子どもの想像力を高める「◯◯」、留学/移住コーディネーターと学ぶこれからの教育(PEN在住長塚香里さん)
世界は広い!
親子留学ってすごく響きが良いですね。
僕も行ってみたいし、子どもと一緒に留学したいって思っています。
そうはいうものの、なかなかどうして実行するのは難しい。
お金であったり、仕事であったり、語学力であったり、まぁ理由は様々ですが・・・、一番の理由はどうやって「すればいいか」わからないってことだと思うんですよね。
思うに、僕も含めてやりたいと思っている人の多くは、いきなり移住とか考えちゃうからだと思うんです。
いきなり知らない土地で、生活できるかどうかすらわからないのに、子どもを現地の学校に通わせるとか、無理ゲーです。
そんな時に助けてくれるのが長塚香里さん(以下、マンゴーさん)のような留学/移住コーディネーターです。
マンゴーさんのお話を聞いて、親子留学がグッと身近になること間違いなしです!
第3回目も日本在住子育て中のLindaさんと私ATSUSHIが、お話を伺いながら「なるほど!」連発の子育てザ・ワールド、どうぞお付き合いください。
ペナン在住長塚香里さんのご紹介
第3回目(8月22日(土))ゲストは、長塚香里さん。
マレーシア・ペナン島在住9年目の留学/移住コーディネーターで長女(18)と長男(12)二児の母。
実子二人の日英中トライリンガル教育経験を生かした「リアルで実践的なアドバイス」と「親子共に海外で自立するためのサポート」をペナンから提供中。
10歳でマレーシアへ渡った長女(18)は、インター校から中華学校を経て現在国立台灣大学に在学中。
3歳でマレーシアへ渡った長男(12)はインター校を経て中華学校に在学中。
日本では、外資系IT企業と日系商社での役員秘書を経て、生花店とアンティーク着物店の経営に携わる。
幼少期にみたテレビ番組「兼高かおる世界の旅」で異文化への憧れを抱き、訪れた国は世界33ヵ国。机上の学習と本物の歴史を連動させるべく、子連れでもこれまで12ヵ国へ。
これまでの経験を次世代の親子へ引き継ぎたいという思いから、noteでオンラインコミュニティ「BEYOND Education-旅と学びの実験室(たびまな)」を始動。趣味は遺跡巡りの旅とキックボクシング。
家族のカタチって様々!
まず驚くのは、マンゴーさんの家族が今3拠点に点在しているという点です。
もともと、留学したのはマンゴーさんとお子さん達だけ。
パパは日本に留まっていたそうです。
今のご時世、「ワンオペやん!?」ってツッコミが入りそうですが、それも家族で話し合った結果の選択。
ついつい、「家族は一緒にいるもの」とか「同じ環境のもとで子どもに手をかけるべき」とか「夫婦で一緒に」とかって考えてしまいがちですが、家族のカタチは家族の数だけあってもいいはず。
そういう当たり前から思考を抜け出すことが、すごく大事なんだなと冒頭から脳天撃ち抜かれました。
ただ、そういう選択ができるのも、マレーシアと日本の距離の近さがあるといいます。
時差がない(マレーシアと日本の時差はたった1時間!)ので、国内での単身赴任と大きくは変わらない?なんていう感想すら出てきそうです。
そして、今、娘さんは台湾に一人暮らしをしていて、長塚家は3拠点に。
家族のカタチはどんどん変化していく中で、固定的な考えは選択肢を奪っていくことにつながるのかもしれません。
親子留学のきっかけは3.11
あの頃、先がよめなくて子ども達が大人になったとき、日本はどうなっているのだろうかと・・・。(コロナウイルスによるパンデミックはあの頃と似ている)
そういう不安から、子ども達に自分で考え、自立して生きていく力を身につけてもらわないと。
これが、子ども達を海外に出そうとしたきっかけなんだそうです。
皆さんも同じような思いを持つことってありますよね?
原点というのは案外みんな似ているような気がしますね。
世界中を探して決めたのがマレーシア!
