途中のHPからどうぞ*
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