経営トップのインタビュー記事に注目する理由

 HTBの『変なホテル』、前から気にはなっていたが、実験的なレベル位にしか受け止めていなかった。今回、この記事『ハウステンボス、人手3分の2』を読んで、これが本気のイノベーションであり、より大きな目的達成のための一手段だという事が分かった。

沢田秀雄会長兼社長の目的とは、最も自動化の遅れている分野の一つである『サービス業の生産性向上』です。記事からは、氏の徹底した取り組みがひしひしと伝わってきます――

 ① IoTと連携したロボットの導入による省力運営の加速化。 ② スマホを使う独自の電子通貨によるキャッシュレス化(決済の効率化によるレジ要員の削減)。 ③ 自然エネルギーによる自給自足で光熱費をゼロ化。 ④ 本業の旅行業でも接客AI化の実験スタート。

最大のポイントは、これらの取り組みが、人手不足だからやむなくやる、という消極的な動機ではない、という事です。人的リソースのの成長分野への再配置、そして、節約できた固定費の成長分野への再投資という積極的な攻めの経営なのです。『事業の選択と集中』は、収益向上、成長へのカギを握っており、そのための徹底した自動化と言ってよいでしょう。その意味で、人員課題に、人手不足対策として消極的に取り組むか、リソース再配分として積極的に取り組むかで、リターンは全く違ってくる、という当たり前のことを再確認できました。この点は、株に投資する際のチェック・ポイントとして押さえておきたいと思います。

 経営トップが自分の会社をどのように経営しようと考えているのかという事は、当然のことながら、将来の企業業績を左右する最重要ファクターであり、私達は、それを、この記事のようなインタビューを通して知ることができる。もし、経営トップの発言に理路整然とした説得力、情熱、確固としたポリシーが感じられなかったら、それは、危険信号ではなかろうか(一番まずいケースの一つが、総花的で一貫性のない語り)。

それはそれとして、いい機会なので、私は、最近何かと話題になる『人員課題』というものを整理してみようと思い立った。以下は、それを箇条書きにしたものです。

【人員課題】

(1) リソースの成長分野への再配置(の手法)

① 定型作業の自動化(IT化・RPA)

② ロボットの導入

③ AI接客

④ 決済の効率化(無人レジ・キャッシュレス化)

⑤ 営業時間短縮

⑥ 不採算事業・案件の整理

⑦ 働き方改革(短い労働時間で効率的に業務をこなす)

(2) 必要な専門家(技術者)を外部から獲得

① たとえ採用コストがかかっても、それによって事業拡大できれば、、リターンは大きい。

② M&Aなどで、会社ごと吸収するケースもあり。

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO28233960W8A310C1TJ1000/

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