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《連続投稿541日目》どうなる、スーパーの食品加工部門?

 日経電子版の記事【スーパー、食品加工を中核店に集約 人手不足に対応】では、「(記事より)都市部への出店では従業員の採用が思うように進まないケースもある」など、スーパーの総菜・生鮮(青果・鮮魚・精肉)部門の調理・加工を今後どのように担っていくかという課題が論じられています。



 はじめに、記事などからスーパーの食品加工部門が置かれている状況を整理してみると――

▶スーパーの食品加工部門を取り巻く状況
    ~崩れる需給バランス~

① バックヤードの広い狭い、繁閑の差など、店舗間のバラツキが大きく、
 効率が悪い(高効率の店=黒字と効率の悪い店=赤字の差が大きい)。

② 人手不足採用難

③ 食品加工部門以外(加工食品・デイリー食品・レジ・ネットスーパー
 など)も人手不足なため、応援に行く必要
がある。
 
④ 主力となるパートナーの賃金上昇が続き、どうやって効率化を図るかは
 喫緊の課題。

⑤ その一方で、世帯人数の減少などによる少量パック・半調理化等の
 需要は上昇
し続けている。

                             など



 このような状況を打破するためにどうすればいいのか、その施策のいくつかを記事などから整理してみると――

▶需給バランスをいかに取るか?

(1)従来通り個店対応するメリットは?
  ① お客様の細かい要望に即応できる(「三枚におろして」など)。
  ② お客様からの(大口の)注文(客注)に臨機応変に対応できる。
  ③ 店で調理・加工するので出来立てを提供できる。
  ④ 母店方式や加工センター方式で納品すれば、当然消費期限までの
   残り時間は短い


(2)母店方式のメリット
  ① 作業を集約する事で、上記のようなスーパーの食品加工部門を取り
   巻く様々な課題への解となる。
  ② トータルの必要人員の削減ができ、品質も安定する。
  ③ 遠くの加工センターから運ぶよりは出来立て感がある
  ④ 仮に加工センターを設置したとして、土地・建物・機械設備・専属
   人員等のコストを賄えるほど利益を上げられるのか

  〔註〕課題としては、他の店のために加工する人員のモチベーションを
    どうするのか、他店へ移動する商品の原価にいくら上乗せする
    のか=母店の利益取り分、など。

(3)センター方式(セントラルキッチン)のデメリット
  ① 出来立て感がない
  ② 臨機応変の特注対応ができない
  ③ 多額の費用をかけて元は取れるのか

(4)食品卸等が加工を担う
   大規模に事業化すれば、規模のメリットで採算ベースに乗り、様々な
  技術の革新で品質も向上するかも。



 結局のところ、お客様に寄り添い痒いところに手の届くような対応、出来立て、といった点では個店での加工・調理に勝るものはありませんが、その部分を残しつつ、次善の策として母店方式や食品卸への委託を検討する必要がありそうです。




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