マンゴーさんご自身も旅が好きで、いろんな国を見て回られたそうです。
まさに世界中を探し回って選んだ理由が以下の5つ。
(1)距離が近い
日本とマレーシアは時差が1時間。
距離も5200kmで飛行時間も7時間ほど。
この距離の近さは、別々に暮らす家族がコミュニケーションを取るためにとても大事なことですね。
(2)リーズナブル
物価が日本の1/3・・・というのは流石に昔の話。
それでも日本より安いのは確かで、現地のインターナショナルスクールに通わせるのも日本の私立に通わせるくらいで住むのだとか。
(3)多民族が交わる国
いろんな人種がいて、多様性を学ぶことができる。
(4)英語が通じる
子どもを育てながら、英語以外の知らない言語を一から学ぶのは大変だなぁと思う中で、英語が通じるというのはとても大きい。
(5)英語以外を学ぶことができる
(4)がある上で、新たな言語(マレー語や中国語)を学ぶチャンスがある。
わかりやすっ!!
他にもいろんないい国はあるだろうけど、マレーシアで得たものはとても大きかったそうです。
いかに子どもを乗り気にさせるか?
Linda)
とはいえ海外に移住するのって、行きたいと思うことと、一歩踏み出すのは結構違うと思っていて、葛藤とか不安はなかった?
マンゴーさん)
えっとねぇ・・・なかったですね笑
子どものことを考えたら絶対出た方がいいと思ってたんですよ。
震災の後、子ども達の体調が悪かったこともあって、出ることに迷いはなかったんですよね。
行こうと思ったら、航空券買っちゃえば行けるわけで笑
要は親の気持ちの問題かな〜。
あと、子どもの気持ちも大事で、行くにあたって子どもにプレゼンしました。
下の子は当時3歳だったので、「毎日プールに入れるよ〜」っていいことばっかり言ってました。
Linda)
確かに、マレーシアは本当に毎日入れるよね笑
マンゴー)
上の子は当時小学4年生だったので、日本に残ったときのメリットデメリット、マレーシアに行ったときのメリットデメリットの両方を伝えました。
学校に行って学ぶのは本人だから、本人が腹落ちしていないと、どこかで無理が出てくると思うので。
とはいえ!私は絶対に行った方がいいと思うから多少誘導はしますよ笑
Linda)
娘ちゃんも(あぁ、行くんだろうって)わかってただろうなぁ。
マンゴー)
それはしょうがないですよね笑
子育てって多かれ少なかれ親の思想が入ってしまうし、親の仕事はいかに子どもを乗り気にさせるかかなぁと。
一応、デメリットというか、大変なところをきちんと話して「ママも一緒に頑張るから!」って伝えれば、いきなりデメリットにぶつかることはなくなるかなぁ。
ATSUSHI)
お子さん、納得感ってありました?
マンゴーさん)
ありましたね。
話を聞いて「うん、なんかいいかも、行きたい!」って感じになりました。
その前にも旅行でいろんな国に行ってたことは大きかったかも。
その旅行での生活が日常になるんだよっていうことをイメージして、日本の友達も繋がりながらマレーシアでも友達ができて、英語ができたら世界中に友達が増えるし。
そんなことを娘もイメージしていいかもって思ったようです。
Linda)
想像ができたってすごく大きい!
「こういう感じかな」というのがあるのとないのとではえらい違いだなぁ。
多くの人が気になってると思うんだけど、「いざ行くぞ!」っていうまでにいつくらいからどんな国に行ったらいい?
マンゴーさん)
特に移住を意識していたわけじゃないけど、2〜3歳くらいからハワイとかフィジーとかタイとか、年に1〜2回くらい行ってました。
その時に、「フロントに鍵ちょうだいって言ってきて」とか、そういうことにトライさせたりはしていましたね。
そういう経験の積み重ねは、年齢によることはなくて、すこーしずつ、ほんのちょっとでいいから想像するための経験というのが大事なんですね!
なんで海外の教育を受けさせようと思ったの?
海外で子育てするって、すごくいいこと!っていうのはなんとなく感じるんですが、何が?どういいの?ってしっかり説明するのは案外難しいですよね?
ATSUSHI)
マンゴーさん、海外の教育を受けさせたいって確信しておられるように感じたんですが、それってなぜですか?
