『天使の翼』第11章(61)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
「フランクが心配だわ……」
裏の事情を察知してないローラに――
「事件のことは、誰にも一切話しては駄目だよ。……君は、事件の起きる前にフランクのもとを辞去した――聞かれたらその線で答えればいい」
「でも、クレー准将とハーゲンが――」
「彼らにとって最も合理的な行動は、知らぬ振りを通すことだ。彼らの政府に事情を伝えることは、必ずしもフランクの為にはならない」
ローラにもようやく、長官の安否もさりながら、自分の身の処し方を心配した方がよいことが分かってきたようだ……政府による口封じ……
わたし達などより余程政府の実態が身にしみているローラは、こくりと頷いた。
「余計なことさえしなければ、政府も、むやみに手を出してこないだろう」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?