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アメリカに移住した日本人の親が感じた「アメリカの教育はここがいい!」(NJ在住小西 一禎さん)

「海外で子育てしてみたい!」と思ったこと、ありませんか?

日本で子育てをしながら、「子どもに海外の子育てや教育を体験させてあげられたらなぁ」と思うんです。日本での子育てや学校というのに窮屈さみたいなものがあるんですよね。

とはいえ「よし!海外で子育てしよう!」って簡単にできるわけでもないし、いいことばかりではないことも知っています。それでも、考えてしまう海外の子育てという選択肢は「ありなの?なしなの?」

今、オンラインがすごく身近になったおかげで、気軽にいろんなことを聞けるようになりました。旅行ツアーや街歩きツアーという企画までオンラインでできるようになりました。個人的には、親子留学ももしかしたらオンラインでできるんじゃない?なんて思っています。

じゃあ聞いちゃえ!ということで、海外で日本から移住されて子育てされている日本人に、zoomウェビナーを使って話を伺っていく企画を、ATSUSHIとRINDAさんで仕掛けていくことになりました。

トーク企画「なるほど!子育てザ・ワールド」。
今後ともどうぞお付き合いください。


ニュージャージー在住小西 一禎さんのご紹介

世界の子育てや教育、親としての生き方の多様な選択肢を、世界のあちらこちらで子育て中の日本人との交流から手に入れることを目的としたイベントの第1回目(6月27日(土))ゲストは、小西一禎さん。
初回の開始時間は日本の朝9時。アメリカ東部では夜の8時。
(13時間の時差をものともしないのもオンラインの強みです。)


米国在住・駐夫 元コロンビア大学大学院客員研究員 共同通信社政治部記者。1972年生まれ。7歳の長女、5歳の長男の父。2017年、妻の転勤に伴い家族全員で渡米。共同通信社の同⾏休職制度を男⼦で初めて活⽤し、政治部記者を休職中。駐妻ならぬ駐夫(ちゅうおっと)と名乗り、ブログ(https://chu-otto.com/)や⽇経DUAL、プレジデントウーマン、ビジネスインサイダー、フォーブス、福井新聞などで、駐夫として感じたエッセー、男のキャリア問題等について連載、執筆。
96年慶應義塾大学商学部卒業後、共同通信社入社。05年より東京本社政治部記者。小泉純一郎元首相の番記者を皮切りに、首相官邸や自民党、外務省、国会などを担当。元・米コロンビア大学大学院客員研究員。研究テーマは「米国におけるキャリア形成の多様性」。世界中の⽇本⼈駐夫60⼈以上でつくるフェイスブックグループを主宰。NYマンハッタン対岸のニュージャージー州在住。埼玉県出身。1年間の育休歴あり。ファザーリング・ジャパン会員。
ウェビナーでは語られていませんでしたが、ニュージャージー州に移住された理由はDUALの記事に詳しく書かれています。へぇって思う内容なのでぜひご覧ください。

もともとは月に100時間の残業をこなす「ザ・記者」からアメリカで残業ゼロ(でも終わらない家の仕事を抱える)の「主夫」となった小西さん。実は保育士の資格もお持ちで、その知見が今、アメリカですごく活きているそうです。
とろうと思ったきっかけは?
▶︎日本で、保育士の先生たちと話をしていて、「栄養の話」とか「子育ての話」とかにすごく興味がでてきて、保育士について調べてみて。
そしたら先生が話をしていることがそのまま試験問題になっていて・・・ちょうど負担の軽い担当だったこともあり、何かの役に立つかもしれないとおもって取得。

コロナ禍対応はとにかく早かった!