マンゴーさん)
海外の教育を受けさせたいと思ってはいたけど、日本の教育がダメだと思っていなくて。
当時、子どもは日本の公立学校に通っていたけど、全く不満はなかったんですよね。
ただ、世界のどこでも生きていける力を付けるには、英語プラスαが絶対に必要だと思っていて、日本の学校では身につくのに時間がかかるし、英語で勉強ができる海外がいいなと。
Linda)
確かに、英語は日本でも最近はいろんなツールがあるけど、多様性はちょっとね。
少し前にマンゴーさんが書いていた「知らないから偏見を持つ」ってあって。
本当の意味での共感は知らないとできなくて、偏見っていうのは知らないから生まれるっていうね。
それって本当にそうだなって。
マレーシアの大学に通っている長男も同じことを言っていて。
アメリカの人種問題とか分断の問題について、日本人の友達の反応と、アメリカ・マレーシアの友達の反応が、同じ18歳19歳の人でも全然違うんだって。
それは、日本人が悪いんじゃなくて、ただ知らないだけだって。
やっぱり、いろんなことに触れさせるっていうのはなるほどなぁと。
マンゴーさん)
もちろん経験していなくても想像できることもあるけど、経験していないがゆえに気づきもしないっていうこともあると思うんですよね。
そういう多様な経験を子どもたちにさせてあげたい。
英語をしっかり身につけさせてあげたい。
それをマンゴーさん自身が海外を回って経験をする中で感じられたことなんだなぁと思って聞いていました。
物がなくなる小学校?
マンゴーさん)
転校して初日から友達ができていましたね。
マレーシアって中華系、マレー系、インド系の人種がいて、さらに駐在とか様々な外国人がいるので、転校生をまわりが放っていかないんですよね。
Linda)
アメリカで、長男は友達ができるのに2〜3ヶ月くらいかかったなぁ。
それで毎日泣いてた。
マンゴーさん)
アジア人が多かったからそこまで疎外感はなかったかも。
Linda)
そんな中で挫折したこととかってあった?
マンゴーさん)
ありましたよ〜、特に最初の一年はいろいろ!
英語も少しずつは上達していたけど、自分の思っていることを言葉にするには時間がかかるので、例えば学校で「あなたがやったんでしょう!?」って濡れ衣を着せられたりすることもあって。
あとはねぇ・・・物がなくなる!
日本の文房具は可愛いから、学校に持っていくと「貸して」って言われて返ってこないとか。
休み時間に勝手にカバンを開けられて「借りたから」って言われたりとか。
とにかくそれが嫌で、「嫌だ」って言ってるけどやめてくれないの。
これは悪気があるわけじゃなくて、カルチャーの違いだから言ったり説得したりするよりも、物理的に取れなくした方が早いなと思って、最後はカバンに南京錠をつけましたね。
そしたら解決しましたけど。
ATSUSHI)
それは取れなくなるわ!笑
Linda)
悪気があるわけじゃないんだよね、そういうの。
マンゴーさん)
そうそう!あとは、落ちてたのを拾ったから私のもの、とか言われたこともありましたね。
ただ、そういうのも低い学年ほどそういうことがあって、学年が上がっていくとなくなりはしましたけど、そういうカルチャーの違いは結構ショックでしたね。
Linda)
そういうのって・・・あるあるだよね。
マンゴーさん)
そうね、もうしょうがないっていう感じ。
ATSUSHI)
しょうがないに至るには結構時間かかりそうですけどね。
慣れるかなぁ。
Linda)
結局、怒るのって相手への期待値が高いから怒るんだよね。
自分がそうなんだから当然相手もそうだろうっていう、押しつけ的なね。
それを徹底的に無視されちゃうとしょうがないねってなるかな。
ATSUSHI)
どっかの国の夫婦関係でよくきく話とおんなじかぁ(苦笑)
マンゴーさん)
とにかくコミュニケーション能力がつきますね、違う環境というのは。
大事にされているマレーシアの子ども
マンゴーさん)
マレーシアのインターナショナルスクールはすごく褒めるんですけど、現地の学校は特に褒めるわけではないし、むしろ厳しくて、クラスは成績順だし、一定の成績取れなければ留年するし、脅すような教育なんですね。
でも、子ども達の自己肯定感はとても高いんです。
Linda)
なんでだろう?
