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『天使の翼』第12章(44)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

 ――まず、顔……シャルルの嘘つき!――彼、『犬』って言ったけど、全然違う……『馬』だわ!爬虫類的な馬顔?とても優しそうな顔……でも、鼻先に突き出た円錐形の角がかっこいい……
 ――胴体は、伝説の生き物、『竜』そのものだ……翼代わりの被膜があるって言ってたけど、今はたたまれているのか見えない……
 ――尻尾!長くてとても表情がある……わたしは、さっきからずっと動いていることに気付いた……大きな動き、震えるような小さな動き……
 わたしは、不思議なことに何の危険も感じなかった。この生き物から突然襲われることなど、考えられもしなかったのだ……
 気付いた時には、わたしは、立ち上がって――少しよろけた――、彼女の方へと歩いていた。
 ほんの二十歩ほどだった。
 彼女は、子供だった。――シャルルが、確かマウンテン・デビルの平均的な体長を8標準メートルと言っていたから。この子は4メートル位?

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