「オンライン疲れ」と「リモハラ」から浮かび上がるオンライン化の弱点~オンライン化の2大弱点とは?~
日経電子版の記事【「オンライン疲れ」投稿80万件 在宅生活に悩み】では、コロナ危機の中広がるオンライン化によって増幅される様々なストレスが、また、同じく【テレワークに潜む「リモハラ」の危険】では、意図せぬリモハラのリスクなどがリポートされています。
この2つの記事を逆サイドから読み解くなら、そこにはオンライン化の思わぬデメリット、弱点が浮き彫りとなっており、この先オンライン化のサービスをデザインする際に検討すべき重要なポイントである、と考えられます。
さっそく記事などから、それら弱点を整理してみると――
▶オンライン化の弱点
(1)文字中心のコミュニケーションのデメリット
① 自然に耳に入ってくる会話と違って、集中しないと見落としが。
② 対面コミュニケーションで得られるような身振り・表情・間などの
実に様々な非言語情報が一切欠落することで、情報が最適な温度で
伝わらなくなる(例えば、発信者にその気がなくてもよそよそしく
感じられたり、ジョークがジョークでなくなったり)。
③ 文字でのやり取りは、非言語情報が伴わないため先鋭化しやすい
(売り言葉に買い言葉)。
④ 相手の状況が見えない状態でのやり取りは、発言修正のチャンスが
端から奪われている(例えば、相手の顔色を見ながら言葉を選ぶ
ような事が出来ない)。
(2)常に外部と繋がっており、いつ来るか分からないひっきりなしの
メール・チャットのメッセージによって、『自分一人になる時間』が
奪われるストレス。
(3)効率的になるという事は、何も手を打たなければ、どんどん業務量が
増えるというコト(例えば、移動時間に一息つく、などという時間は
ない)。
(4)在宅で出来るとなると、何かにつけ断るのが難しくなる。
(5)ひっきりなしのメール、画面に大写しになる相手の顔……
プライバシーが損なわれている気分になりがち。
(6)上記のようなデメリットが輻輳して上司の指示は一方的になりがち
(相手が見えず、言いにくい事、指示が言えてしまう、など)。
(7)オフィスならさりげなく目視で確認できるが、ひっきりなしにメール
で進捗確認するような状況になると、集中が途切れ、著しく
モチベーションが低下する。
など
まだまだありそうですが、結局のところオンライン化の環境では、(1)コミュニケーションのための情報、コミュニケーションに欠かせない付帯情報が著しく絞り込まれてしまい、意図せぬ様々な悪影響を及ぼしている点、そして、(2)単純に自分一人になる時間、心身を調整するのに不可欠な時間が奪われてしまう点、この二つが決定的な意味を持っているようです。
オンライン化の施策にあっては、この2大弱点を克服するような対策、サービスのデザインが不可欠だと言えそうです。
(付記:2020年5月19日、皆様のおかげをもちまして、noteへの連続投稿が500日を達成できましたことに、改めてお礼を申し上げます。下記の拙稿で振り返りをしています。)
《連続投稿513日目。
当ページにご来訪いただき、ありがとうございました!》
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