『天使の翼』第11章(100)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
マウンテン・デビル、別名『山の人』を非常な困難の末に捕獲しようというサンス人の情熱には、もっともな理由があったということか?自分の人生に十年がプラスされると言うのは、余生を楽しむのに、これ以上の至福があるだろうか!
「当然――」
少佐が、話の穂を継いだ。
「当然、最上等級の商品の流通、最終的な消費者の情報に関わる対応は、デリケートなものにならざるを得ません」
「デビル・ハンターが顧客情報を悪用したの?」
ローラが、口を挟んだ。
すかさず、シャルルが――
「それはおかしい。高額のユナイトを払ってくれる客を守りこそすれ、害したりはしないだろう――その方が儲かるのだから」
少佐は、肩ごしに鋭い視線をシャルルに据えた。
いつものことながら、わたしは、シャルルが自分の能力を白日の下にさらしてしまいはしないかとひやひやする……
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