見出し画像

《連続投稿500日まであと2日》AIにできないコト~スポーツインストラクターの存在感を見て~

 日経電子版の記事【AIコーチにできない指導 仲間と走れぬ今、思うこと】からは、ランニングインストラクターをされている方が、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の中、クラブの在籍メンバーや、この春から走りだそうとしていた人のモチベーションを鼓舞すべく、インターネットでの動画・情報発信等に取り組む姿が浮かび上がってきます。



 この記事で最も印象深いのは、生身の人間であるインストラクターが通常の活動ができなくなった状況で、AIインストラクターの存在を想起し、フォーム解析・プログラム処方などを担っていくと予測されるAIにも『できないコト』がある、と指摘しているくだりです――

(記事より)ただ、私たちのクラブは多世代が集い、ともにスポーツに取り組む地域クラブチーム。この世界に関しては、AIでは私たちの要求を満たせないのではと考えています。人と人が顔を合わせ、表情から気持ちをくんでのアドバイスや、コーチそれぞれの人生観が投影されたアドバイスを受けられる。生活の柱になっているそうした風景を、AIがつくり出すことは難しいように感じます。



 ここに、改めて、一般論として『AIにできないコト』を整理してみると――

▶AI(インストラクター)にできないコト

(1)AIとの1対1の関係からは、世代間等のダイバーシティが担保された、
  あるいは、地域密着型などの、リアルなコミュニティーは、形成され
  ない


(2)したがって、交流・交友・切磋琢磨など、リアルなコミュニティー
  ならではのUX(ユーザーエクスペリエンス)も得られない


(3)AIの精度にもよるが、相手の気持ち・調子などを汲んだアドバイス
  がどこまで出来るか


(4)アドバイスとは、単なるテクニックの伝承などではなく、より
  大きな、人生観・流儀・道(例えば武士道など)といった観念も
  含んだ、非認知能力そのものである
。冷徹な計算であるAIにそれが
  できるか?

                            など



 AIにはAIの利便性、ベネフィットがありますが、決定的なのは、忍耐力・自制心・レジリエンス・協調性といった様々な非認知能力の涵養は、リアルな人と人との繋がり(ネットなどを介した繋がりも含めて)の中から育まれてくるものだ、という事です。AIによるコーチングだけでは、実に味気ないことになってしまうのではないでしょうか。

 メンタルな意味、領域では特に、AIは人間にはなれない、人間の代りにはならないのですから。



連続投稿498日目。
 当ページにご来訪いただき、ありがとうございました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?