マンゴー)
いろいろ研究していて、いくつかあると思うんですけど、マレーシアには街中に「エロ」がないんですよね。
マレーシアにももちろんあるんですけど、一般に目につくところにはないし、日本のようにおじさんが新聞広げたら女性のヌードがみえるようなこともないんです。
それがどういうことかというと、「子どもが大事にされている」ってことなんですよね。
Linda)
マレーシアで飲食店にいったときに、そのときに店員さんがお水をこぼして、粗相をしたことがあって。
でも、みんな「オッケーラー」って言ってたのをうちの子どもが聞いて「みんな優しいね」って言ったんですよね。
それをきいた一緒にいた人が、「マレーシアはお客さんも店員さんも、どんな立場の人も同じだっていう考え方だから、むしろ店員さんを罵倒するようなお客さんは軽蔑されるんだよ」って教えてくれて。
立場に関係なく人が大事にされているっていうのを社会全体がメッセージをいい意味で刷り込んでいるんだろうな〜。
ATSUSHI)
日本はねぇ、少年漫画もどんどん性的な描写、いわゆる女性のボディラインの強調とかが増えてきていて、しっかり守ってあげないとなぁと危機感を感じたりしますね。
頼らざるを得ない環境ならお互いに頼りあう
マンゴーさんは、母子留学を選択されたわけですが、そうなるときになりますよね?
「ワンオペ大丈夫?」
マンゴーさん)
私もワンオペ自身がなかったんですよね。
夫は子どもが大好きで、授乳以外はたくさんやってくれていたので不安だったんですけど、やるしかない状況だと・・・やりますね(笑)
あと、同じように母子留学に来ている人たちとつながったりしました。
日本だと頼ることに罪悪感があったんですけど、子どもを守るためには頼らざるを得ないので、私自身も変わりましたね。
あと、保育所なんかは誰でも入れたり、いろんな預かってくれる場所があるので、そうやって働きながら子育てが出来たりしますね。
日本はメインストリームから外れるとチョイスがどんどん減っていってしますけど、マレーシアはそもそも違うことが前提だから、チョイスが減らないですよね。
「収入は大丈夫?」
マンゴーさん)
マレーシアに来る人は多くは、子どもの留学ビザにくっついてくる保護者ビザで滞在する人が多いですね。
でも、それだと働けなくて、そういう人は、日本の仕事をリモートでされているのとか多いですね。(現地で働くとなると、会社から出してもらう就労ビザが必要になります)
詳しいことはぜひ、マンゴーさんの「たびまな」でいろいろお聞きしていただきたいのでぜひご覧ください!
マンゴーさんがマレーシアで感じた「なるほど!」
僕は、某広告代理店で働かれていた故小沢正光さんの「世界中探したのか?」というセリフ、好きなんですよね。
ただ、できているかというとなかなかなのですが・・・。
それを実践されているマンゴーさんは本当にすばらしい!と、お話をうかがう中で何度も感じました。
そんなマンゴーさんがマレーシアに行って感じたなるほど!ってどんなものだったんでしょう?
マンゴーさん)
受け身にならないってことですね!
受け身でいったら、何も得られないんだなと思いました。
あとは、みんなの立場が対等だということ!
そして、実体験が何よりも大事!
どんな小さなことも子どもも自身が自分で体験すること。
この3つですね。
ATSUSHI)
実体験っていうのをもう少し具体的にいうと?
マンゴーさん)
たとえば、インターナショナルスクールで物がなくなるとか?
ATSUSHI)
あー、なるほど!
日本だと、当たり前すぎて見落とすようなことを含めて、の体験ってことですね。
マンゴーさん)
非日常のなかにこそ、新しいことがたくさん得られるような気がしますよね。
いかがでしたか?
今回も本当に色々と勉強になりましたねー!
今回もおつき合いいただきありがとうございました!
こうしてテキストにまとめる作業をしていて、一番勉強になっているのは間違いなく僕ですね。
なので、もっといろいろ聞いてみたい!っていう方がいたら僕とお話しましょう!
まだまだ海外いいな!って思って、じゃあすぐに行けるわけではないんですが、海外の良いところがあって、それを取り入れたい!って思ったときに、どんなことができるのか。
またみんなで考えていきたいですね!
次回は、9月26日(土)の9時からを予定しています。
またぜひおつき合いくださいね!
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