子どもたち2人とも、現地の生活に慣れてもらうために日系の学校へ入り、思いのほか環境に馴染んでしまって時間がかったものの現地校に移り、学年末の6月に、長女さんはファーストグレード(1年生期間)を、長男さんはpre-K(年中さん期間)を修了されました。

でも、一方でコロナウイルスの影響で学校が3月中旬から閉鎖しちゃったんですよね。
半年間通って自宅学習に移行してからそのまま学校に行くことなく夏休みに。
それはそれで残念ではあるけど、小西さんによると、アメリカはとにかくオンライン教育への移行がとても早くてスムーズだったという。

最初は2週間程度だったので、日本同様大量の宿題が用意されましたが、延長がわかった時点でオンライン教材が充実して、提出関係も全てオンライン。
これはやっぱり早い!
日本だと学校に持っていかないと行けないうえに、オンライン化って出来ずに終わった学校さえあるというのに・・・。

そのあたり、先生たちも学年末の成績をつけないといけないとはいえ、さすがの早さですね。

ココが違う!アメリカ教育

アメリカでは、とにかく個性を伸ばす教育が徹底されているようです。
小西さん曰く、親の手腕がかなり問われるそうです。
たくさんの選択肢がある分、親は個性をしっかり把握する必要があるのかもしれません。

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小西さん)
よく言われている話ですが、子どもの個性を徹底的に伸ばしてくれる。
子どものいいところを、うまくかいつまんで褒めてくれるんですよね。
それが子どもの自信につながって「僕はできる」「私はこのままでいいんだと」という自己肯定感を育まれる。
たとえば算数ができる子を、先生が伸ばしてあげようという子を推薦して、1学年うえのプログラムを受けさせてくれるプログラムが、小学生のころからある。(「ギフテッド&タレンテッド・プログラム」)
学外での習い事でも、強みを伸ばしてくれる。
「そんなところ褒めるんだ~」っていうところをひろい上げて褒めてくれたり、先生たちみんなすごく褒めてくれる。

こうした強みを見出していくことは、ゆくゆくは大学入試に向けてとても大切なことなんだそうです。

小西さん)
アメリカの大学では、書類選考であることが多い。
課外活動やってるかとか、ピアノで賞をとったとか、野球を頑張ったとか、そういうことを書類にかければ、入試の評価にもつながります。

日本でいう内申点を自分の評価軸で作り上げていくというイメージなのかもしれませんね。
日本だと、まだまだ書類提出とか、遅刻しないとか、先生との相性とか、そういう個性と別の軸でしか評価されていないような気がします・・・。

褒めてくれるって具体的にどんなふうに!?

小西さん)
たとえば、服装とかカバンとかをほめてくれることもあるし、一から英語を勉強している娘の場合には、発音をほめてくれたりします。

RINDA)
アメリカに住んでいたときに、息子が先生に「電気の消し方が上手」だってほめられたことがあったなぁ。
「彼はねぇ、教室の電気を絶妙なタイミングで消してくれるのよ~」って先生に言われて、親としては「ほかにほめるところないのかな」って思っちゃうけど、子どもは「俺に電気消させたら誰もかなわないよ!」って(笑)
ある日、学校に行ったら帽子をかぶっていて、何があったのかと聞くと、「今日はいつも以上に上手に消せたから、かぶらせてくれた」ということもあって。

ATSUSHI)
子どもを海外に連れて行ったときに、子どもも大人も質問をするごとに「This is a good question!」って言ってくれるんですよね。
日本だと、そんな些細なこと聞くなよっていうこともちゃんと拾い上げてくれて、子どもながらに「質問した甲斐があった」って感じてくれるようになって。

生活に直結したマネー教育は幼稚園から

お金の運用を若いうちからする子も多いというアメリカ。
お金のことを学べば、最終的に自分を守ることに繋がる、という考え方が根付いてるんだそうです。

小西さん)
クオーター(25セント)と10セントを足せばいくらになるのか?とか。
そういう数え方を幼稚園の頃から、リアルなお金を使ってやるんですよ。
要は、お金がどれだけ大切なのかっていうことを、しっかり伝えてくれるんです。
中学生になったら、会社が倒産することとか、投資の仕方とか、もっと具体的なことを学ぶそうです。

ATSUSHI)
算数の授業をリアルなお金を使ってするだけでもマネー教育ですよね!

