デジタル化の体力~デジタルも受けるコロナの影響~
日経電子版の記事【スマホ決済低調、巣ごもりで「かざせず」 クレカ最多】では、キャッシュレス化の寵児とも言えた『スマホ決済』が、コロナ危機のもたらした行動変容によって、対面決済における「かざす」という利用シーンそのものが伸び悩み、シェアを減らしている――「(記事より)2月10日~3月8日と、直近の5月4日~17日のデータを比べると、最も利用が多かった決済手段はクレジットカードの36.2%で、1.9ポイント増えた。現金は2.8ポイント減の31.7%、「ペイペイ」や「LINEペイ」などQRやバーコードを読み取るタイプのスマホ決済のシェアは0.1ポイント減の7.4%だった」(調査方法については記事をご参照ください)――ことがリポートされています。
この記事は、コロナ危機による行動変容など、様々な影響が、何もリアルの世界、アナログな世界にだけマイナスに働いている訳ではない事を改めて認識させてくれます。
記事で紹介される『スマホ決済』の場合、今回改めて認識されたそのマイナスの側面、デメリットは――
▶『スマホ決済』のデメリット
① 『スマホ決済』のリアル店舗における対面決済での「かざす」という
利用シーンそのものが制約されてしまった(実証実験の進むスマホが
カバンやポケットの中にあっても決済できるタイプも、基本的には
同じ)。
② 『スマホ決済』は、少額決済での使用が中心で、平均利用金額が低く、
まとめ買いや、高額な分野では使われない。
③ QRコード決済のタイプなどでは、セキュリティーの課題があり、少額
の利用にとどまっている。
こうしてみると、スマホ決済をはじめとした様々なデジタル化の施策、サービスには、利便性(使い勝手など)・安全性(セキュリティーなど)・デジタル度(利用シーンがどの程度デジタル化されているか)という3つの指標があって、その総合点でデジタル化の体力(総合力)が測られるとも考えられます――スマホ決済の場合は、利便性は高くても、安全性とデジタル度が相対的に低かったため、他のキャッシュレス決済に比べシェアを落としてしまったのです――。
▶デジタル化の体力
利便性
↑
↑
↑
総合力
↙ ↘
↙ ↘
↙ ↘
安全性 デジタル度
▶『スマホ決済』の場合
利便性
〇
↑
↑
総合力
↙ 〇
〇 ↘
↙ ↘
安全性 デジタル度
今回のケースは、一見IT化・デジタル化・オンライン化の潮流に乗っていると見える施策・プロダクトといえどもリアルの世界での出来事と無縁ではいられず、常にその総合力、『デジタル化』の体力を試され、また、ブラッシュアップし続けるコトを求められているのだ、と教えてくれていると思います。
例えば、『スマホ決済』であれば、注文と決済をシームレスにできるサービスや、カバンに入れたまま決済できる技術、信頼性の向上など、様々な取り組みが期待されます。
(付記:2020年5月19日、皆様のおかげをもちまして、noteへの連続投稿が500日を達成できましたことに、改めてお礼を申し上げます。下記の拙稿で振り返りをしています。)
《連続投稿522日目。
当ページにご来訪いただき、ありがとうございました!》
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?