RINDA)
学校で学ぶことがそのまま生活に直結してるってことね!

どういう生活をしたいの?から考えるキャリア教育

小西さん)
キャリア教育も同様で面白いんです。
スクールカウンセラーさんがいて、将来の仕事を見据えて、そのためにいくら稼げばいいのか?から逆算して考えることを教えてくれるらしいんです。

RINDA)
アメリカでスクールカウンセリングの先生と仕事をしていたときに、「俺は金持ちになりたくて大きな家に住みたいから建築士になりたい」って言ってる子どもがいたの。
日本だとそれ相当頑張らないと無理だよってなるんだけど、向こうの先生にいわせると「金持ちになりたいって目標があるなら君は大丈夫だよ!じゃあ、この授業を取ってみようか。」って。
衝撃でしたね。

公教育でも学校間格差が激しい

いいところをピックアップしてきたものの、デメリットもやはりあります。
日本では全国どこでも同じ教育を受けることができるけど、学校によって大きく違うのは、アメリカのマイナスの特徴といえるかもしれません。

小西さん)
教育予算って、各学校区にまかされているので固定資産税によって決まるんです。
いい学校っていう評判がたてば富裕層が集まってくる。すると、教育予算はどんどん増えていくので、ますますいい教育が受けられる。
逆の場合も当然起きるわけです。


学校のランキングサイトなんて言うのもあるらしい・・・。

行ってよかった!アメリカのメリット

メリットもデメリットも両方あるのはどこも同じこと。
そのうえで、小西さん的に素晴らしいなという点を、いくつか挙げてもらいました。
たくさんあるところ、いくつかピックアップしました。

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小西さん)
人と違うことが当たり前だということを受け入れてくれる土壌も風土もがある。
秀でること、目立つことは悪いことじゃないし、むしろほめてくれる。
親から受ける愛を通じて得る根拠のない自信と、学校などで褒められて育まれる根拠のある自信があわさることで、自分の強みが形成され、自分でわかるようになっていく。

メリットに目を向けるとたくさんありますよね~。

私が見つけた子育てのなるほど!

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このお話で特に印象に残ったのは、謙虚すぎる日本人の姿勢が大きな誤解を招くというお話。

小西さん)
日本だと、奥さんがほめられたら「いや、うちの愚妻が」とか、息子がほめられたら「うちの愚息が」とか、そういうことを言ってしまうことが多い。
アメリカで同じように言ったらものすごく怪訝な顔をされてしまって。
よくよく調べたらやっぱりそういうことかと。本当に誤解を招いてしまうんですよね。
ほめられたときには「Thank you!」のひと言で大丈夫ということですね。

日本だとした手に出ることが美学ととらえられていますが、アメリカだと自身の無さに見えてしまうんですね。
やはり、小さいころからしっかり褒められる経験というのが大事なのかもしれません。

アメリカにいたい?日本に帰りたい?

最後に、直前まで内緒にしていた秘密の質問をぶつけてみました。

小西さん)
子どもが馴染んでくれたので、アメリカの学校に行きたいというならなんとかしてあげたいなと。
方向性を押し付けちゃうことだけはしないように、自由にさせる環境だけはつくってあげたいなと思いますね。

なるほど!

いかがでしたか?

本当にたくさんの経験談をお聞きできましたね。
うわさに聞いていたことが実際にどうなのかっていうのを、経験談から聞けるってやっぱり全然違うなぁと思いました。
いいな!って思って、じゃあすぐに行けるわけではないんですが、海外の良いところがあって、それを取り入れたい!って思ったときに、どんなことができるのか。
またみんなで考えてみたいですね!
お付き合いくださりありがとうございました!


次回は、7月25日(土)朝9時(日本時間)開催の予定です。
次もぜひお耳にかかりましょう!

では!

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